第7章56話 昏がりの置き土産

◆  ◆  ◆  ◆  ◆




 暗い――黒い金属で作られた、SFに出て来るような工場……。

 そこの一角にて。


”けけけっ、なーんだクラウザーの旦那、やられちまったんか”

「ああ。先程したから間違いない」


 小さな猿のような姿をした使い魔と向き合って話しているのは、ドクター・フーだった。

 いつかのような『闇の聖者エキドナ』の姿ではなく、ラビたちが知る白衣を着た姿である。


”ちぇー、折角使えるかと思ってこっちから『ボタン』とか貸して食わせてやったのによー。やられちまっちゃー世話ねぇわな”

「ま、そう言ってやるなよ、パトロン殿。どうせこうなると思ってたんだろう?」

”くくくっ……まーな”


 かつてクラウザーに請われ、ユニット『ジュウベェ』の素体を作ったことはある。

 決して手を抜いたわけではないが、それでも『ジュウベェ』自体が最強のユニットか、と問われれば彼は首を横に振っただろう。

 だから、ジュウベェを使ったとしてもクラウザーがいずれ負けるであろうことは予想していた。


”ま、でもおかげさんでこちらとしてもを貰えたぜ。ははっ、なんだよプレイヤーをユニットの中に突っ込むって。リュウセイの野郎、よくもまぁそんなもん実現させたもんだぜ”

「似たようなことはパトロン殿も考えていただろうに」


 呆れたようなドクター・フーの言葉に、猿の使い魔はポリポリと頭を掻いてとぼけてみせる。


”似たようなこと、だぜ。同じことじゃあねぇ。んー、だがまぁ、アイデアとしちゃクラウザーの旦那の方が一歩も二歩も上だったな。

 なぁエキドナよぉ?”

「……また仕様変更か。やれやれ、こちらとしては特に急いでいないからいいのだが、パトロン殿としては早めに行動したいのではなかったのかな?」

”けけけっ、まぁそうなんだけどよ。そっちの方が面白そうじゃねぇか?”

「……ふっ、キミのそういうところ、嫌いではないよ」


 二人が何を話しているのかは余人にはわからない。

 だが――それが決して喜ばしいものではない、ということは明らかだった。

 使い魔とドクター・フーは互いにニヤリと邪悪な笑みを交わし合う。


”――で、どのくらいかかる?”


 細かく話さずともこの使い魔が求めているものはわかっているのだろう。

 何を、とは聞き返さずにドクター・フーは答える。


「そうだな……に二週間、調に更に一週間といったところか。製造だけはでやらねばならないが、調整は現地で行うことも可能だろう」

”ってことは……”

「ああ。二週間後には行動開始できるだろうな」

”くっ、くけけっ! そうかそうか!”


 ドクター・フーの言葉を聞いて使い魔は狂喜する。


”ああ……長かったなぁ……”

「そうだな。ふっ、だがその甲斐はあっただろう」

”くけけっ、ああ、全くだ――おかげさんで、俺っちの理想の軍団が作れたぜ! ああ楽しみだなぁ!”

「ふっ、喜んでもらえたようで何よりだ」


 興奮し狂喜する使い魔とは対照的に、ドクター・フーは冷めた表情で肩を竦めるのみだ。


「それで? いよいよ動くとなれば――も使う、ということでいいんだな?」


 使い魔が全て複数のユニットを持っていることは周知の事実だ。

 ドクター・フー=エキドナがこの使い魔のユニットであるとして、そうなると最低でももう一人ユニットがいるというのは確かなことだ。


”……ああ、そうだなぁ”


 考え込んだ後、にやっと笑う。


”うけけけけけっ、そうだなぁ、この時のために確保しておいたんだ、使わにゃ損ってもんだよなぁ”

「……ふっ」


 使い魔には見えない位置で、ドクター・フーも笑う。

 ……ただし、こちらは――『愉快』などという感情ではない。かつて、名もなき島でラビたちに向けたのと同じ、『悪意』の籠った笑みだ。

 その『悪意』がに向けられているのか――


”くけけけけっ! さぁ、楽しく愉快に遊ぼうじゃねぇか! なぁ、エキドナ――そして、愛しい愛しいよぉっ!”




