魔法少女はピークアウトです!!

雪だるま式

~プロローグ~ 金髪の魔法少女

第1話 私の名はミラクルピーチ!!

「起きて.....ねえ、起きてよ.........」




声が聞こえる.........


必死な声で俺を呼んでいる......




(ん......)




目を開くと夕焼けの空が広がっていた。


草のにおいがする。



ゆっくり体を起こすと自宅の近くにある河川敷の土手に俺はいた。




「よかった.......」



聞き覚えのある声がして振り向いた。


そこには、金髪の長髪に桃色の派手な衣装を身に纏った美少女がいた。


見た目は高1の俺と同じくらいの年か......?


細身の体に平均より少し小さめの身長だが、少し大人びている感じで落ち着きを感じる。



「大丈夫?どこか痛いところとかは無い?魔法は無事成功したはずだけど......」




「...?」




突然の出来事に頭が追い付かない。





そういえば少しお腹辺りが痛いような気がする........



さすって、服をめくってみたが外傷はどこにもない。


気のせいだった.......




少女の方を見る。


この子は一体.....?




服装は明らかに普通の人が着るようなものではない。



何のキャラクターか分からないが、日曜の朝に放送する魔法少女ものの主人公が着るようなちょっと痛いやつ.......



これがコスプレと言うやつか........



実際にやっている人を見るのは初めてだ。


こんな美少女がコスプレをすると、こうも自然に映えるものなんだと少し感心してしまう。




「どうしたの?そんなに私のこと見て。もしかしてやっぱりどこか痛いところがあった......?治してあげるから言って!」




心配そうな顔で俺に近づいて来るのだが、



何を言っているのかさっぱりだった。


これはアニメのセリフなのか?


どうやらこの子は本気でそのコスプレキャラになりきっているらしい。



聞いてもいいものなのだろうか......?




『どうしてそんな格好しているんですか?』って........




「いや、痛いところはない....かな......」



そう言うと彼女は安堵した表情に変わった。



............




そういえばどうして俺はここにいるんだろう.......?



目が覚める前の記憶を思い出そうとすると、急に頭に激痛が走った。




「..........っ!!!」



まるで思い出すことを体が拒んでいるようだった。



「大丈夫!?そうか....まだ蘇生したばっかりだから記憶が戻っていないのね......」



「........何か知っているみたいだな....どうして俺はここにいるんだ?君は一体誰なんだ?君が倒れている俺を子ここまで運んでくれたのか?」



気になることをすべて彼女にぶつける。



一瞬彼女は目を丸くしたが、俺の状態を察したようで軽くお辞儀をしこう言った。




「そういえば自己紹介がまだだったわね!!



私の名前は、”ミラクルピーチ”よ!!!」

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