百合1
ALC
第1話百合1
本作に出てくる登場人物の全ては生物学上女性である。
女子校と言えばどの様なイメージを持たれているだろうか。
秘密の花園的な華やかな世界を想像する人も少なくないだろう。
だが決して…。
いや、皆まで言う必要はないだろう。
ここから語られる物語でそれをご覧いただければ…。
男女共学の中学校を卒業して憧れの女子校に入学した。
そんな私の期待を覆したのは入学して数週間が経過した頃だろうか。
多くの生徒が独自のコミニティを形成し友達という交友関係を作り上げていた。
こんな遠回しな言い方をする私はそうではないが隣に座る彼女はそうだった。
名前はたしか…
陽キャの中心で普段からクラスで目立つ人物だった。
しかしながら誰かは誰かの人生のモブであり私は私の人生の主人公なのだ。
と、そんなことは脇に置いておくとして…。
「………というわけで今月の私のラッキーパーソンは牡牛座なわけ。これは参考程度なんだけどイニシャルにGが付く人が私に幸福を届けてくれるらしい」
貴崎は私が詳しく知らない友達に自らで鑑定したであろう占いの結果を告げていた。
「ふぅ〜ん。イニシャルにG?中々居ないと思うけど…」
世間話のついでにしては良いツッコミをする友達に軽く笑みが浮かぶと私は自分の名前を思い浮かべて絶句する。
物珍しい名前を付けたのは祖父だった。
幼い頃から男子には散々誂われたものだ。
「銀河!銀河!」
そんな意味のないいじりを散々受けてきたため自分の名前を失念していた。
ガコッと心の何処かで歯車が周るような効果音がした気がする。
それが良い意味だったのかはまだわからない。
ただそんな音が聴こえた気がした。
それだけの話しなのだが…。
「銀河ちゃん…」
隣に座る貴崎は女子でも憧れるような美しい笑顔で私の顔を覗き込む。
「はい…銀河ちゃんです…」
可笑しな自己紹介だとは思う。
ただ隣に座る彼女らの話を盗み聞きしていたと思われるのは何処か癪に障る。
「えぇ〜この娘、私達の話を盗み聞きしてたのぉ〜仲良くしたいなら自分から会話に入ってくればいいのにねぇ〜」
妄想の中の話だが女子とは陰でその様な会話を繰り広げるものなのだ。
実際の話しをすれば、そんな会話は生まれてこの方したことがない。
それは私に友達がいないから。
そう言われればそれだけの話しなのかもしれない。
ただ世間が思うほど女子も他人にそこまで興味はないのだ。
閑話休題。
「イニシャルG!」
「昔の漫画のタイトルみたいに言わないでください…」
「はははっ!意味分かんない!」
「わかんないなら良いです」
ここで打ち明ける話があるとすれば私は昔から陰のものであった。
双子の姉である
お菓子を選ぶ順番もアイスを選ぶ順番もお風呂で洗ってもらう順番も…。
今、思い出すだけで何もかもを私は後に回されていたのだ。
「お姉ちゃんが先!」
気の強い姉に逆らった記憶は無い。
口喧嘩をしても物理的な喧嘩をしても敵う気がしなかったからだ。
私とは正反対で陽キャな姉を羨ましく思ったかと問われれば首を左右に振る。
姉は陽キャ故の苦悩を抱えているだろうし私は陰キャ故の苦悩を抱えている。
どちらの性質も可能な限り知っている私達はお互いをいがみ合っていない。
「金も大変だね」
「銀もでしょ」
私達はお互いの近況を話し終えると大体がこの様な感想で落ち着いた。
閑話休題。
「何座!?」
貴崎は食い入るように私に質問を繰り返してくる。
当然のように私は答えを渋った。
だって…。
「先生に聞いてくる!」
行動的な貴崎は黒板の板書を消していた担任の先生に話しかけに行っていた。
「ちょ…!待って…!」
私の情けない言葉が口から漏れても貴崎は止まることはなかった。
