第150話 信号待ち


やけに信号にひっかかる日だ

少し進むなり足止めをくらい

見送るぽつりぽつりの車

そうしている間に流れる時は

いくつも積み重なっていく


ま、そこまで急いでるわけじゃないけど。

なんて言い訳みたいにつぶやいて

苛立ち始める気持ちを宥め

ほんの少しだけ目を閉じた

エンジン音がどこか遠い


人生、なんて引き合いに出したら

信号なんてほんの一瞬の出来事で

何をそんなに焦ってるのかって話

それでもドタバタ繰り返すんだけど


たまには赤信号くらい受け入れようか

目を開ければ点滅が始まっていて

ほらもう人が動き出してるから

一歩踏み出すところから始めよう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る