第38話:サクサク進む御前試合

と言う訳で幻斎さんとどこの家かわからない兵士の集団をさっさと片付けた俺は次の挑戦者を待っていた。


「そういや夜食詰めて貰ったんだ、相手が来るまで食べてるか」


空間収納アイテムボックスからビニールシートと座布団を出して座る、周囲に防御魔法の装置を置いて折詰を出す。


「おぉ! 美味しそう!」


おにぎりと数種類の和食のおかず、それとメッセージカードが入っていた。


「何々『慣れない料理ですが、お母さんに習いながら作ったので、味は保証します。里菜』、里菜のお手製か楽しみだな」


よく見ると春華や耀達と違って少し不揃いや不格好だったりするのだが。味付けは好みだし、なにより頑張って作ったというのが食べていると良くわかる。


「うまぁ……」


良く味の染みた煮物をおかずに、一口サイズのおにぎりを口に放り込む。


半分を食べた後だろう、ぞろぞろと刀や槍を持った武芸者達が入って来る。


「あー……次の相手? ちょっと待ってて、愛妻弁当食べてるから」


折角だしあとちょっとだから食べてしまいたいんだけど、そうもいかないか……。


「きえぇぇぇい!」


飛び込んで刀を振り下ろしてきた、人がご飯食べてるのに……。


「はぁ……ほいっと」


――カキンッ!


強化した割り箸て弾く、そのまま割り箸を手の甲に突き立てる。


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!?」


「あーあ、箸使えなくなったよ……どうしてくれるのさ」


「はぁぁぁ!!」


今度は背後の人が槍を突き立てて来る、それを身体を捻って往なして蹴り飛ばす。


「ぐふぅ!」


錐揉み回転をしながら数メートル飛んで行き、壁に不格好なオブジェが追加された。


「おっとと……弁当が零れる……仕方ない、さっさと片付けて続きを楽しむか」


それからは流れ作業の様に倒していき、全員が気絶して終わりとなった。


「さて、弁当の続き続きっと……」



◇◆◇◆

弁当の残りを食べ終えた後、武芸者達を回復して起こす。


「と言う訳で次の人達呼んで来てね」


「は、はい」


さっさと走って控室の方へ向かっていった。


「あららー強い強いとは言ってたけど、どんだけ強いのさキミ」


振り返ると、軽薄そうな中年が立っている。咥えたばこまでしてるんだけど、ここ禁煙じゃなかったっけ?


「えっと……どちら様?」


「あー【五条家】の者だよ、中々順番が来ないから先に来ちゃった♪」


五条家、確か特殊な神通力の天眼で回避が凄いんだっけ?


「そうなんですね、じゃあさっさと始めましょう。もう1時ですし」


懐中時計を取りだして見るともう1時を回ってる。


「せっかちだねぇ……まぁ俺も歳だし早く片付くには申し分ないけどね」


ちょいちょいと、かかって来いと言った感じの動きをする。


「じゃあお言葉に甘えてっ!」


普段の1.2倍くらいの速度で近づき拳を振るう、すると余裕を持って躱される。


「早ぁ!? 早すぎだろ!?」


「これでも、かなり手加減してますよ。生身の人間相手だし」


「マジか……反撃するのが精一杯なんだけど……」


ナイフを構えてる、でも刃こぼれしてるから恰好が付かないんだけど……。


「わかりました、3倍でいきますね!」


身体強化を使い相手の眼前にまばたきをする間に到達する。


「ふぐっうぅ!?」


あ、当たっちゃった……。


骨が砕け感覚と、パァン!とはじける音がして飛んで行った……。


「大丈夫ですか!?」


近付いて復元魔法をかける、骨と肺と心臓を綺麗に復元して戻すと、苦笑いをする。


「あはは~俺の負けだよ、一瞬三途の川で爺さんが手をってたわ……」


「良かった、冗談言えるなら大丈夫ですね」


起してあげると腰をトントンしているのでお詫びに治療しておく。


「おぉ!? 腰が楽になった!! ありがとう!」


ウキウキで【五条家】の人は控室に戻って行った。


それからすぐにジ○ガーノート部隊の人達が入って来た


「君に恨みは無いけどこれ以上は十条の沽券に係るからな、死んでもらう!」


機関銃を一列に並んで掃射してくる、普通の人間だったらあらびき肉になっているだろう。


「だけど効かないんだよなぁ……」


強化魔法を込めた大楯で防ぐ、魔法研究の為に作った魔銀鋼ミスリルの大楯なのだが、劉英さんの【龍之閃光ドラゴンブレス】も無傷で防げるくらいのものになってしまった。


悠然と歩きながら近づく、弾切れなのかガチャガチャやっている。


「ふぅ……そろそろ攻守交替で良いかな?」


楯からひょっこり顔を出すと、皆さんが狼狽し出す。


「な! 何だアイツ!!」

「アレだけ撃たれて無傷だと!?」

「ば、化物!?」


「化け物は酷いなぁ……と言う訳で今度はこっちから行くよ!」


一気に近づきシールドバッシュで吹き飛ばす、苦悶の声を上げた皆さんがボーリングのピンみたく飛んでいく。


「それぇ! もういっちょ!!」


折り返してもう一度轢く、3往復くらいで立っている人は居なくなった。


「あらら、もう終わりかい」


周囲を見ると動かない人や呻いてる人、すっ飛んでいき亀の様に起き上がれない人が溢れている。


「とりあえず死んでる人は居ないな……ヨシッ」


様相は現場猫案件の惨状に見えるけど、気にしない事にしよう。




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作者です。

ダイジェスト終わり!

次回、VS陰陽師!


【ファンタジー長編コンテスト】中間選考突破してました!!

読者の皆様ありがとうございます!!


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毎日、そしてここまで読んでいただける方、ありがとうございます!

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