第152話 風の強い午後


風の強い午後

慣れない都会の道を歩いて

流れ行く大きな雲を

ビルの間から見上げて

ここから何か始まればと

淡い期待のようなものを抱き

それでも浮かれてはならぬと

戒めつつ一歩踏み出し

なるようにしかならないのは

いつもどこでも同じことだと

ゆっくり息を吸って

冷えた手を握りしめた



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