いぶきの事
マウンテンバイクバイクって知ってる?
オフロードって呼ばれる
小学1年生の時にマウンテンバイクに初めて乗って、レースに出場し始めたいぶきはすぐに注目を集めた。それからずっと天才少女と言われ続けている。
同じ歳の子には男の子にだって負けた事がない。
自転車競技はヨーロッパの選手が
だけど、ようやく光が見えたって多くの人が言っている。
いぶきは将来オリンピックで金メダルを取れるかもしれない期待の星だ。
いぶきは女の子なのだけど、髪も短くてボーイッシュで、可愛い男の子にしか見えない。
少しだけ他の男の子と違うのは、その走りのしなやかさだ。身のこなし方が
以前はひっそりとしている事も多かったレース会場は、いぶきの走りを見たくて足を運ぶ人達がぐっと多くなった。
メインイベントになっている大人達の一番上のクラスのレースよりも、いぶきの出るレースに多くの観客が集まった。
そしてみんながいぶきの走りを見て
いぶきは「私は将来、オリンピックで金メダルを取るの」といつも言っているけれど、それほど
調子に乗るとすごい集中力を
いぶきが競技を嫌いになる事なく成長していけるように、周りの大人達は彼女に
そのせいだろうか。いつの頃からか、いぶきは少しワガママに、自分がやりたいように行動するようになっていった。
それでも大人達はできるだけいぶきを自由にさせた。「あの子は特別」と
いぶきはまだ子供だからオリンピックには出場できないけれど、同じ位の歳の子と競争する大会が色々とある。
日本一を決める大会が1年に1回あって、そこで優勝すると日の丸をつけたジャージを着て1年間走る事ができるのだ。
「ユース」っていうクラスは13歳〜16歳までのクラス。
13歳になったいぶきはようやくこのクラスに出場できるようになった。
昨日がその大会だった。
ようやくその年齢になって、待ちに待った全日本に出場する事ができたのだ。
このクラスにはこれまで
来年はジュニアカテゴリーになるので鈴香にとってはこれが最後のユースでのレースとなる。
鈴香もいぶきに
歳が
2人の対決は大きな注目を集めていた。
その大会の前日、いぶきは会場近くのペンションに泊まっていた。
いぶきは中高生を集めた強いチームに
夜のミーティングで明日の目標をみんなの前で一人一人が
「私は明日、勝つために走る。勝てると思う。上りが長くてあまりテクニカルじゃない明日のコースはちょっと苦手だけど、明日は雨予報だし。雨がふれば私に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます