第2章52話:釣り2

いや。


止まった。


ヒットなし。


「……」


待つ。


待つ。


待つ。


おおお!


来た来た来た!


ウキが思いきり沈んで、竿がぐにゅんと曲がっている。


慌ててリールを巻いた。


「ふおおおおおおお!」


釣れた!


20センチぐらいの魚である。


鑑定してみると、ルシオアジという名前だ。


アジだね。


見た目もアジっぽい。


食べられるようだ。


釣った魚は、さっさと殺してストックする。


時間停止のアイテムボックスなので、時間の経過で鮮度が落ちることはない。


「この調子でじゃんじゃん釣るぞぉ!」


と、私は意気込んだ。


結果。


夕方になるまで釣りをして……


ルシオアジが9匹も釣れた。


いやー。


アジばかりだ。


他の魚も釣ってみたかったけど、しょうがない。


さすがに、そろそろ疲れてきた。


今日はもう帰ろう。


「ん……?」


そのときだった。


磯から見える海に、やたら大きな魚影が映った。


うわぁ……大物だなあ。


イッカクみたいにツノが生えている。


カジキみたいな魚だ。


5メートル以上はあるかな?


あんなのが島の近海を泳いでいるのか。


「魔物?」


私は、そう推測をこぼした。


海の魚が、必ずしも、普通の生物とは限らない。


魔物の可能性もある。


あれぐらいサイズがデカいなら、魔法で狙撃して倒せるんじゃなかろうか。


今日は疲れたからやる気はないけど……


次にきたときは、あのデカいのを狙ってみるのも面白そうだ。






ちなみに、この日の夜は。


ルシオアジを塩焼きにして食べた。


やはりアジらしい味わいで、めちゃくちゃ美味しかった。


大満足。

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