第159話 宙ぶらりん
別にどうってことないんだ
見かけよりせっかちな僕が
辛抱できずに腕を
ぶんぶん振り回しているだけ
まるで子どもの癇癪みたい
力任せに感情をぶつけて
イライラをごまかそうとする
でも何にも見えないんだ
この現状を打破するような
目新しいアイディアとか
確実に踏みしめられる足下とか
耐えきれないからこうやって
心の中だけで暴れて
なのに平気なフリをして
飲み込みたくない現実を
それでも飲み込まなくちゃいけない
ああなんか馬鹿みたいだ
たぶんここは宙ぶらりんの世界
ぶらぶらぶらぶら
足下も覚束ないまま
揺れて揺れて何も変わらず
動いているようで止まっていて
こんなの別に望んでないのに
一体僕は何を思えばいい?
どれほど自分を殺せばいい?
何一つ口にすら出せず
僕はイイヒトのフリをする
黙って胸の奥に秘めて
ひたすらイイヒトのフリをする
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