夜の鷹

藻馬

序章・嚆矢濫觴

第1話・生と死、その狭間

 強烈な風雨が体を打つ。そのことに気が付いた時には、自分の肉体がどこか遠くにあるように感じていた。家の庭、日課の瞑想中の事だった。


 その時僕は、死を迎えた。


▶▶▶▶▶


 脳に知識が流れてくる。その激しい奔流に身を任せ、どこまでも流れていく。


 魔法。六人の勇者。転生。魔王。


 断片的でひどく曖昧なそれは、しかし僕に確かな興奮を覚えさせた。こらえきれず、僕は叫ぶ。


「おぎゃああああ!」


 その日僕は、新たな生を手に入れた。

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