第1章11話:マヨネーズとドレッシング

夏になった。


私はさらに商売を広げるために、父上から10億ディリンを借りることにした


日本円にすると10億円。


莫大ばくだいな金額である。


しかしトマトケチャップの成功があったため、父上は喜んで貸してくれた。


この10億ディリンを用いて行うことは、以下の三つだ。


1、トマトケチャップの販売数を増やすこと


2、店舗数を増やすこと。


3、新商品の発売。


特に新商品の販売には力を入れたいところだ。


トマトケチャップに加えてマヨネーズ、ドレッシングを開発し、販売を行いたいと思っている。


この手の調味料は永久的な利権になるだろうしね。






ある日の昼。


とりあえずマヨネーズを作って、サラダにかける。


そして屋敷の食堂で、アリアに試食してもらった。


すると、彼女は驚きに呆然とした。


「これ……凄いですね」


そう感想を漏らす。


「私もメイドをやっていましたから、それなりに料理には通じているつもりでしたが……このマヨネーズというものは、いったいどうやって作られたのか見当もつきません。それでいて調味料として極めて優秀であることはわかります」


「作り方は後で教えますわよ。それで……売れそうですか?」


「これが売れないわけがありません。トマトケチャップと並んで、大流行間違いなしですよ!」


トマトケチャップは本当によく売れてるからなぁ……。


公爵領の一大名物いちだいめいぶつである。


そこで、私は提案した。


「ところで、そのトマトケチャップですが、公爵領以外の大都市にも店を構えてみてはどうでしょう?」


アリアは困った顔をした。


「私もそれは考えました。が……支店を持つほど、まだ資金に余裕があるわけではありません」


トマトケチャップは薄利多売はくりたばいである。


店舗が一つだけだと、大きくもうけるのは難しい。


まあ、だからこそ店舗数を増やそうと考えているのだけど。


「実は父上から10億ディリンほどお借りしましたの。全てアリアに授けますので、それを使って店舗を増やしてみてください」


「……よろしいのですか?」


「ええ。実務は全てアリアに丸投げしてますからね。せめてこれぐらいは」


「ありがとうございます。10億もあれば、商圏しょうけんを大幅に拡大できます!」


アリアは歓喜した。


このあと、ドレッシングの試食もしてもらったが、絶賛された。


もちろんドレッシングも販売することになった。


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