第4話 外輪郭世界(アウトサイダー)


(3)



 ――サピエンス科学(サイエンス)と「Art(アート)」


 この二つにどのような関連性があるというのだろうか。


 きっと此処迄読まれた方は疑問を持たれるにちがいない。

 もしここで筆を止めてしまえば、何の脈絡もない言葉の併記で終ってしまう事になってしまう。

 だから今少しだけ随筆(エッセイ)の続きに付き合っていただければ、疑問符の向こうに隠れた答え迄何とか運べると思うので、良ければ付き合って貰いたい。


 だが、先ずは恐らく今浮かんでいる疑問について答えなくてはならない気がする。 


 それは「Art(アート)」について。


 何故なら「Art(アート)」は美術館をはじめとしてあらゆる場所で鑑賞し、感じ得 れる対象として存在している筈だ。なのにこの随筆家(エッセイスト)は自らその定義を外してこう言ったのだから。


 ――「Art(アート)」とは自らを進化させようとするホモ・サピエンスとしての個体認識する意識であると。



 それは美術館に収蔵されている美術品を指しているとは程遠い意味合いである。また意識であるとしても学問分野の「美学」ともズレがある様に感じてしまう。


 何故なのか。

 また何故そう思って、このこの随筆家(エッセイスト)は自らそう言ったのか。


 それには「Art(アート)」とその「外輪郭世界(アウトサイダー)」について筆を進めてゆけば、この随筆家(エッセイスト)の考察が少し理解を頂けるのではないかと思う。


 そして気が早いが、筆を進める前に答えを出しておきたい。


 つまり「Art(アート)」とは「外輪郭世界(アウトサイダー)」には元々存在が認められていない意識であったということを理解していただけなければならないということを。








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