その手を掴めていたら
私は君を裏切った
いや、そもそも仲間ではなかったのかもしれない
自分の目的の為に君を利用していた
笑顔で話しかけて、君が欲しそうな言葉を与え
君を慰めた
それは私の為だった
私の為の行いだった
だけど……
私はいつしかそれに疲れていた
君の笑顔に……声に……泣き顔に……
全てを壊したいと思ってしまった
利用するだけで良かった
ただ、好きな空間を作り
依存させるだけで
でも……私は……君に手を伸ばしていた
正直に話せば良かった
正直に打ち明ければ……
でもそれは、すでに遅すぎた
私が君を泣かせてしまった
私が君から言葉を奪ってしまった
私が君の大切なものを取り上げてしまった
私が耐えられなかったから
君の笑顔に……君の言葉に……
失う事が怖いと思い出させる君が……
だから……私の最期は……
君に笑って貰いたかった……
それなのに……
何度拒んでも、何度傷つけても、何度裏切っても
君は歩みを止めない
来ないでくれと拒むほど
あの時の笑顔を向けてくる
それがたまらずに苦しい
その手を掴めたらどれだけ幸せな事か……
また昔の様に過ぎせたら、他には何もいらない
だけど、君は私を信じているという言葉が……
私の願いを想いを踏み躙る
お願いだから、来ないでくれ
私を見ないでくれ
私は君の思っている様な人間じゃない
君に相応しくない
だから、最期のお願いです
私を終わらせてください
綺麗な私のままで……
最期の一刺しをこの胸に……導いてください
我が愛する主人様
私が君に隣に居られない事を
この杭と悔いは私の胸をあり続けることでしょう
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