*  *  *  *  *




「こちらです、ラビ様。

 ……その、桃香とありす様は――」


 私たちがやってきたのは病院だ。ただし、『闇の』が頭につくっぽいけど……。

 桃園の敷地内にあるちゃんとした施設――のようには全く見えない、普通の、ちょっと大きめの民家なのだが、内情は病院らしい。

 家屋の内部に入ると、一般の家とは全く異なる構造となっており、何部屋か入院可能なようにもなっている。

 そのうちの一室の前で、あやめは躊躇いがちに後ろに続く桃香たちに声を掛ける。


「ここまで来たのに!?」

「ん……わたしたちにとっても無関係じゃない……」

”うーん……正直私としてもありすたちにあんまり着いてきてほしくはないんだけど……”


 ありすの言葉通り、『無関係』ってわけでもないんだよねぇ……。


”…………仕方ない、あやめ”

「…………わかりました。ラビ様がそうおっしゃるなら」


 私同様、あやめも不承不承といった感じでありすたちの同行を認める。

 それだけ――この病室にいる『人物』に合わせるのは躊躇われるのだ。でも、『無関係』として遠ざけるのも、それはそれでという感じなのだ……。




 連日家に帰るのが遅くなって美奈子さんにはほんと申し訳ないんだけど……。

 ジュウベェと戦った翌日、月曜日の夕方。

 私とありすは桃香・あやめと共に桃園の領域内にあるこの『闇病院』へと呼び出されていた。


『ラビ様、申し訳ありませんが、明日こちらへ来ていただけないでしょうか?』


 あやめからそんなことを言われたのは、昨日一旦の状況整理を終えて解散となった後だった。

 なっちゃんは先に椛と共に戻り、楓と雪彦君もマイルームから退出。

 私、ありす、桃香、千夏君は桃香の部屋に集まっていた。

 ……で、あやめの車で帰り送ってもらうつもりだったんだけど、その時にあやめからそんなことを言われたのだった。

 本当はありすと千夏君のいないタイミングで話したかったんだろうけど……まぁ千夏君はともかくありすはねぇ。どうしたって私と一緒にいることになるし。




 んで、結局ありすにも話を聞かれ、流れで桃香にも話が行ってしまって現在に至るというわけだ。


「……ふぅ、失礼します」


 病室の扉をノックすると――


『おう、入れ』


 ……ぶっきらぼうな女性の声が聞こえてくる。

 まぁ『入れ』と言われたんだし入っていいんだろう。


「……念のため、桃香とありす様は私がいいと言うまで部屋に入らないでください」


 流石に心配する気持ちはわかるのだろう、二人は神妙な顔で頷いてくれた。

 ……あれ? 私はいいんだ? いや、まぁ現実世界では不死身だからいいけど。

 二人を少し下がらせた後、私を抱きかかえたあやめが病室の扉を開く。


「……? なんだ、鷹月娘。いつからそんな少女趣味に目覚めた?」

「こ、これは……えっと、桃香の持ち物です」

「? ふん、まぁいい」


 部屋の中にいたのは――ぱっと見た瞬間思わずドクター・フーを思い浮かべてしまった、なんかやさぐれた雰囲気の白衣の女性……。女医さん、かな?


