第73話:伊吹山へ・皆と合流

「おまたせー」


「おまたせしましたぁ!」


「ふぇ?」


「あら?」


西園寺家に到着した俺と信乃は心愛と姫崎さんに出迎えられた、キョトン顔で。


「あの……そちらは結菜の式神ですよね?」


「はい! アタシは結菜様の式神で信乃と申しますっ!」


「その、喋ってますわよね? 信乃さん」


「はい、私も耳がおかしくなってなければ声が聞こえますね信乃さんの声」


「はい! 優希様に蘇生してもらったらなんか喋れるようになりました!」


「「あぁ、優希(上凪)さんですか原因は」」


「何でか納得された……いや、耀達にも与一紹介したら言われたんだけどさ……」


「流石優希様です!」


それ与一にも言われたよ……。


「それじゃあ心愛、これを持っててくれ」


結菜に渡した魔法鎧の一部を渡す、昨日菜緒さんが結菜の襲撃位置を案内してくれた際に見つけた物だ。


「これは、結菜の……」


「うん、お守り代わりだね」


「わかりましたわ」


「それじゃあ向かうよ。信乃道案内頼むよ、心愛身体強化を」


「はい!」「えぇ!」


「心愛お嬢様お気をつけて」


「大丈夫よ、優希さんがいるもの!」


心愛を抱えると飛び上がり加速する、山を越えて飛んで行くと琵琶湖が見えて来た。


「信乃、方角は大丈夫?」


「はい!」


「優希さん、あの山ですわ!」


心愛が指差したのはここからでもわかるほどの大きな山だ。


「確かに山頂部分に魔力が渦巻いてるな……」


「このまま着地したいけど……視界が悪いな」


雲のかかった伊吹山の上空を旋回しながら考える、恐らくダンジョン化しているのは山頂部分だろう。


「優希さん、近くに駐車場がありますのでそちらに降りるのはどうでしょうか?」


スマホでマップを見せて来る、地図には広い駐車場が描かれている。


「わかった、じゃあ速度を下げながら……」


なるべくゆっくりと降りる、風と霧で着地が倒れそうになってたたらを踏んだけど大丈夫だった。


「さて、皆を呼ぶか……」


スマホで耀へ発信をすると目の前に皆が現れる。


「よっとと……位置が見えないと難しいわねこれ」


「おはよう耀、それに皆も」


援軍に来たのは耀・アミリア・エアリス・ミュリ・春華・冬華・ユフィの7名だ。


「おはよう優希」


「おはようございますわ、ユウキ様」


「おはようユウキ」


「おはようございます優希おにーさん」


「おはよー優希おにーちゃん」


「ん、おはよう優希」


次々に挨拶を返してくれる皆。


「あれ? もう少し来ると思ったんだけど……」


「あー……、半分くらいはまだ寝てるわね。戦力としては十分だし、それとアマテラスさんからこれを貰って来たわ」


耀がなんか手のひらサイズのボールらしきものを出してきた。


「なにこれ?」


「えっとね、通信器みたい。ここにスイッチが、あったあった」


スイッチを入れるとふわりと浮き上がる、どこかで見た……。


「これって浮遊砲台の?」


「ん、正解」


『あーテステス。通信環境どうですか?』


「ん、良好。流石」


『いえいえ! ユフィさんの技術力は凄いですありものの素材でここまで上手に作れるなんて!!』


「ぶいっ でも根幹はアマテラスのお陰」


Vサインをしているユフィ、遂にユフィの発明はあの空間とも繋がったんか……。


『という事ですので、優希様のサポートを行わせていただきます!』


「ありがとう、助かるよ」


「凄いですわね……どういった原理で動いてますの?」


「ん、これは特殊な重力魔法を使ってる、内容は企業秘密だけど私の魔力を込めると簡易的な重力地点を作る魔法に似てるみたい」


「そうなんですね……凄いですわ……」


キャッキャッと話し合う二人、巴ちゃんから話を聞く限り、魔道自動車のことで引き合わせてから連絡を取り合ってるらしい。


「あの二人、地味にメカオタクなのね……」


わたくしとしては、ユフィにお友達が増えるのは嬉しい事ですわ」


「そうだな、私達なんて複雑な魔道具の仕組みは理解できてないからな。ああして機械技術でも話せる友が出来たのは嬉しい事だ」


うんうんと唸る二人、二人はユフィの親かな?


『それで優希様、ユフィさんといらっしゃる女性は誰でしょうか?』


アマテラスさんが聞いてくる、首を傾げてるようにも見えるから不思議だ。


「えっとね、俺が京都で補修を受けてた時のクラスメイトだね。名前は西園寺 心愛って言うんだ」


『西園寺さん……あぁ……わかりました! 武闘家の方ですね』


「あーうん……確か陰陽師なんだけどね……」


『はい、知ってます! 確か破邪従使はじゃじゅうしの巫術を使うんですよね?』


「何それ、知らない……」


『えっと……ですが、この資料に……あぁ!? これは秘密の事でした!! 忘れて下さい!』


「……まぁ、内容がよくわかんないしいいか……」


恐らく少し先の未来の事が書いてあるのだろう……。


「さて、そろそろ行こうか。結菜を待たせるのも悪いし」


「「「はい!」」」「「「えぇ!」」」「ん」「は~い」


一同魔法鎧を展開して武器を取りだす、俺は今回殿を務める事になった。



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作者です。


【第12回ネット小説大賞】二次選考通過してました!!


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