百合2
ALC
第1話百合2
年の差というのはあまりにも大きな壁であるのは確かなことだ。
私が彼女に恋をしたのは中学三年生のことだった。
学校説明会などで様々な高校に話を聞きに行っていた頃のことである。
「あそこの文化祭行かない?毎年結構派手なことやるところでさぁ〜」
友人の何気ない一言がきっかけで私は自分の偏差値をかなりオーバーしたその高校の文化祭を見学しに行くこととなる。
もしも時を戻せるのであれば…やり直せるのであれば…。
そんな嫌な想像をしてしまう私をどうか許してください。
文化祭当日の天気のことさえも覚えている。
あの日のことは大げさではなく全て覚えていると言っても過言ではない。
「何処行くの?今日は留守番してねって前から言ってたでしょ?」
「聞いてない。それに友達と約束あるから」
「母さんとだって約束したでしょ?」
「友達との約束優先」
「もう勝手なんだから…」
この瞬間に母親の言うことを聞き友達に断りのメッセージを送れば私は彼女に出会うこともなかったのだろう。
晴れやかだが涼し気な秋の天気に不思議と心が落ち着いていた。
集合場所の駅に到着すると友人とともに高校を目指した。
派手とは言われていたがやはり高校の文化祭。
普通にお祭りとして楽しめる程度だった。
大学の文化祭の実態を私は直接知りはしないが伝え聞いた話では物凄いということだけは理解していた。
今回のこれが伝え聞いていた大学の文化祭に匹敵するかと問われたら首を左右に振るだろう。
だけど…。
私は舞台に一人立つ彼女にだけ目を奪われていた。
奪われていたと言うには少しだけ語弊があるだろうか。
奪われ続けていたのだ。
目が釘付けになり離せない。
アコースティックギターを片手に弾き語る彼女に恋に落ちた瞬間だった。
「決めた。私ここに入学する」
帰宅した瞬間から私の本当の受験勉強は幕を開けたのであった。
推しの先輩と同じ学校に通うための猛勉強の日々がやっと終りを迎えると真新しい制服に袖を通して意気揚々と学校に通い…私は残酷な真実を告げられる。
「え?去年弾き語りをしていた生徒?香川なら去年卒業したけど…」
「はい?去年三年生だったんですか?」
「そうだけど…もしかして香川目当てだった?」
見た目の若い担任の女性教諭は呆れたように笑うと机の引き出しを開けた。
「生徒に勧めるのは真鍋さんが初めてね。どうぞ」
担任の女性教諭から受け取ったのは一枚のパンフレットだった。
「これは?」
「よく見て」
そのパンフレットを隅から隅まで目で追っていくと…。
「主演 香川ケイ」という文字を目にして私は思わず二度見をしてしまう。
パンフレットをよく見ると演劇のパンフレットのようだった。
「香川の本業は役者だからね。文化祭では一緒に演じてくれる人がいないからって言って一人芝居を一時間ぶっ通しでやらせろ。何て言う破天荒な生徒だったよ。当時の音楽の先生によく懐いていてね。去年度末で定年しちゃったんだけど…その先生の一言で香川は弾き語りをすることになったんだ」
当時を懐かしく感じているのか担任教師は嬉しそうに微笑んでいた。
「何を言われたんですか?」
「んん〜?それは私達だけの大切な思い出だからね。簡単には教えられないなぁ〜」
「私!先輩のこと好きなんです!何でも知りたいんです!」
私の勢いにも押されない担任教師は呆れたように微笑んだ。
「さっきまで名前も年齢も知らなかったじゃない。それなのに好きだなんて言い切れるの?香川の何も知りはしないじゃない」
「それでも!好きなんです!」
「若いねぇ〜エネルギーがあって羨ましいよ。香川にアポ取っておこうか?」
「え…そんな事してくれるんですか!?」
「いいよ。実際に会ってみて幻滅するなら早いほうが良いと思うし」
「そんなことにはなりません!」
「わかったわかった。その劇、観に行ったら?公演後に会えるようにセッティングしておくから」
「ありがとうございます!」
職員室の隅で密かなやり取りを終えた私は浮かれ気分でその日を待つのであった。
休日の都内の劇場。
今まで観たことも感じたことのない経験に心が震える。
毎日がこんな劇的な日々なら退屈なんてしないだろうと感じるほどだった。
だけど閉幕の瞬間を訪れるわけで…。
大きな拍手に包まれた会場。
舞台の上で深く頭を下げる劇団員。
幕が完全に降りるまで…いいや、降りても拍手は鳴り止まなかった。
余韻に浸り終えた客が一人また一人と会場をあとにする。
私は通路を通り関係者が集まる楽屋裏まで通してもらえる。
先生は約束を果たしてくれたのだ。
