第3章54話:植物モンスター

(ウォーターアロー!)


私は水魔法・ウォーターアローを発動する。


水の矢が勢いよくツボミナツハに直撃した。


私の水魔法のレベルは高い。


あわよくば一撃で討伐もありえるかと思ったが……


「……」


あれ?


効いて、いない?


ツボミナツハは、あまり負傷したようには見えなかった。


ただ、ツボミナツハは、まるでかんかんに怒ったように、飛び跳ねて。


こちらへと突撃してきた。


(ウォーターアローの一撃じゃ倒せないか)


私は頭の中で、ツボミナツハについて分析する。


草系統の魔物には、水魔法は効きにくいとかいう、属性判定があったりするんだろうか?


とりあえず、剣で応戦するしかない。


私はダレンソードを取り出した。


かなり接近しつつあったツボミナツハ。


と、そのときだった。


「ふすううっ!!」


ツボミナツハの吐息のような声。


とともに、蕾の中から紫色の煙が噴出した。


毒息どくいきだ!!


「くっ……!」


慌ててその場を飛びのく。


私が避けた場所に、幅2メートルぐらいの毒霧どくむが出現する。


ふう。


危ない危ない。


まさか毒を吐いてくるなんて。


今までになかった攻撃だな。


(でも……私には状態異常の回復スキルがあるから)


ルリアさんに勧められて、状態異常回復スキル――――バニッシュを習得しておいた。


おかげで、毒は怖くない。


仮に毒にかかっても、バニッシュを使って解除できる。


いざというときに回復できるというのは、心理的な余裕が違ってくる。


(毒は無視して突っ込んじゃおっか)


と、私は思った。


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