魔法の代償

人気になりたいとりちゃん

魔法

私はアリス。私は魔法が使えます。神様が突然現れて魔法を授けてくれました。その魔法は人の病気や怪我などが完全に回復します。それでも使ったら使った人の記憶や気持ち全てが私に流れ込んできます。ハッピーな記憶ばかりの人なら私も良い気持ちになれます。病んでる人などの記憶を見ると私も病みそうになります。それでも神様が授けてくれたこの力を使う。神様が授けてくれたから。


今日も客が来た骨折している。その客は「事故で怪我した」と言っている。

私は治すために魔法を使う。魔法を使うといつも通り記憶が流れ込んでくる。この人の記憶は大変だった。イジメだ。本人が事故だと言っていたがイジメで階段から突き落とされたのだ。そして学校を休んでいる間に親に心配させたくないから嘘の事故だと伝えてたようだ。しかし、やはり痛みがあるようで痛い思いをしてる時は辛い気持ちになっていた。それを見ている私の心は辛かった。この人は自殺まで考えていたらしい。治療は終わった。でもこの人の記憶を見たせいか悲しくなってきた。私は泣いていた。いつもの事だ。涙を流す事くらいでここまで泣かないのだが今回は特別だった。私は泣いている時にこの人が目を覚ました。起きた途端に言った「ありがとうございます」その言葉を聞くと気持ちは少し軽くなった。だがまだ悲しい気持ちになったままだった。

それからまた客が来た。顔で分かるくらい病んでいた。この人も「事故で怪我をした」と言ってきた。しかし、この人も嘘をついている。この人はイジメをしている側の人間だ。私は記憶を見ていると前に来た客もイジメている。私は記憶を見続けた。

その人は前は一緒にいじめをしていたいじめっ子にイジメられてた。私はこの人に同情してしまった。すると突然涙が出てきた。なぜだろう?自分でもよく分からない感情になっている。記憶の中でその人は何回も謝っている。今までの人は少しは幸せの部分があったけどこの人には無かった。今までのイジメでできた罪悪感とイジメられている悲しい気持ち。その気持ちが幸せの部分を上書きしていた。だから今目の前にいる人を助けたいと思った。この人は助けて欲しいと思っているはずだ。

私は魔法を強くした。

この人を治したい。その思いでいっぱいだった。

しかし、さらに流れ込んできた記憶は悲惨なものだった。イジメられた時のこともだが、イジメをしていた事がバレ、両親から虐待されていた。それを見て私はこの人に対して何も出来ないということが分かった。

でもこの人は助かりたいと思ってるはず。だから魔法を使い続けた。

しばらく経つとその人の怪我は完全に治った。その人は「少し心が軽くなった」と言っていたが、私は重い気持ちのまま。神様が言いたい事が分かった。1人が全て背負えば良いと言うことが。私は神様の言う通りにする。そう決めた。そう決めてから毎日たくさんの客が来た。

毎日毎日感じ続けた。誰かを助けたいという気持ちと自分の不幸を比べてしまって苦しくなる気持ちを。

それでも私はまだ救えると信じてる。

神様をしんじて頑張ろうと思う。

そうおもって頑張った。

私がこわれてもいいから。

わたしはずっとつづける。

神様はうそをつかないから。 

しんじてるから

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