色々な意味で心が弾んだままその楽屋の目の前に到着する。
関係者が楽屋のドアをノックすると普段から美しいであろうその声が微かに聞こえてくる。
「はい。どうぞ」
「失礼します。香川さん。約束の真鍋さんです」
「ありがとう。下がってて」
そう告げられた女性は一つお辞儀をすると楽屋のドアを閉めた。
「こんばんは。今日は来てくれてありがとう。古谷先生から話は聞いています。私のファンだとか…とっても嬉しいです」
やはり先輩は思っていた通りの女性だった。
気品溢れて見た目も心も美しい。
それが所作一つとっても伺えてしまう。
「でも残念。私はファンとは恋をしないの。貴女の気持ちを勝手に聞いてしまってごめんなさいね。でも諦めてくれたら何よりです。ただそのままファンでいてください」
唐突にやんわりと断りの返事をもらい私の中で何かが崩れ去る音がした。
だけど…。
諦めることは出来ない。
そんな簡単な話ではないのだ。
私は必ずこの人を手に入れると心に誓っている。
だから私は食い下がる事を決める。
「どうすれば付き合ってくれますか?」
「話聞いていましたか?ファンとは…」
「じゃあファンやめます」
「貴女にとって推しを推すことはそんなに簡単にやめられるものなんですか?」
「簡単じゃないです。身が引き裂かれるような思いで口にしています」
「………」
そこで彼女は一度黙ると思案に耽ったような表情を浮かべた。
しばらく目を瞑り人差し指でリズムを刻んでいる。
「困りましたね。このパターンは初めてで正直困惑しています。もしも私が無茶を口にしても受け入れる覚悟はあるんですか?」
「もちろんです」
間髪を入れずに言葉を口にする私を見て彼女は呆れたように嘆息した。
「じゃあ。高校を卒業するまでにこの劇団に入団してきてください。そうすれば私生活の私の姿も見ることになるでしょう。きっと幻滅しますし後悔するはずです。勉強の片手間で簡単に入団できると思わないでくださいね。入りたい人はいくらでもいるんですから」
「分かっています。全てを賭ける覚悟です」
「簡単に全てなんて言わないことですよ」
「簡単に言っていません」
「それは結果で語ってください。ではこれから打ち上げがあるので…そろそろ」
「はい。今日はありがとうございました。劇も素晴らしかったです」
感謝と感想を口にすると深く頭を下げて私は楽屋を後にするのであった。
そこから私の血の滲むような激烈な日々は幕を開けた。
過去の様々な演目を観て演技を吸収。
座学で演技のことも猛勉強。
色んな人の話し方の特徴をひっそりとトレース。
筋トレ、演技特訓、メイクの勉強、毎日が稽古の日々だった。
ただし私は学業の方は完全に疎かにしていた。
ギリギリ赤点にならない程度の点数をキープして二年生の三者面談で担任は渋い顔を崩さなかった。
「真鍋さんは…夢があるそうで。ですが茨の道ですし誰もおすすめしないと思いますよ。親御さんだって心配でしょう」
私の隣に座る母親はそれにウンウンと頷いていた。
「これから心を入れ替えて勉強に向き合うなんて…」
「しません。これからやることあるので失礼します」
「ちょっと!志保子!」
母親の声が教室に響いていたが私はそれを無視する。
三年生の三者面談は開始して数秒で終了する。
「去年と何も変わってないので。私は失礼します」
母親も担任も呆れていたが赤点をとっていない私には少なからず免罪符のようなものがあったわけで許されていた。
何か言われたら、
「赤点取ってないので」
それで言い逃れをすることが可能であった。
私の場合はたまたま運がよくそうだっただけであり全ての人に共通する話ではない。
閑話休題。
高校を卒業する三年生の3月のこと。
私は劇団のオーディションに受かっていた。
4月1日から私はこの劇団員となり演劇生活は始まろうとしていた。
「本当にここまで来たんですね…呆れました。ただ貴女の全てを賭けると言ったあの言葉は信じることにします。私に幻滅しても劇団を辞めないでくださいね」
「はい。よろしくおねがいします」
深く頭を下げると私こと真鍋志保子と彼女こと香川ケイの物語は始まろうとしていた。
今までは序章に過ぎず、ここから第一章が始まる。
そういったところだろうか。
第一章のタイトルは…「別人」
まさにこの言葉がぴったりだと私は思ってしまう。
失礼なことだがそう感じざるを得ない。
稽古が終わると香川は決まって私に声を掛けてくれた。
「一緒に帰ろ」
急に砕けた口調になった香川に初めは驚いたものだ。