「その、お久しぶりです、先生」

「ああ全くだ。ったく、仕事しないでも金が貰えるというのはいいが、暇すぎるのも考えものだな。

 ……いや、お嬢様が健康だっていうのならそれに越したことはないか」


 ふっと皮肉げに笑う女医さん。

 ……その笑顔を見て、ドクター・フーというよりはあやめの母親である鮮美あざみさんの方が似ているかな、と思い直した。


「まぁいい。容体については説明した通りだ。面会時間は10分……とは言っても、まだ寝てる状態だがな。もし何かあればすぐに私を呼べ、いいな」

「はい。ありがとうございます、先生」

「……あまりお嬢様を会わせるのは賛成できないが……まぁお前が守るんだろ?」」

「もちろんです」


 部屋の外で様子を窺っていた桃香たちの方をチラリと見て言う先生に、あやめは力強く頷く。

 ……初対面の時の完璧メイドの印象を悪い意味で覆すへっぽこっぷりを見せつけて来たあやめだけど、桃香を思う気持ちは本物だ。

 そして、実際に目の当たりにしたことはないけど、あやめは桃香のお世話係……ってだけじゃない。『護衛』も兼ねているらしい。あやめの両親が桃香の両親を護衛しているのと同じように。

 あやめのことはよくわかっているのだろう、先生は頷くと部屋から出て行った――出て行く時に、


「健康が一番だ、お嬢様」

「はい、先生♡」


 桃香の頭をぽん、と叩いていく。

 ――後になって聞いた話だけど、この先生、というか『闇病院』は実は桃香、というか七燿桃園のかかりつけの病院らしい。この先生――『七燿白嶺はくれい高雄たかお美咲さんは小さい頃から桃香のことを知っているとのことだ。

 …………まぁ、桃香は滅多なことでは体調を崩さないし、定期健診以外で先生のお世話になったことないみたいだけど。


「……さて」


 先生が出て行ったことを確認し、あやめは病室――の中のベッドに横たわる人物に視線を向けなおす。

 私も気を引き締めなおす。


「ラビ様」

”…………うん、間違いない。


 ……そう、ベッドに横たわり眠っている人物、それは――私たちを襲ったあの少女に間違いなかった。


”むぅ……”


 まさか、この少女がまだこっちの世界にいるとは思っていなかった。

 昨日、私たちがマイルームで話している間に倒れているところを見つけたらしい。

 事前にジュウベェの特徴をあやめには伝えていたため、すぐに気づいたあやめが手をまわして、この『闇病院』に運んでもらったとのことだ。

 ……あれ? なんかあやめの持ってる権力、微妙にすごくない?

 ま、それはともかくとして、ジュウベェが『ゲーム』関係者だということであやめが確保してくれていたんだけど……。


「あ、あのぅ……?」

「もう、はいっていい?」


 ジュウベェは眠っている状態だ。

 まぁ仮に目が覚めたとしてもあやめが守っているし、大丈夫だとは思うんだけど……。

 私とあやめは互いに目配せし、


「……私の前には出ないように気を付けてください」


 と一応注意を促しておく。

 ベッドに横たわるジュウベェは、発見当初からずっと眠り続けているらしい。

 高雄先生の診断では、『極度の栄養失調』が主な原因なんだとか。

 今も点滴がつけられている。


「ん……なんか、痩せてる?」

”そうだね。一昨日襲われた時も細いなーとは思ったけど……”


 襲撃された時は状況が状況だったし、何よりもジュウベェ自身の『暴力』の気配がすごくて気付かなかったけど、ありすの指摘通り『細い』というよりも『痩せこけている』と言った方が正しいくらいだ。

 『極度の栄養失調』というのもうなずける……ひょっとして、この世界に来てから食事を摂ってなかったんじゃないだろうか?

 まぁ使い魔の身体だったら食事は別に不要ではあるんだけど……。


「まだ精密検査は行っておりませんが、簡単に調べた結果……どうやら10代の人間の女性ではあるようです」

”人間……間違いなく?”

「簡易検査ですので何とも言えませんが、少なくとも事情を知らない先生が診て、特に不審な点は見当たらなかったそうです」

”むぅ……”


 一体どういうことだろう……?

 ジュウベェ=クラウザーというのは当たっていたし、この少女の中身が一昨日遭遇した時にはクラウザーだったのは間違いない。

 でも、この肉体は『人間』のもの……?

