物語レボリューション!
工藤 流優空
著作の章
著作権。それは、物語と、物語を書いた、作者を守るためのもの。
そう思われているけれど、本当はそれだけじゃない。
著作権のもう一つの存在理由。それは「物語から読者を守るためのもの」。
著作権が切れたからといって、物語に何かが起きるわけじゃない。
けれど。たまに。ごくたまに。
著作権の切れた物語は、作者の手をはなれていってしまうことがある。
たとえば、物語を読んでもらえなくなった時。
たとえば、友達に借りたり、図書館で借りた本だったのに大事にしなかった時。
ページを破いてしまったり、何かをこぼして汚れを作ってしまった時。
たとえば、返却期限を過ぎているのに、だまって返却しようとした時。
そういうことが重なった時、怒った物語は、自分勝手に物語をつむぎ始める。
そして、本来あってはならないことを引き起こす。
そんな結末にならないように、物語を、あるべき結末へ導く人たちがいる。
それが、『特別司書官』。
これは、「めでたしめでたし」で終わらない、終われない、新しい物語の話。
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