第41話:演目は【六条家の失墜】

華組全員の遺体は回収され本人確認が行われた、証言や歯の治療痕などから全員が本人と断定さる事となった。


そして、絵図を書いた通り西園寺・細川・賀茂の三つの家、三条と四条、それに一条・二条・五条・七条・八条・九条・十条の、つまり【六条家】以外の家々が六条家に責任の追及をする働きをかけている。


なにせ婚約者でも無い、ましてや他人の妻を奪う為に御前試合の開催を画策し、各家に多大な被害を負わせたのだから。


しかも、六条家の戦力は他の旧華族を家の者を、ほぼ無理矢理に呼びつけたのだから無傷と言って良い。


「それにしても、知ってるとはいえ目の前でああも人が殺されるのは、見ていて背筋が凍りんすね」


「良う言うわい、お主も当主を手にかけてる癖に」


紙の煙管を吸いながら、ケロッとして言う四条さんに、ツッコミを入れる三条さん。


「何の事でありんしょうかね? 私の方が元の当主より優れた式神を揃えていただけでありんすよ」


そんな話を小耳に挟みつつ、別室の様子がテレビに映る、現在【六条家】当主による弁明が行われている。


因みにこの二人は早々に【六条家】の追放処分と資産没収に票を入れて退室している。


「しかし、どうもこれだけボロボロと悪行が出てきましたね……」


「京都は世界中から人来るさかいの、その裏で最近きな臭かった事多かったさかいな、警戒はしとったんじゃやで」


「私の方はある程度情報は掴んでたし、私の領分でいたずらをして無うござりんしたから目を瞑ってやしたけどね。結菜ちゃんに相談されてから本格的に掘ったら出てくるわ出てくるわ」


お手上げのポーズをする四条さん、途中で放り投げたのか……。


「お陰でここまで味方が増えて、俺は楽でしたけどね」


なにせ、良くて半分程の家がこちらに付けば良いなと思ってた位だし。


「それにしてもこの資料、良う出来てるのぉ」


「えぇ、巴ちゃんがやってくれたんですよ。四条さんの式神が得て来た情報とウチの優秀な子が出張ってくれたので」


クロコには後でご褒美あげないとなぁ……ケーキ好きだし、ケーキバイキングとか連れて行ってあげるか。


「おっ、そろそろ終わりそうやね」


残っていた十条の各家が席を立ちあがり投票を済ませる、悪事のバレた六条当主はうなだれていて動かない。


そして六条家の取り潰しと当主及び、その息子の警察への引き渡しが決まった。


「さて、本日は色々とありがとうございました」


「よいよい、娘も孫も巴殿と会うのを楽しみにしとったさかいな。それに今上凪殿にあんじょー取り入れたら三条は安泰やさかいな」


「えぇなぁ、四条も上手く取り入りたいわぁ」


「そういえば四条家は事業とかやって無いんですか?」


そう聞くと、サッと目を逸らされる。何か後ろ暗い事でもあるのだろうか?


「あー上凪さんには、聞かせられない事でありんす……」


「ええとちがうか? 上凪殿も男や、喜ぶやろうに」


「そういうことではありんせんよ、夫婦仲の良い上凪さんには不要でありんすし」


……そう言う事か。


「わ、私は決して働いておりんせんからね!? 京都はお座敷が多い故に昔から舞妓さんとかが目当てで来られる方が多うござりんすから!」


慌てて訂正する四条さん、確かに伝統芸能としての舞妓体験とかはやりたいならやらせてあげるか。


「あーそれでしたら、俺の奥さん達が舞子とかの体験をしたいと言ったら。お世話になると思います。子ども用の記念撮影とかもありますか?」


「ありんすありんす! 是非来ておくんなんし!」


慌てている四条さん、に笑っていると三条家の人が部屋に入って来た。


「あの……華組の皆様の家族をご案内したのですが……」


「あ、ありがとうございます。中に入ってもらって下さい」


「かしこまりました」


恭しく頭を下げた後に華組の家族の皆さんが入って来る。


「うぅ……心愛ぁ……」


「………………」


「伊与里……」


「結菜ぁ……どうして……」


放心している父親や涙が止まらない母親達が入って来る、流石に可哀想なのでネタ晴らしを早くしないとな。


「皆さん、こちらに集まって下さい」


俺の言葉に皆の視線がこちらを向く、その瞬間俺に憎悪剝き出しにして来る。


「貴様!」


「殺してやる!!」


「次は私達を殺すのか!!」


次々に投げかけられる罵倒や憎悪。


「面倒だな……」


もう、一旦気絶でもさせるか……。


話しが進まないので無理やりにと考えた居たら……。


「喝!!」


三条さんの一喝でしんと静まり返る。


「そないな喚いとったら、話進まんわい。憎々しいやろうが今は彼の話を聞くんや」


その言葉に冷や水を浴びせられた顔をのご家族の皆さんに向けて、再度用件を伝える。


「えっと……実は皆さん死んでません。全部偽装です」


俺の言葉に目をぱちくりさせるご家族の皆さん、最初から作戦を知っている三条さんと四条さんは黙って頷いている。


「と言う訳で、えいっと『——転移!』」


ご家族の魔力を判定にして纏めて異世界に飛ぶのだった。


「「「「えっ……えええええええ!?」」」」」



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作者です。


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