第80話 白い時計


深い青の夜に浮かび上がるのは

ぼんやりと光る真っ白な時計

文字盤も針もすべてが白くて

時間なんて何一つ分からない

一秒ごとに時を刻む音が

何もない空間に響いている


眠れない夜に見つめているのは

壁に掛かった真っ白な時計

闇を照らすかのように白くて

ここがどこなのかさえも分からない

何かを知りたくて知りたくなくて

ひたすら時計の音を聞いている


白い時計を真っ白な時計を

見つめている聞いている

今ここにいるよ

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