第160話 夢と希望と現実と
随分時が経ったなあ、と思うのは
夢とか希望とか挫折とか
そんな物語みたいな思考ではなく
ひたすらに「現実」「現実」「現実」
根拠のない夢を見ることも
許されない年になったことだ
きっとこれをつまらない大人だと
若い頃には笑ったのだろう
それでもまあそれなりに
やりがいなんかはあったりもする
現実には切迫感があるから
確かにつまらなくはあるけれど
どちらがいいとか悪いとかじゃなく
時の流れとはそういうもの
あの妙に感情豊かで純粋だった
そんな自分が愛おしいように思う
あの頃に恥じないように
世知辛い現実を乗り切ってやろう
あんなに願っていた夢も希望も
たぶん今に繋がっているから
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