一蓮

一蓮

　ドキドキし

　時々（ときどき）見てた

　想い人

　伝えた気持ち

　貴方に届く

　恋仲の

　貴方が見せた

　嘘の癖

　休みに仕事

　知る隠し事

　逢えないと

　話した貴方

　何故ここに

　貴方といたい

　心が痛い

　苦しいの

　貴方が掴む

　私の手

　早く離して

　理由（わけ）を話して

　揺れうごく

　私のこころ

　見ないでよ

　言い訳なんか

　良（い）いわけ無いの

　勘違い

　私の為の

　サプライズ

　前途多難な

　初プレゼント

　好きだから

　許してしまう

　嫌になる

　私の想い

　貴方に重い

　ごめんねと

　謝る貴方

　悪くない

　赤らむ頬に

　微笑（ほほえ）み返す

　掌（てのひら）を

　貴方がいつも

　差し出して

　私を救う

　孤独を掬う

　約束と

　貴方が伸ばす

　小（こ）の指に

　絡める指は

　未来の指輪

　二人して

　歩みを揃え

　進み行く

　明るい道は

　未知で手探り

　新年を

　祝う二人に

　縁起物

　膨らむ餅に

　高まる気持ち

　夜空咲（よぞらさ）く

　閃光の花

　背に向けて

　小さく光る

　線香花火

　コウノトリ

　運ぶ揺りかご

　後少（あとすこ）し

　愛をあげたい

　会いに来る子へ

　泣く事が

　子の言葉だと

　母は知る

　不快（ふかい）に気付く

　深い眼差（まなざ）し

　子が巣立ち

　教えてくれた

　幸せを

　親の宣誓（せんせい）

　子は先生と

　優しい手

　皺（しわ）で刻んだ

　同じ時（とき）

　繋ぐ幸せ

　ほら皺合（しわあ）わせ

　追憶も

　霞消（かすみき）え行く

　愛しき日

　置いてかないで

　老いてかないで

　虹渡る

　貴方の姿

　思い出し

　心に空いた

　君に逢いたい

　夕暮れに

　家族三人

　伸びる影

　色濃く残る

　ひび割れぬ日々