愛求拒我
私は人を愛したいと言いながら、拒絶する
私は誰かを愛したいと思っていた
だけど、私にとって愛は……
綺麗なものではない
愛は美しいものではない
愛は……人にも自分にも危険なものだと思っている
愛は火なのだ
愛は自分も相手も焼き尽くすまで止まらない火なのだ
愛があったからこそ、その力で先に進めていた
だけど、その過剰な火は愛するものを傷つけ、焼き尽くすと理解した時
私は怖くなった
自分が怖いと思った
大切なものを自分の手で壊してしまう
自分の本性を恐れてしまった
誰かを愛したい
そんな欲望があるのに、
理性は先を見て、その火を消す
それは燃やしてはいけないものだろ?
そう語りかけるように、私の火は消えていく
それでも、愛したい
燃え上がるような感情に支配されて
言葉を投げかけたい
だけど、私の愛は……
穢れているのだろうか?
唯一無二の存在だけを愛せるだろうか?
純粋に好きだと言葉に出来るだろうか?
偽りとはいえ、愛を囁けば……
この燻った心に火種が激しく燃え上がるのは止められない
だから、私は好きを愛をあまり言葉にしない
大切だから
綺麗なままでいて欲しい
この穢れた想いであなたのハートを穢さないように
あなたには空で輝いていて欲しい
月に叢雲、花に風
私の愛は君を曇らせ、散らしてしまう
私は独り、この穢れた愛の火を抱いて燃えていよう
いつか、全てを焼くその時まで……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます