第50話 夕闇
いつでも時は密やかに
その針を進めて
気がつけばもう
季節は遥か彼方
知らぬ間に取り残された
小さな影が一つ
夕闇に紛れ
所在なさげに揺れて
それでも精一杯
手を伸ばして背伸びして
なんとか届くように、
なんとか追いつけるようにと。
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