「稽古場でも舞台上でも劇場でも役を纏ってないとボロが出そうでさ。結局、私は自分の本性を晒すのが怖いから何かになっていないと落ち着かないんだ」
そう自嘲気味に弱音を吐く彼女の意外な一面を知り私は少なからず嬉しかった。
稽古の後は決まってファミレスで時間をつぶす。
「香川さんは一人暮らしですか?」
「そうだよ。真鍋ちゃんは?」
「私もです。それならどちらかの家で過ごしませんか?毎回ファミレスで数時間潰すのはお店側にも迷惑じゃないですか」
「う〜ん…やめておいたほうが良いんじゃないかな…」
「どうしてですか?将来のためにお金は必要ですし今の内に節約したいじゃないですか」
「そういうことじゃなくて」
「はっきり言ってくださいよ。何が問題なんですか?」
「………」
香川はそこで急に黙るとファミレスの大きな窓の向こうを眺めていた。
トラックが行き交う道路で10台に1台は各引越し業者のトラックが通っていた。
それを目にしたからなのか彼女は意味深な話を始める。
「パンダっているじゃん。都内の動物園でも観ることが出来るよね」
「何の話ですか?」
「まぁ聞いてよ。パンダって笹しか食べないイメージあるけど分類的には肉食動物で普段目にする時は草食動物のように笹も食べる雑食なんだよ。つまりはそういうこと」
「全く意味がわかりません」
「私もパンダと一緒ってことだよ」
「だから何を…」
そこまで口にして未だに窓の向こうを儚く眺めている彼女を目にして思わず息を呑んだ。
そして遅ればせながら私は彼女の言いたい言葉を理解した。
「私は食べられても構いませんよ」
「誘ってるの?それにしては美味しそうじゃないね〜」
香川は戯けたような表情を浮かべると呆れたように嘆息した。
「でも家に行きたくない理由って…」
「部屋が汚いから。それと潔癖で他人の部屋に入れないから。それだけ」
完全に言い切る香川に軽くムッとするとドリンクバーのジュースを取りに行くため席を立った。
「全く香川さんは…!」
プリプリとした態度でドリンクバーでジュースを注ぐと席に戻る。
「次の公演でさぁ〜…」
「はい」
そこからも私達は朝方になるまでファミレスで時間を潰して過ごすのであった。
ここから第二章の話をするとして…。
タイトルは…「後悔(仮)」
この言葉が適切かどうかは今でもわからない。
だからこのタイトルは私が死ぬまで(仮)なのである。
「ケイ〜今度合コン行くんだけど一緒にどう?」
同じ劇団員の誘いを受けている彼女は面倒くさそうに首を左右に振る。
「志保子が離してくれないからパス〜」
「また志保子はぁ〜」
「………私は別に縛ったりしていません。それに恋人関係でもないですし」
「おーい。志保子が拗ねてるぞぉ〜面倒だからケイにパスしてトンズラするねぇ〜バイバイ!」
「………」
稽古場の外で気まずい雰囲気に包まれた私達はどちらから口を開くべきなのか迷っていた。
「行ってきたら良いじゃないですか。雑食なんでしょ?」
「は?志保子から私にアタックしてきたくせにそういう事言う?本当に行って男漁ってきたら泣くくせに一丁前に強がり言うんじゃないよ」
「なんですかその言い方…自分は好意を向けられて安全圏に居るからって上からの物言いムカつくんですけど…」
「ふぅ〜ん。それなら私から離れれば?別にただの劇団員同士なだけだし」
「そういう言い方するの嫌いです。私がケイさんから離れられないの分かってるくせに…それにただのじゃないです」
「じゃあ何?」
「そうやって言わせようとする狡いところも嫌いです。自分だけ安心しようとしている」
「じゃあ今日はもう解散」
「ちょ…」
稽古場の外で私達は軽い言い合いを繰り広げるとその場で別れてしまう。
一人帰宅した私はケイに謝罪のメッセージを送った。
「ごめんなさい。嫌いなんて言って。言い過ぎました」
無視をするようなことはないがケイははっきりと言って面倒な性格をしている。
「自分で言った言葉でしょ?最後まで責任持ちなよ。私は傷ついた。だからしばらく連絡しないで」
そのメッセージを最後に私達の会話は途切れていくのであった。
そして、ここに記せる最終章とでも言うべきか…。
私達の人生はまだまだ続くので第三章なのだが…。
それはさておき最終章のタイトルは「精神年齢」
これに尽きるだろう。
物語の冒頭で年の差について触れたと思う。
それは近付いてみれば案外関係なかったりするものだ。
実際の話をすれば私が飲酒ができるようになった年齢の頃にはケイよりも大人だった自信がある。
5時起床から始まる毎日を送る私は少なからず真っ当な大人になっていたかもしれない。
