詩 死にたくない声は届かない:世界

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 死にたくない者達がたくさんいても

 それをたくさん死なせる人がいても


 世界は変わらず 回り続ける

 時間は変わらず 動き続ける


 大きな世界で見てみれば 

 善も悪もないけれど

 大きな世界で見つめてみれば

 正義も悪もないのだろうけど


 小さな世界で生きている

 そんな人達で溢れてる


 こんな世界で人が死ぬのは

 痛みが強くて 痛すぎるから


 私や彼も 彼女も誰も

 小さな世界で生きているから


 視界に入った者達が

 見知った聞いた者達が


 消えていくのは

 痛みが強い


 世界が変わらず 回り続けて

 時間も変わらず 動いていても


 死なせないよう 考えている


「死にたくない声は届かない」


「そんな声が存在している」


「存在している事を知っているけど」


 死にたくないものを死なせないように

 たくさん死なせる人が死なせようとしないために


 頑張って 考えて 足掻いて

 這いつくばって 努力して


 思考錯誤して 話しあって

 色々やって


 思いつくことも 思いつかないことも

 力をつくして 生きている


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