「先生!銀河ちゃんの誕生日っていつですか!?」
黒板の板書を消し終えた担任教師はクラス名簿に目を通した。
「えぇっと…5月5日ね。こどもの日」
「ありがとうございます!えぇっと…5月5日は何座だっけぇ〜?」
貴崎はスマホで星座を調べているようで今丁度その結果を目にしたのだろう。
口をあんぐりと開けてその大きな両目で私の全身を捉えていた。
「牡牛座だ…」
あまりの偶然に驚いた貴崎は一度席に腰掛けると頭を抱える。
その姿をしばらく眺めていると貴崎はガバっと背筋を正した。
「幸福!届けて!」
「コウノトリではないので無理です」
「どういう意味!?」
「わからないなら良いです」
「さっきからこのやり取り多くない!?私、バカにされてる!?」
「………」
そこで言葉に詰まると貴崎は何やら懸命にスマホを操作していた。
「連絡先!交換しよ!」
隣の席だと言うのに私達は未だに連絡先を交換していないでいた。
どちらも相手に興味がなかったと言えばそれまでなのだが…。
「占いを信じるんですか…?」
「うん!私って昔から運がいいから!」
「運がいいと占いを信じるんですか…?」
「そう!運がいいから占いも当たるの!」
「それって関係あるんですかね…良い占いが出るから運が良いんじゃないですか…?」
私の根暗な部分が顔を出し余計な事にまでツッコミを入れてしまう。
だが貴崎は首を傾げるとすぐに口を開いた。
「どっちも同じ意味じゃない?運が良い人にしか良い占いは出ない!的な?」
「それは極論だと思いますけど…でも貴崎さんの性格は羨ましいです…」
「どういうところが!?」
急にグイグイと詰めてくる貴崎に気圧されてしまうが彼女は目を輝かせて私のことを見ている。
「美桜。昴さん困ってるよ。とりあえず連絡先だけ交換して後で連絡しなさい」
私達のやり取りを端で見ていた友人は私に助け舟を出すと笑顔を向けてくる。
「昴さん。ごめんね。美桜が暴走して」
「いえ…久しぶりに家族以外の人と会話できて楽しかったです…」
「ははは。昴さんって他人に興味ないと思ってたから今まで話しかけなかったけど…そんな事無いんだね」
「はい…。牛丼並盛ぐらいには他人にも興味あります…」
「さっきからちょいちょい変なこと言うね…それは牛丼並盛ぐらいの量はってこと?それとも牛丼並盛に対する興味ぐらいにってこと?なんか言ってて意味分かんなくなってきた…」
友人Aはやはりというべきか頭の回転が速いらしい。
程よいツッコミに満足すると私はニヒルに笑った。
「さぁ…どっちでしょうね…」
「そんな興味ないわ!どっちでもええ!」
つい出てきた彼女の関西弁を耳にして私は彼女の名前を思い出す。
関西出身で時折方言が出てしまう彼女のことを思い出す。
「たこ焼きの玉ちゃん…」
脳内で呼んでいた彼女の名称がつい口をつく。
「そんな覚え方してたんか!まぁええけど…」
春日は満面の笑みを私に向けるとスマホをこちらに向けてくる。
「私とも連絡先交換しよ」
標準語に戻る春日に思わずにやけていると彼女に軽く頭を叩かれる。
「玉から関西弁を引き出せるなんて中々だね!」
貴崎は何に感動しているのかわからないが私達のやり取りに終始目を輝かせていた。
「恐縮です…」
思わず堅苦しい言葉使いでやり過ごそうとしていると春日は目に見えるほど大きくため息を付いた。
「もうええって」
堂に入った本場のツッコミをもらって思わず頬が緩む。
何処か嬉しくて照れくさそうに軽く頭を掻いた。
「って部活いかないと!早く交換しよ!」
春日はスマホを机の上に置いてQRコードを表示させていた。
それに倣うように貴崎もスマホをテーブルの上に置く。
私は両方のコードを読み取ると感謝を告げる。
「ありがとう…。友達1号2号…」
