第10話 嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬
小悪魔系人気インフルエンサーねね。
彼女にコラボの依頼され、断れる人はいない。
公園で動画を撮り終えたとき来たDMに、即『こちらこそよろしくお願いします』とDMを返した結果。
「なんで私じゃなくてねねなのっ!」
九条さんのことを怒らせてしまった。
いくら俺でも、なんで怒ったのかわかる。
九条さんの目には、俺がねねさんの方に乗り移ったように見えてるんだろう。
怒った後ちゃんとこんなチャンスはないと伝えたが、結局納得してもらえないまま解散になった。
もうあれから一晩が経つ。
九条さんの提案で撮った昨日の夜投稿した動画は、大大大成功と言えるほど数字が伸びた。
申し訳ないことをした自覚はあるけど、本当にこのコラボは俺にとってチャンスでしかないのだ。
インターネットに詳しい九条さんなら、冷静になって考えればわかってくれるはず。
俺はそう願いながら日課のエゴサをしていると。
「え」
俺に関するある1つの投稿が大バズリしていた。
『お茶をがぶ飲みして苦しそうな顔になったボツ動画』
その下に数秒のボツ動画が添付されている。
「まじか」
カメラアングルからして盗撮じゃない。
いくら怒ってたとしても、性格上九条さんが誰かに動画をあげるわけがない。
「『りくちゃん応援隊隊長きゅうノスケ』」
このアカウントは九条さんのものなのか。
色々思うところはあるが、俺の頼み通り前以上の勢いになった上、数字でしっかりわからされてなんも言えない。
……けど、わざわざアカウントがバレるようなことしたんだ。
過去どんなことを投稿したのか遡っても怒られる言われはないよな。
〔私はりくちゃん応援隊隊長きゅうノスケです。りくちゃんのことを悪いように言う人は勝手に成敗します〕
〔なんで私じゃないの? 私でしょ? 初恋じゃないの? もう好きじゃないの? おかしいよね? おかしいのは私なの?〕
〔絶対に他の女に渡さない。私しかあの人の気持ちわからないんだから〕
……色々とすごいな。うん。
この前ファンが疑心暗鬼になるからフォローしちゃいけないって言われたけど、3000人以上フォロワーがいる応援隊隊長のアカウントならしてもいいよな。
「よし」
これで今度会ったとき機嫌が治ってるだろうな。
……と思い、ニヤニヤしながらフォローした瞬間、光の速さで本人からDMが届いた。
〔流石五十嵐くん。なひも言わなくても私のことをフォローすることひよって、更に勢いが増すってこと理解してくれれたんだへ〕
「ははっ」
誤字が多すぎて戸惑ってるのが筒抜けだ。
〔勢いが前以上になったから、もうコラボする必要なくなったよね?〕
〔いや。申し訳ないけど、コラボはもう確定してるから取り消すことはできない〕
〔それなら私も連れてってよ〕
「お?」
インターネットのバズりに詳しい九条さんと、一人の力で人気インフルエンサーにまで駆け上がったねねさんの二人が合わさったら、どんなことが起きるんだろう?
良い方向に行くのは間違いない。
〔いいよ一緒に行こ〕
〔やった!〕
このとき俺は。
良い方向に行くとしか考えていなかったので、まさか二人が合わさることで修羅場になるとは想像もしてなかった。
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