第5話 雲はネオ夏型である


 雲はいまネオ夏型にひかりしてきりの花桐の花やまひえたり



 いや……癒えてないんじゃないかなぁその病気……?

 なんかアブナイ感じがするぞ。

 だいたい「ネオ夏型」ってなんだよ?

 次は「シン夏型」になったりするのか?

 下の句が「派手に字余り」というより「五‐五‐七」になっているのがおもしろいです。つまり「五‐七‐五‐七‐七」ではなく「五‐七‐五/五‐五‐七」になっているのですね。

 これが、「桐の花咲きやまひ癒えたり」ならば、なお「ネオ夏型」があるにしても、そんなにヘンな感じはしない。歌としてうまく収まっている。

 ここが「桐の花桐の花」になっていることで、みょーにそう的な感じが出てくるわけです。

 「ネオ夏型」は、後に「かえるのゴム靴」に出てくる、「雲がペネタ型(積乱雲の「かなとこ雲」のような形らしい)」につながる発想かも、と思います。この童話は、堅苦しく読めば一種の教訓話ですが、「人間が花見をするように蛙は雲を見て雲見をしている」という発想が独特な童話です。

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