「仮◯ラ◯ダーみたいに言うな!じゃあまたね!」
春日は放課後の教室を抜けるとエナメルのカバンを持って急ぎ足で廊下を駆けていった。
「1号は部活入ってないんですか…?」
「ん?帰宅部に所属してるけど?」
「幽霊部員でですか…?」
「どういう意味?」
「やっぱりツッコミがいないと話が弾みませんね…」
「私そういうのわかんないから!分かる言葉で話して?」
「………」
貴崎の言葉は一見するときつい言い方にも思えるかもしれない。
だが彼女は悪意のない人物なのだと短いやり取りでも理解できていた。
それなので私は傷つきはしない。
だが…彼女も楽しめて私も満足できる話が何処にあるのだろうか。
それについてはまだ理解できずにいた。
「占いに興味が出たのはいつ頃ですか…?」
苦し紛れに出た私の質問に貴崎は一生懸命に頭を悩ませていた。
「う〜ん。物心ついたときには自然とって感じかな!ほら!朝のニュースでも星座占いとか誕生月占いやってるでしょ?それに興味が出てタロットとかにも手を伸ばしたって感じかな!」
「なるほどですね…うちは朝から姉が動画配信サイトをテレビに出力しているので…そういった事は知りませんでした…」
「お姉ちゃん居るの?」
「はい…双子の姉がいます…」
「双子!?珍しいね!」
「そうですかね…結構いますよ…」
そこで教室の時計を確認すると16時を10分過ぎた辺りだった。
学校を出て30分で帰宅できたとして姉との約束の17時には間に合うだろう。
「そろそろ帰りますね…」
「何か用事があるの?」
「はい…また明日…」
「帰ったら連絡するね!バイバイ〜!」
貴崎に手をふると私は足早に教室を抜けて注意されない程度に急ぎ足で廊下を進んでいくのであった。
帰宅途中、本日の出来事を振り返っていた。
(私が幸福を届けているわけじゃないと思うけどな…どちらかと言えば私が届けてもらった方と言うか…)
そんな事を脳内で考えながら17時前には帰宅する。
「珍しく遅いじゃん。何かあった?」
姉である金河の言葉に首を左右に振りかけて一度止まる。
「初めて友達できた」
「マジ?私が斡旋しなくても出来たの?」
「なんかいかがわしい行為のこと想像しちゃうから斡旋とか言わないで」
「銀がいやらしいだけでしょ」
姉の言葉にムッとした表情を浮かべるがこれも姉妹のじゃれ合いに過ぎない。
「早くゲームしよ!今日こそチャンピオン取るんだから!」
「金はいつも最後に私に負けるじゃん」
「言ったな!?じゃあ負けたほうが夕飯後のアイス奢りだから!」
「吐いた唾は飲めないのに」
今度は姉が同じ様な顔でムッとした表情を浮かべると軽く私の肩を叩いた。
そこで私達は笑い合うと二人部屋に向かう。
余談ではあるのだがもちろん私がチャンピオンを取り夕飯後のアイスを余分に頂くのであった。
お風呂に入り一息ついているとスマホが震える。
画面には「たこ焼きの玉ちゃん」と表示されている。
自分で登録したにしても思わず笑みが溢れてしまう。
「部活のAチームに入ることが出来た!やったぜ!」
「玉ちゃん」なんて呼び方をすると彼女は背の小さな女子を思い浮かべたかもしれない。
だが彼女は女子高生の平均身長よりかは明らかに背が高い。
運動神経も良いらしく部活動でも活躍しているのだろう。
「玉ちゃんって何部なの?」
「バレー部!」
それに納得するとたこ焼きをイメージしたキャラクターのスタンプを押してやり取りを終える。
もちろん玉からは激しいツッコミのスタンプが送られてきたがここでやり取りは終了だと感じてスマホをベッドの上に置いた。
「宿題しないと…」
本日は珍しいことに宿題が出されていた。
面倒に感じながらも宿題を進めていくとベッドの上で振動するスマホに気付く。
(また玉ちゃんからかな?)
