八重に咲く 想いは募り 吹き荒れど 花散る後に 実ることなく 

この内に残る熱は

あなたが残した想いの証


微かに残る痛みと香りが

交わした時を肯定する


消えない証を残して欲しくて

望んだ私に微笑むあなた


消えないように残してあげる

忘れぬように刻んであげる


優しく囁くあなたの声こそ

消えることのない傷痕


自分の身体を抱きしめながら

あなたの事を思い出す


消えない証を残してなんて

望まなければ良かった、と


内に残ったあなたの熱に

うなされながらため息をついた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る