 私の考えは全部が正解だったわけじゃなくて、この世界の誰かをクラウザーが『憑依』みたいな感じで操っていただけ、とかなんだろうか……?


”この子の身元は?”

「流石にそこまでは……調査は必要でしょうか?」

”うん、出来ればでいいんだけど”


 もしもこの子がこの世界の人間じゃなくてクラウザーがどこからか持って来た身体である、というのなら……それはそれで扱いに困るけど、そうじゃなくてこの世界の人間なのだとしたら、このまま放置しておくわけにもいくまい。

 帰る家があるのなら帰してあげないとだし。

 ただ、警察にはちょっと話せない問題だ。いや、まぁ本来なら警察に届け出るべきなんだろうけど。

 中身がクラウザーだったのは確定とは言え、この子は北尚武台で起きた強盗事件の最有力容疑者候補なのだ。

 罪は罪として償わなければならないとは思うけど……もしこの子がこの世界の人間で、クラウザーに操られてのことだったとしたら、本人の記憶もないのに犯罪者として捕まる、とかはちょっと可哀想だと思う。心神喪失どころか人格喪失している状態だったわけだし。


「そ、それで……この方、どうするおつもりですか?」


 恐る恐る、と言った感じでベッドの中の少女を覗き込んでいた桃香が尋ねる。


”うーん……どうしたものかな……”


 さっきも考えたように、本来なら警察に届け出るべきだろう。

 帰る家があるとしたら多分その方が早い。

 でも――そうするのを躊躇ってしまう理由もあるのだ。


”……あやめ”

「はい」

”ひとまず、この子が目を覚ますまで……ここで預かってもらうこと、できないかな?”

「……それは可能です。ですが、流石に旦那様たちと両親には秘密にする、というわけにはいきません」


 それは仕方ない。

 この『闇病院』は七燿桃園専用の病院みたいだし、当然あやめやまだ子供の桃香の自由に出来るわけではないだろう。


”うん、パパさんたちや豪先生たちにも話さないわけにはいかないのはわかってる。ちょっとうまい言い訳を考えなきゃだけど……”

「そこはお任せください」


 こういう時、ほんと頼りになるなぁ……。


”ありがとう。それで、この子が目を覚まして……どういう状況なのかを把握したい。その結果次第で、警察に届け出るかどうか決めよう”


 強盗事件の被害者の子には申し訳ないけど、『クラウザーという使い魔に乗っ取られてやったことなんです』なんて説明できるわけないし納得してくれるとも思えない。

 ……これがなぁ、この子が普通の人間で、普通の――変な言葉だけど――犯罪者なんだとしたら、迷うことなく警察一択なんだけどねぇ……。

 状況が特殊すぎるし、不明な点が多すぎる。そしてそれは『ゲーム』に関係しない人間には到底理解できることではない。

 勝手ながら、私たちの方でできれば片づけたい問題だ。


「承知しました。高雄先生にも、この子が目覚めたら教えてもらえるよう伝えます。それと、念のため脱走できないようにも」

”うん……縛り付けたりとかはちょっとアレだけど、目が覚めたらどうなるかわからないからね……少なくとも病院の中にいるか、居場所がわかるようになってればいいと思う”


 ……自分で言っておいてなんだけど、『闇病院』だし体の中に発信機埋める、とかやりそうで怖いな。


「んー……ちょっとかわいそう」

「そうですわね……こんなにげっそりと痩せてしまって……」


 結構酷い目に遭わされたというのに、ありすは彼女のことを『かわいそう』と思っているらしい。

 まぁ、この子本人の性格がジュウベェと同じだというのであれば同情の余地はないけど、そうではない可能性が高いのだ。

 自分よりも数歳年上なくらいの小柄な少女が、ちょっとびっくりするくらい痩せこけて眠り続けている姿は……確かに『かわいそう』としか言いようがないかもしれない。


”――っと、そうだ。忘れないうちに……”