一度宿題の手を止めるとスマホの画面を覗き込んだ。
「貴崎さん」と表示されており私の中で謎な緊張感が走る。
別に彼女は悪い人間ではない。
根っからの陽キャで少しだけ変わり者の天然で、はっきりと思ったことを言葉で伝えてくるだけだ。
だけど…私は少しだけ苦手意識を持っているのかもしれない。
かもしれないと言うだけでまだ決まったわけではない。
自分の中で芽生えているこの謎な感情を苦手意識だと簡単に片付けるのは間違っている。
そんな気がしてならなかった。
そう思ったのは直感でしか無い。
今までの人とは何処か違う気がする。
気がするだけ…。
私は自分自身を納得させるように何度も脳内で言葉を思い浮かべて通知を確認する。
「明日の放課後は空いてる?」
「はい…明日は予定ありません…」
「じゃあ帰りにアイス食べて帰ろ〜」
「今日アイスを食べすぎたのでかき氷が良いです…」
「そこ重要なの!?結局冷たいものじゃん!お腹壊すからクレープにしよ〜」
「はい…お願いします…」
そこで貴崎からスタンプが送られてきて私もそれに倣うように適当なスタンプを返す。
スマホをベッドに置くと宿題に取り掛かるのだが…。
何故か集中ができない。
ペンは走るのだが脳内は全く活動していない。
思考を停止していると言うよりも明日の放課後のことや貴崎のことに脳のリソースを割いている。
そういった感じ…。
初めて宿題を適当な文字で埋めて悪いことをしているような気分に駆られる。
だがそれよりも明日のことである。
貴崎は友人として何気なく私を誘ったのだろう。
だけど貴崎は私が自らの力で作った初めての友達なのだ。
玉もそうだが…きっかけを作った貴崎のほうが特別感が強い。
友達との距離感とはどういったものが適切なのだろうか…。
私は思わずネットで検索をかけていた。
思ったような答えにはたどり着けずに悶々とした状態でネットの海を泳いだ。
結論から言えば「対人関係なので人それぞれ」と言うのが最適解に思えた。
と言うよりもそう思うしか無い。
何故ならもう朝はやってきていたのだから…。
初めて授業をずる休みした。
保健室に向かいベッドを貸してもらうと一時間ほど寝かせてもらう。
「もう一時間…いいですか…」
養護教諭に許可をもらおうと口を開くが首を左右に振られ断られる。
「そんなに具合が悪いなら今日は帰ったら?」
優しい養護教諭だが大人の女性であるからか言うことははっきりという人だった。
「今日だけは…ダメなんです…放課後まで学校にいないと…」
「何かあるの?」
「実は…」
私は初めて出来た友達について話をして本日の放課後の予定を告げる。
「じゃあ今日だけ特別ね。放課後まで寝てなさい。先生には上手いこと言っておいてあげるわ」
「ありがとうございます…」
「その代わり…!」
養護教諭はそこで人差し指を一本立てるとキレイな笑みを向けて一言。
「頑張ってね!」
「はい…先生も見事なドヤ顔でした…珍しいものが見れました…ありがとうございます…」
「一言余計よ。そういうのは人を選んでね。お説教は以上!おやすみ!」
養護教諭の助言が脳内で反芻していた。
何か大切なことを告げられたような気がしてならなかった。
(先生はなんて言ったっけ…えっと…)
そこまで思考した所で気絶するように眠りの世界に誘われる。
夢の中では金の友達だった女の子が出てきていた。
「銀河はいつも一言余計だよね。周りが白けるっていうか」
それをいなしてくれたのは金だった。
「銀のこれはボケだから。上手いことツッコメない方が悪いんじゃない?」
「何…その言い方…別に金河の事は悪く言ってないじゃん…」
「姉妹だし双子だよ?銀が言われて嫌な思いしていることぐらい私には分かるし、私も今の発言はムカつく。自分の頭の回転の悪さを他人のせいにするな」
いつも守ってくれた金のことを夢の中で見ていて不思議な気分だった。
