第9話 スライムを仲間に

クソゲーに必要なのは、異形の仲間なんじゃなかろうか? 例えば、コンクリートブロックが生き別れの銀髪の妹になったら、僕はクソゲーだと抱きしめて泣く。


それを今、僕は強烈に求めている。たぶん・・・それは人間の本質。まごころ。


渋谷駅から新宿までは環状線でつながっている。その脇を僕はただ、ひいこら、歩きながら、車に気をつけててくてく歩いている。うぅ。車が欲しい。そんなら、スライムと戦闘になることなんてなかったのに。


僕はスライムを仲間にすることにした。


「スライムくん。スライムくん。僕の仲間になってください」


「ぴろろろーーー」


「うっそっ!? ほんとに仲間になってくれるの?」


「ぴろろろーーー」


スライムが仲間になった。それから、僕はぴょんぴょんと跳ねるスライムを仲間に新宿都庁を目指す。

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