第40話 闇騎士のウワサ
「とりあえずケイレブには悪いが、この後少し休憩をしたら王都へ人員要請の為戻ってもらう。ついでに現段階での報告も頼む」
「了解。せっかく戻ってきたからウワサのハヤテくんと色々喋りたかったけど仕方ないねー。またすぐ戻ってくるからその時沢山話そうね」
こちらを見て肩をすくませるケイレブ。
俺も頷いておいた。
「
「崖の中の地底湖には数匹の
「俺は
「あ!」
そういえば肉を持ち帰る準備をしてた時に
チラッとライアンや隊長を見るとバツの悪そうな顔をしてるのでみんな忘れてたんだろうなと思う。
「ロバート、その件に関してはホントすまない」
「もう、隊長も気をつけて欲しいっす」
「いやー、面目ない」
「あ、ちなみに魔石は回収しといたよ。はいこれ。んでそっちはどうだった?」
コロン、とテーブルの上に
あ、俺も黒い魔石ポケットに突っ込んだままだった。
ポケットからその魔石を出すと、ロバートの置いた
見比べてみると
「俺たちは、前に俺が
「え、ハヤテ一人で
「あ、助けてもらったから大丈夫。これ、その時の
「これ、
ロバートが手に取り眺めている。そして、あ、という顔をした。
「その魔石、魔力が抜けてるんだ。んで、その時俺を
「
驚いた声を上げたのはケイレブだった。
そういえばケイレブって王都にいたなら
「ケイレブ、
「……まぁ、あるっちゃあるな」
妙に歯切れが悪い。もしかして……?
「……正体、知ってたりする?」
「わるい、一応約束だからそれは言えない」
知ってる、と白状したようなもんだけどみんなそこには触れないでいる。
するとロバートが口を開いた。
「まぁその
そこでみんなにもう一度、
「消える黒い剣……」
「ケイレブ、正体は秘密として武器に関してなら言えるだろ?」
隊長も知らない情報だったのかケイレブに問いただす。
「まぁ、正体だけは言うなってことなんで、それ以外なら知ってることは答えますよ。あの武器は無属性の闇魔法で作り出してるみたいですね」
「へぇ、剣を持ち歩かなくていいなんて便利だな」
「そこ?!」
隊長が感心してるのを見てロバートが声を上げている。
「その
隊長のその問いにはケイレブは首を振った。
「いや、それはちょっと……もう少ししたらこっちに来る予定はあったんですけど、今はまだ顔は出さないはずだったんだけどなぁ」
「来る予定があったのか?ここに?」
ライアンがそこに食いつく。会いたがってたもんなぁ、
「まだ情報規制かけてるんですけど、近々黒の大陸に偵察隊出すんですよ」
「え?!黒の大陸って『
今度はロバートがケイレブににじり寄る。
「元々行く方法はわかってたみたいだな。ただ実行できるものがいなかったから、あえてその情報を隠してたらしい」
「それと
「そこに繋がるんだよ。黒の大陸に行くには闇の鎧の適合者が必要だったんだ」
ケイレブが言うには、元々王宮の機密文書には黒の大陸への渡り方は伝わっていたらしい。
ただ、行くためには闇の鎧が必要で、あの重さの鎧を持ち歩く訳にも行かず途方に暮れた末、別の方法をずっと探していたと。
ただ、最近になって闇の鎧の適合者が現れ、装備して動けるようになったため初めに聞いた方法で渡ることにしたらしい。
ただ一人で行かすわけにはいかず今は同行者を探しているとか。
「
「そこがまた難航する理由があって、同行者にも適性検査を受けてもらってクリアしないとダメなんだ」
「適性検査……?」
「そう。それをするのに今度
パン!
隊長が手を打ち鳴らす。
「まぁ、みんなも
「そうね、そのうちここに来るみたいだし、質問はその時本人にしましょ」
「だな。まずは
ジェシカが隊長の言葉に頷き、ニコラスが指で数えながら問題点をあげていく。
「あ、緑珠の取り出す方法、それについては考えがある」
一番の難題と思われた、緑珠の取り出し方法。
──それはこの場ではケイレブしか気づけない、予想外な方法だった。
「今話題に上がってた
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