帰ったらいつだって会えるのに夢にまで出てくるとは…。
そんな事を考えた所で放課後を告げるチャイムが鳴り私は飛び起きた。
「先生!なんで起こして…!」
そこまで口を開いた所でベッドの脇で椅子に腰掛けている貴崎の姿が目に飛び込んでくる。
「銀河ちゃん。具合悪かったの?無理させちゃった?」
その言葉に必死で首を左右に振るとベッドから降りる。
「今日が楽しみ過ぎて眠れなかっただけです…」
「大げさだな〜。じゃあ行こ」
貴崎に手を取られて私達は校舎を抜けていく。
いつもと同じ様な放課後の西日に昨日と変わらないありふれた天気。
だけどそのどれもがいつもとは完全に異なっている。
この感情の名前を私は知らない。
帰宅途中にいつも目にするが寄ることが出来ずにいた学校の近くのクレープ屋。
「ブルーベリーチーズにしよ〜」
貴崎は何でも無いように注文を決めるが私は初めてでメニューを隅々まで凝視していた。
「チョコバナナで…」
「悩んだ割には定番だね〜」
「はい…いつもこうなんで…」
「え!?それなのにあんなに悩んでたの!?」
「そういう意味じゃなくて…」
どう説明したら良いのか分からずに居ると素早く二人分のクレープを作り終えた店員にそれを渡される。
会計を済ませて近くの公園に向かうと貴崎と隣り合ってベンチに腰掛けた。
「じゃあ食べよ〜」
それに頷くと私達はクレープを食していく。
「美味しいね〜ちょっと交換しよ〜」
それに黙って頷くと貴崎の言葉に従う。
(普通の女子高生っぽいよね…)
自分の中では無意味な普通という言葉が珍しく首をもたげていた。
交換を済ませた所で貴崎の表情は笑顔ではなくなる。
無表情と言うか何と言うか感情が読み取れなかった。
「なんか違う。私は昨日の銀河ちゃんの方が好きだな」
突然の言葉に私は少なからずショックにも似た感情を抱いていた。
「えっと…何か気に触りましたか…?」
私の言葉に貴崎は首を左右に振る。
「何も。でも明らかにぎこちない。意味分かんなくても私には通じないことを言っていても言いたいこと言っていた昨日の銀河ちゃんが好き」
初めてありのままの自分を肯定された気分になり顔面が熱くなるのを感じる。
「そうでしょうか…普通の女子高生らしくした方が…」
「普通に意味ってあるの?」
今までの自分を否定するような発言を自らしたことにも私を肯定してくれようと一生懸命な貴崎にも涙が出そうな思いだった。
「ありのままでいいんですかね…?」
「もちろん!私はそっちの銀河ちゃんが好きだよ!」
あまりにも美しい笑顔を向けてくる貴崎に私は道化師のような戯けた表情を浮かべて一言。
「私も好きだぜ!1号!」
私の精一杯の愛の告白を今はまだ彼女は気付いてもいないだろう。
気付いてしまった彼女への恋心をこれからどう隠せば良いのか思い悩むのかもしれない。
けれど貴崎はそんな事はお構いなしに激しいツッコミを入れてくる。
「そこは名前で呼ぶところでしょ〜」
私達はお互いに笑い合うとクレープを食べてから帰路に就くのであった。
「あの時、ちゃんと言えなかったけど。好きだよ。美桜ちゃん」
「いつのこと?あれから何年経ってると思ってるの?」
「あれからとか言ってる時点でいつのことか覚えてるじゃん。美桜ちゃんでも照れるんだね」
「うるさいなぁ〜怪人殲滅に街まで行くかぁ〜」
「今はラ◯ダー同士で闘ったりするみたいだよ」
「ふぅ〜ん。じゃあ私達も闘うの?」
「それは遠慮する。仲良くしていたい」
「はっきり言うようになって可愛いなぁ〜」
「照れ隠しが下手になった美桜ちゃんも可愛いよ」
「………」
「………」
遠くはない未来で私と美桜は…。
パートナーシップを結びハッピーエンドで幕を引きたいと願うのであった。
完
百合1 ALC @AliceCarp
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。