第38話:反体制派会議へ潜入。

奴隷の皆と話を終えて宿に戻るとリリアーナ達は準備を終わらせていた。


「お、おぅ……」


艶やかに彩られた皆を見て驚く。


深紅のドレスに彩られたリリアーナ、背中は大胆にも出ていて純白の肌が映える。


一方アミリアは群青のドレスに宝石やネックレスを大量に身に着けている。


そしてセレーネは俺達の世界で言う、踊り子衣装という感じのギリギリな服装で各所に金装飾を纏っている。


「優希様! どうでしょう!?」


「ユウキ、何か言ってよ……」


「ユウキさぁん! この衣装凄く恥ずかしいです!!」


「うん、皆凄く綺麗だし目を奪われちゃったよ」


そう言うと皆が顔を真っ赤にして詰まる。本当は個々人に言いたいんだけど……今は時間が無いからなぁ……。


「ゴメンね、本当はもう少し話し褒めたいんだけど……」


「ふふっ、今日はお急ぎですからね。また今度じっくりと聞かせていただければ」


「そうだったわね、物足りない回答だけど今回は時間厳守だもんね」


「はぅ!? そ、そうでした……緊張してきましたっ!」


「それじゃ、俺も着替えちゃうよ」


俺もノクタールさんから貰った礼服に着替え整髪料で髪を整える。


「よしっ、これで大丈夫かな? 皆、お待た……せ?」


振り返ると皆が俺を見て硬直していた。


「い、一体どうしたの?」


「いっ、いえ……少し刺激が強かったので……」


「そ、そうね、良いじゃない! まさかここまでカッコいいとは……(ボソボソ」


「ユウキさんカッコいいです!!」


そう言って抱き付いてくるセレーネ。


「あ、ちょっ! 服が崩れる崩れる!」


「あっ、ずるいですわ」


「あ、あたしも!」


「ちょ! だめ! せっかく整えたんだからぁぁぁぁぁ!?」


三人にもみくちゃにされ出発が遅れるのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「さて、それじゃあ出発しようか」


「「「はーい!」」」


「あうぅ~皆さんずるいですぅ~お城でパーティなんてぇ!」


今回、ロップルさんは宿に残しておけないのでレギル達の屋敷で内職の手伝いだ。


「パーティじゃないよ……会議なんだけど」


「へ? そうなんですか?」


「昨日の説明聞いて無かったの?」


「えへ♪ 飲み過ぎて忘れちゃいました♪」


「あのねぇ……」


「まぁまぁ、宝飾品の類も売ってきますので。利益分はロップルさんのお小遣いになりますよ」


「マジですか!? じゃあ、じゃんじゃん売って来て下さい!!」


目がお金マークになっているロップルさん。今の所、この時代に来てから余分にお金使う事無いから余程でもない限り余ってると思うんだけどなぁ……。


「もしかして、お金足りませんでした?」


リリアーナが申し訳なさそうにロップルさんに言う。


「あーいや……そこまで使わないですが……あった方が良いじゃないですか」


「まぁ確かに……あって損は無いわよね」


アミリアが大きく頷く。確かにアミリアは一時期食べるものにすら困ってたもんなぁ……。


「というわけで聖騎士様、姫殿下、聖女様、セレーネちゃん! 頼んだ!!」


親指立てて馬車に乗って行った。


「それじゃあ旦那! 一日お預かりします!」


「ありがとう、レギル」


「いやいや、助かりますよ! これで皆も仕事が休みの日に稼ぎが出来ますぜ!」


そういってレギルを鞭打つとロップルさんを乗せた馬車は進んでいった。


「それではカミナギ様、奥様方。お乗りください」


迎えに来たデギンさんが今日は御者をやってくれる。


「ありがとうございますデギンさん、助かりました」


「いえ、これも仕事ですので」


隣に座りながらお礼を言うと恥ずかしそうにする。


「でも、お陰でこの堅苦しい恰好で馬を扱わなくて良かったです」


「お力になれて良かったです。それに今朝から奥様と兄貴が仲良さそうなのです」


「それは、良かったですね……」


恐らくあの事が原因だろう。でもまぁ、仲良さそうなら良いか。


「それでは急ぎましょうか、もう時間間際ですので」


「すみません、ありがとうございます」


「では、出発致します!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

城に着いて会場へに通されると中には現王政への反対派の貴族が揃っていた。


「ようこそ参られたユウキ殿!」


「本日はお招きいただきありがとうございます、ウルベリック卿」


「よいよい、今日は私的な場。堅苦しくない様にしてくれ、リリナ殿の事も妻が待っておったぞ」


「ありがとうございます、では旦那様私はナタリア様の元に向かいます。二人共付いて来て下さい」


周囲からざわざわと「あれは宝石獣か?」とか「あの美しい奥方と小間使いの少女、羨ましい」などと聞こえて来る。


「ははは、皆君の奥方に目が奪われている様だ」


「えぇ、我が妻たちは至宝の宝石にも劣りませんから。ですが、その様な宝石でさえナタリア様の月の様な美しさにはかないません」


「ははは! 流石商人口が上手いな」


「えぇ、もしよろしければ。本日我が妻たちには当商会で扱う宝飾品を纏わせております、お気に入りのものがあればご用意させていただきます」


「そうか。ではナタリアに相応しいものをいくつか選んでくれるか?」


「えぇ、かしこまりました。ですが宝飾品は妻にお任せしておりますので」


「わかった、ナタリア。後は頼んだ」


そう言うとナタリアと貴族の奥方様達は別室へ移っていった。


(さて、まずは第一段階の仕込み終了だ)


そんな事を考えつつ話の輪に加わっていくのだった。




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