目覚めれば家事を行い朝食を取り稽古場に向かう。
公演ではいい役をいくつか獲得することができ、そのどれもが当たり役としてハマった。
現在はケイとダブル主演の劇の稽古中だった。
ラストシーンに抱き合うシーンが有るのだが…。
稽古が一度止まり演劇指導を受けているのだが私は我慢ができなかった。
指導が終わるとケイに耳打ちする。
「そのTシャツ酸っぱくない?ちゃんと洗濯してる?」
「してるよ。潔癖症って言ったじゃん…」
何か後ろめたいことがあるようでケイは視線をそらした。
「あ…!隠し事している時の目だ!何?生乾きで持ってきた?」
ケイはそれに頷くと恥ずかしそうに顔を赤くした。
「別に良いけどさ…ちゃんと洗濯ぐらい毎日しようね?大人なんだから」
「大人でもやりたくない時はある」
「大人だからそういうときでもやるんでしょ?そんな事言ったらやりたくないことは何もやらないの?それで生きていけるなら皆そうしたいよ。それが許されるのは子供だけ。分かるでしょ?」
「じゃあ子供でいい」
「イヤだねぇ〜現実世界でその台詞を言う人に初めて出会ったよ」
「なんか最近冷たくない?」
「幻滅させ続けているのはケイ自身だけど?」
「どうすればいいの?」
「自分で考えて。稽古再開するよ」
「ちょ…志保子…!」
そこからケイは少しだけ気の抜けた演技をして再び私に幻滅されるのであった。
私達がダブル主演で舞台に立った日のこと。
ケイはいつもよりキリッとした表情を浮かべていた。
「本気モード?」
「そうですね。集中したいので出番まで話しかけないでもらえますか?」
昔のような余所行きのケイを目にして私は少しだけ当時のことを思い出していた。
憧れだったケイのことを…。
舞台の幕が上がり私達は全力で舞台に立つ。
ラストシーンで抱き合った私達に観客は拍手を送る。
「今日。初めてだけど家に行っても良いですか?」
耳打ちをしてくるケイに思わず赤面しかけて私は必死に冷静になる。
「良いよ。自分に嘘を吐くのも限界でしょ?」
「そういうことです」
私達は拍手に包まれて舞台を無事に閉じると楽屋に戻っていく。
素早く衣装を脱いで私服に着替えるのだが頭の中は別のことを想像している。
「ケイはパンダ…雑食…肉食動物…」
その意味深なワードを思い出して自分の色ボケ加減に呆れる。
着替えを済ませるとケイの楽屋のドアをノックする。
「はい。どうぞ」
あの頃のように美しい声が耳に届いてくるが今はもう聞き慣れた声。
「準備できたよ。帰ろ」
ケイはそれに頷くと私達は劇場を後にした。
私の自宅までの帰り道でケイは唐突にいつかの日の事を打ち明けてくる。
「正直やばいタイミングはいっぱいあった。もう無理!って自分の衝動を抑えるのに必死だった。何度ファミレスで悶々としたことか…生意気にも誘ってくるようになって…今まで我慢していた私を褒めてほしいぐらいだよ」
唐突な告白に私は軽く微笑むと切り返しの言葉を思い浮かべる。
「それは正式に付き合うって話でいいのかな?潔癖症なふりして家に行き来することも我慢してたんでしょ?」
私の切り返しにケイはムッとした表情を浮かべる。
「そうだね。本当にその通りだけど…後で覚えておけよぉ〜」
「パンダちゃんに食べられちゃう〜」
「そんな話もしたね」
「そう言えば文化祭で弾き語りをする事になった時のこと教えてよ」
「何の話?」
「え?古谷先生から話を聞いたんだけど…定年退職した音楽の先生の話…」
「なにそれ。先生の作り話じゃない?それか幽霊でも観てたんでしょ」
「そうなのかなぁ〜…」
「まぁ良いじゃない。今日はこれからが楽しいんだから」
ケイは何故かその話をしている間、終始笑顔だった。
なにか特別な出来事を大切そうに思い浮かべていたのかもいしれない。
きっと私がそれを知る必要はないし、これからはもうその質問をしないだろう。
私達にはこれから長い未来が待っているのだから。
いくらでも二人の思い出を作ることが出来る。
そう思うと私も釣られて笑顔になる。
そこから私達は家に帰るまで手を繋いでいた。
もちろん多くは語らないがケイは肉食動物で私は捕食される草食動物なのだろうと簡単に思うのであった。
これにて私達の付き合うまでのワチャワチャしていた日常は閉幕する。
だがこれからは堅実的な二人の未来を見据えて末永く生活を共にするのであった。
完
百合2 ALC @AliceCarp
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