第3話 幽霊
ある日、わたしの心臓は音を鳴らすのをやめた。
眠りにつくと同時に、わたしは死んだのだった。
でも、おかしい。
祖父母が私の名前を一生懸命呼び、お母さんがどこかに憔悴しきった様子で電話している。
お父さんは私に心臓マッサージをしていて。
ベッドの中の私は、青白い顔をしていて、
瞳は閉ざされていた。
「.........どういうこと?」
混乱して、頭が真っ白になる。
おばあちゃんが私の体を揺さぶると
私の腕はだらりと垂れ下がった。
もしかして、私は幽霊になったの?
ありえない。
でもこの状況は信じざるを得ない。
「香澄!!!」
泣き叫ぶお母さんに、胸が苦しくなった。
お母さん、私はここにいるよ。
そう言って安心させてあげたいのに
すぐ側にいるのに声も届かず、姿も見えない。
それが、とても心苦しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます