第103話 冬に向かって


終わらないとすら感じたあの夏も

気が付けばもう記憶の彼方で

今はかじかむ手をこすり合わせ

寒さに向き合おうとしている


でもなんだかんだヒトというのは

順応するイキモノだから

きっと生きていられるんだろう

夏も冬も、たぶん氷河期だって


それでもあともう少し

季節に追いつければいい

澱むことなく流れていくときに

いつだって溺れかけているから


もがいて足掻いて

今を確かめられればいい

自分だけ取り残されてゆくような 

そんな感覚はいらないから

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