第5章91話:岩山

スヴァルモンキーや、その大型種である【大スヴァルモンキー】などを蹴散らしながら、私は岩山を目指す。


3時間後。


私は森を踏破した。


ラティーバル岩山の目の前までやってくる。


眼前に立つと、途轍もなく高い山であることがわかる。


なお、目の前には崖がそびえ立っていた。


その崖の足元には洞窟の入り口がぽっかりと口を開けている。


あの洞窟から、ラティーバル岩山の内部へと入ることができるのだろう。


しかし。


(もうそろそろ日が暮れるかな……)


夕方だ。


日が沈みかけている。


さすがにだいぶ歩いたし、魔物と戦ってきたため、疲れてきている。


「今日は休もうか」


ラティーバル岩山の攻略は明日にしよう。


そう決意した私は、テントを張ることにした。


野宿をして、この日は休むことにする。







――――翌朝。


早朝に目を覚ました私。


朝食を済ませて、テントを片付け、さっそく出発することにした。


いよいよラティーバル岩山だ。


この島におけるラストダンジョンともいえる場所。


さあ、攻略開始だ!


「いくぞー!」


と私は溌剌に声をあげて、気合いを込めた。


まず目の前にそびえる断崖絶壁。


その足元に見えている洞窟の入り口へと向かう。


縦5メートル、横20メートルぐらいある、なかなか大きな洞窟の入り口だ。


私はそのまま洞窟に入ろうとしたが、しかし。


「暗いな……」


洞窟ゆえに、入り口の向こうに暗闇が広がっている。


(ランタンでも作ろうか? いや、なんか良いスキルはないかな……?)


私は自分の手持ちのスキルを確認する。


お……


これはいいかも?


新しく覚えたスキル【フレアライト】。


どうやら暗い室内や洞窟内を、明るく照らしてくれるスキルらしい。


使ったことがないので、さっそく試してみるか。


「フレアライト」


洞窟に入って、私がそう詠唱すると……


私を中心にして、前方10メートルぐらいに光が広がる。


「おお……」


これは見えやすい。


フレアライト……便利なスキルだ!


(これなら攻略を開始できるね)


私は満足げに微笑んでから、洞窟の中へと足を進め始めるのだった。



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