円環世界の星霊使い
神霊刃シン
円環世界(リングテイル)の星霊使い(ウロボロス)
現代
第1話 日常
俺たちは、今日も部屋でゲームをしていた。
別に時間を
まだ子供である俺たちにとっては、こういった遊びも必要なのだ。
そもそも、男子中学生の日常など、こんなモノだろう。
「なあ、『
とゲーム機を操作しながら、友人である『
部屋には俺たち二人しかいない。
また、
俺も自分の
面倒だと思いつつも、
「
聞いてやるから、言ってみろ――そんな
「どうしてオレたちは、いつも部屋でゲームをしているんだろうな?」
案の定、くだらない質問をしてきた。
いや、もしかして哲学だろうか?
『
しかし、雷翔に限っては、そのような考え方を持つハズもない。
「貧乏だからだ」
と俺は即答する。
もちろん『公園で遊ぶ』だの『図書館で勉強をする』という選択肢もあった。
だが、そうなってしまう原因は、お金がないからだ。
よって、貧乏が正解だろう。
お金さえあれば『映画』や『ゲームセンター』、『カラオケ』に『ボーリング』など、出来ることが増える。
「貧乏じゃなければ、もっと別のことをしているだろ?」
と言って、俺は自分の回答に対して補足をした。
なるほど!――と納得する雷翔。
「確かに
などとスケールの大きなことを言い出す。
バカなのか天才なのか、いまいち分からない発言だ。
それは結局『ゲームをする』ということに
余計なことを言わず、俺は黙ることにした。
「でも、
再び、雷翔が聞いてくる。そんなことは、お前の父親に聞け――と言いたい所だが、俺は
結局、俺も
「日本人が貧乏なので、俺たちは普通だ」
つまり皆が貧乏になった――そんな風に説明をしてみる。
丁度、ゲームも
一方で雷翔は納得していないようだ。
まあ、自分で『貧乏だ』と言うのはいいが、
なので俺は、
「今は年収が五百万あれば中流階級だからな」
共働きして、それくらい収入があればいい方だ――と答える。
「だから、六百万以上年収があると『自分は上流階級だ』と勘違いするらしいな」
勘違いした親が子供に習い事をさせて、そこで周りと違うことに初めて気が付く
自分たちが『なぜ貧乏なのか?』そんな話をしても
「俺たちの世代なら、結婚だけは早めにして、夫婦でお金を
そう言って立ち上がると、俺は身体を伸ばし、ストレッチを始めた。
二人で暮らせば、家賃や生活費の負担が減るだろうし、家事も分担できる。
都会であるのなら、実家暮らしも手だが、逆に家から出ていく機会を見失いそうだ。
――などとネットで見た情報を、それっぽく言ってみる。
「二人で働けば、一千万くらいなら
子供を育てるのは、お金も労力も必要だから、作るのはそれからだろう。
逆に貯められないのなら、子供を育てるのは難しいかもしれない。
離婚する可能性や、結婚してから相手が
少子化だと騒いでいるが、ずっと前から分かっていたことである。
核家族が普通になったので、孤独に耐性のある大人が多いのも要因だろう。
ネットがあれば、一人でも平気なようだ。
よって、結婚はデメリットの方が多い印象になってしまった。
「今の時代、中間層は大企業のエリートやホワイトカラーの人たちだからな」
これだけ伝えれば、雷翔も勉強する気になるだろうか?
直接、勉強しろと言っても、本人にヤル気がなければ意味はない。
「じゃあ、金持ちになるには、どうすればいい?」
と雷翔。
女性の場合は、金持ちと結婚する方法があるだろう。
だが、俺たちは男だ。
「弱いヤツを
それと一緒だ――とゲームのランキング画面を
「
と
「ああ、
そう言って、同意する。
雷翔は、そんな空気が嫌だったようで、
「そういや、
と別の話を始める。
これだけ話をして『勉強しよう』と思わないのは、ある意味、
雷翔の話によると、どうやら山の中にある古びた洋館――元博物館――に幽霊が出ると、小学生たちの間で
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