名前のない抹茶ラテ
ぬっこ氏
第1話始まりの配信
『Rabbit(ラビット)』
それはスマホゲームをしながら顔を映すことなく、尚且つリアルタイムで配信が出来るアプリである
顔出ししない代わりに専用人型アバターを使うことによりVTuberのような体験が出来ると話題になり今では若い層を中心に人気を集めるアプリとなった
そして今日もまた1人、配信を始めようとする少女がいた
「マイクよし!イヤホンよし!準備よーし!じゃあ、今日も始めますか!」
明るい声と共にタブレットを操作し、アプリを開くと配信ボタンをタップする
3カウントの後に『配信スタート!』の文字が現れ、その後画面にはアバターのみ映されている状態になるのを確認する
そして一呼吸置き、彼女は第一声を上げる
「はーい!今日もまちゃさん配信やってくよー。よかったらゆっくりしていってねー。」
彼女....まちゃは手際よくタブレットを操作しゲーム画面を開く
すると、ポコンと通知音がなる
<なぎ さんが入室しました>
その通知を見たまちゃは自分の配信にお客さんが来たことを知る
「なぎさんいらっしゃい!ゆっくりしてってねー。」
まちゃさんはそうやってきたお客さんに向けて声を掛ける
しばらくすれば、向こうからも返信がかえってくる
<はじめまして、よろしくお願いします>
「はじめましてー!よろしくねー!....とと!危ない危ない、ちゃんと周りみてなかったわ....。」
<大丈夫ですか?>
「うん、大丈夫大丈夫ー!いつもの事だし!」
<笑笑>
まちゃは楽しそうにゲームを進めて行きながらお客さんのなぎとも話を進めていく
「なぎさんは今いくつー?」
<高1です>
「え!私とひとつ違いじゃん!私高2だよー。」
<え、そうなんですか?>
「え、逆に何歳に見えた???」
<20過ぎかな、と>
「えぇ〜、そんな大人びた声してる〜?」
くすくすと笑うまちゃ
なぎからも、それにつられてか文面で<www>と送られてきた
そんなやり取りを1時間あまり、ゲームでのノルマも終わり、する事も無くなったためまちゃは配信を終わることにした
「あー、やったやった。今日は来てくれてありがとうね、なぎさん。」
<こちらこそ、ありがとうございます>
「また明日もやるから、よかったら来てね。」
冗談半分にまちゃがそういえば、しばらく沈黙があったものの返信が届く
<また、来ます>
その言葉に、まちゃはクスっと小さく笑いながら「それじゃあまたね!」と言って配信を終えた
「はー、緊張したー....。」
以前から色んなアプリなどで配信してきたまちゃだが、暇つぶしにと配信するのは随分久しぶりだった
配信には慣れてるとは言えど、配信の時の緊張感は未だになれない
「....さてと、眠くならないうちに風呂入らなくちゃ。」
そういってまちゃは、タブレットに充電器を刺して、ゆっくりと先程までいた自分のベッドから降りる
これが、なぎとまちゃの始まりだった
名前のない抹茶ラテ ぬっこ氏 @araane1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。名前のない抹茶ラテの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます