配信者クビになったので探索者としてダンジョン配信頑張ろうと思います

エレメント

第1話

この世はいつ何が起こるかはわからない。


例えば、今みたいに急に『ダンジョン』というものが世界に現れたり……。


俺は後藤 雷也、24歳、実質無職だ。昔から顔だけはよくモテたり、周りに人が集まったりもしていた。

そう、してい「た」のだ。

急だが皆に問いたいことがある。顔がいいだけでその人のことを好きになれるか?

大抵の人はこう言うだろう


「そんなことはない。」と。


俺もそう思う。人というのは顔だけではない。


それは俺にも言える。俺も顔以外は大したことはなかった。

最初のうちは周りに人がいるように見える。が、みんな俺と仲良くしたいなんざ毛頭思っていない。顔がいいからそのおこぼれでももらおうというのだろう。

だが残念。俺は顔以外の取り柄はない。勉強もできないし、運動もできない。おまけに性格がいいとも言えない。性格というよりは俺が陰キャであまりしゃべろうとしないだけだが……。


顔がいいというのに文句は言わない。というか今の俺の仕事があるのはそのおかげといって過言ではない。無職じゃないのかって?まぁ話を聞いてくれよ。


そう、俺の仕事はライバー、いわゆる配信者である。

俺はとあるライバー事務所にスカウトされた。

俺は当初は喜んだ。誰だってそうだ自分が評価されたのだから。しかし辛い現実がすぐに突き付けられることになる。

同接も3000人程度、チャンネル登録者数は10万人だ。

別に少ないわけじゃない、というか全体的に見れば多い方ですらある。

それでも事務所全体で見ると見劣りする。

うちの事務所は有名どころで先輩方のおこぼれでチャンネル登録者数が伸びたり、顔のおかげでチャンネル登録者数は増えた。

そして、顔はいいがそれ以外が取り柄がない俺は最初の伸び幅はよかったもののそれからの伸びが全くなくなり、俺は事務所から卒業という形でリストラされた。


だから俺は無職なのだ。

両親にも心配されている。大した学歴もない俺は就職先がなく、大変困っていた。

お金の心配はないと言えば嘘になるが、ライバー時代に稼いだ金で多少は暮らすことができる。


そして俺はニートとなった。

一つのこと(顔)しか取り柄がない俺は今では何もせず、家でゴロゴロするニートに成り下がったのだ。

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