愛求拒我

私は人を愛したいと言いながら、拒絶する


私は誰かを愛したいと思っていた


だけど、私にとって愛は……

綺麗なものではない


愛は美しいものではない


愛は……人にも自分にも危険なものだと思っている


愛は火なのだ


愛は自分も相手も焼き尽くすまで止まらない火なのだ


愛があったからこそ、その力で先に進めていた


だけど、その過剰な火は愛するものを傷つけ、焼き尽くすと理解した時


私は怖くなった


自分が怖いと思った


大切なものを自分の手で壊してしまう


自分の本性を恐れてしまった


誰かを愛したい


そんな欲望があるのに、


理性は先を見て、その火を消す


それは燃やしてはいけないものだろ?


そう語りかけるように、私の火は消えていく


それでも、愛したい


燃え上がるような感情に支配されて


言葉を投げかけたい


だけど、私の愛は……


穢れているのだろうか?


唯一無二の存在だけを愛せるだろうか?


純粋に好きだと言葉に出来るだろうか?


偽りとはいえ、愛を囁けば……


この燻った心に火種が激しく燃え上がるのは止められない


だから、私は好きを愛をあまり言葉にしない


大切だから


綺麗なままでいて欲しい


この穢れた想いであなたのハートを穢さないように


あなたには空で輝いていて欲しい


月に叢雲、花に風


私の愛は君を曇らせ、散らしてしまう


私は独り、この穢れた愛の火を抱いて燃えていよう


いつか、全てを焼くその時まで……

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