 今日ここに来たのは、彼女の顔を見に来ただけではない。

 私はユニット捜索モードを切り替えて彼女を見てみる。

 ……ちなみにだけど、ピッピと融合したことでユニットが七人になった私だけど、元々の私のユニットは三人。そして『ユニット枠+1』は最大数まで持っていたので、あと一人枠が余っていた。

 なので、実は私はあと一人ユニットとすることが出来てしまうみたいなのだ。合計で最大八人……まぁよっぽどのことがない限りは、これ以上増やすつもりはないけど。


”……どうやらユニットにはなれない子みたいだね”


 『既に誰かのユニット』ではなく、そもそもユニットとして選べないみたいだ。

 まぁ、とりあえずは一安心……していいのかもしれない。少なくとも、『ゲーム』における敵――再びジュウベェとして現れることはなさそうだ。

 クラウザーは完全にゲームオーバーになっているっぽいし、使い魔の器として使われるということも……いや、これは可能性としてはまだ残ってるか。

 とにかく、この子に関しては当分は様子見するしかないかな……。


「おい、そろそろ時間だ」

「あ、はい。ありがとうございました、先生」


 危ない危ない……先生に私が話しているのを聞かれるところだった。

 約束の時間が来てしまったみたいだ。

 ありすと桃香は先生にお礼を言って『闇病院』から帰ることに。

 ただ、あやめは先生に先程の私からの要望を伝えるためしばらく残って話をすることになった。

 ありすを家まで送ってもらうので、私たちは『闇病院』の待合室――っていいのかどうか悩むが――であやめを待つことにした。


”うーん……難しいな……”

「ん。ジュウベェ――クラウザーはムカつくけど、あの子は……よくわからない」


 本来の性格までジュウベェそのものだったら、きっと『ムカつく』になるんだろうけど、現状ムカついていいのかどうかすらわからないからね。


「問題が増えてしまいましたわね……」

”だねぇ……まぁ別々の問題として考えていいとは思うけど”

「んー……先延ばしばっかり増えてく……」

”……うぅ、自覚はしてるんだけどね……”


 私たち自身の目標である『ゲーム』のクリアについて。

 いなくなってしまったピッピがやろうとしていた『ヘパイストス』の問題について――これは私たちが今どうすることも出来ないが、どうにかしてあげたいという気持ちはある。

 突如現れたジュウベェ本体だった子の処遇について。

 後は……ありすにはまだ話せないけど、本当だったらありえない『ゲームへの復帰』をした美鈴について……。

 どれもこれも、今すぐ私たちが能動的に解決できる問題ではない。

 ありすの言う通り、先延ばししまくりの問題が積みあがっていってしまっている……こういうの、良くないんだよなぁ。時は一気にクるんだよね、こういう問題って……。


”とりあえず、あの子のことは皆にも――そうだな、トンコツにも伝えておこう。何があるかわからないしね……”

「ん」

「そうですわね。……まぁなっちゃんさんには……」

”……んー、言っても仕方ない、かもねぇ”


 注意を促す、くらいかなぁ。危険があるかどうかもわからないけど、いざという時に備えておきたい。

 なっちゃんに関しては、まぁ楓か椛、あるいは雪彦君が傍にいるだろうから、三人が知っておけばそれでいいかなぁ。




 ……とりあえず謎の少女という厄介事を自分たちで抱え込んでしまう私たちであった。

 結論として言えば、彼女は特に私たちに対して、心配していたようなことは起こさない人物ではあった。そのことを私たちが確信するのはもう少し先の話ではあるが……。

 ただ、彼女本人の意志や人格は別として――彼女の存在こそが、『ある人物』の行動を引き起こすのトリガーだったのだ。

 そのことに私たちが気付くのは、やはりもう少し先……『ゲーム』の最終局面の直前になってからなのだった。

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