第30話:里の悩みと画期的な解決方法(案)
「優希様? こ、この奇妙な形の家は?」
唖然とした顔から戻って来たリリアーナが聞いてくる。
「これは、俺の世界での標準……より少し大きいけど、誰もが持っている家なんだ」
「この様な家を誰もが持っている……優希様の世界は凄いですね……」
「とは言っても、俺達の国はそこまで大きくないからね。高層住宅とか集合住宅が沢山あるんだ」
「集合住宅はわかるのですが……コウソウ?住宅ですか?」
理解が出来ない感じに首を傾げる。
「うん、階層毎に何家族が大きな部屋ごとに分かれて住んでるんだ」
「階層毎に何家族かが!? その建物はお城より大きいのでは!?」
「あはは……とは言っても1家庭毎の部屋の大きさはそこまででも無いからね、お城よりは全然小さいよ」
「そうなんですか……つまりこの様な大きいお家か小さくてもたくさん住める住居の2つに分かれているのですね……」
「そうだね、理解が速くて助かるよ」
「えぇ、もしかしたら我が国に上手く導入出来ないか考えてましたからね」
「あぁ、でも。高層階にすると地震が心配だな」
「そうですね……地揺れは非常に難問ですからね。我が国の王都周辺はほぼ起きませんが、北方や東にある元ノーブルブラッディ家の都は大きな地震により壊滅してしまったんですよ」
「そうだったんだ……」
「聖騎士様! このお家凄いです!!」
ロップルさんが扉から顔を出しながら答える。恐らく色々なものに心惹かれている様だ。
「とりあえず、そのあたりも含めて色々と調べたい事があるから明日にでも王都に戻ろうか、頼りにしてるよ」
「はい、私もお手伝いさせていただきます!」
手伝えることが嬉しいのかくるくると回りながら喜ぶリリアーナ。
「あ、そうでした。優希様にお願いが……」
こちらに向き直り少し申し訳なさそうにするリリアーナ。
「何だい? 俺に出来そうな事?」
「はい、それがセレーネさんのお宅の外壁がとある事情で壊れてしまったので土魔法で直して欲しいのです」
「それ位ならお安い御用だね、皆がお風呂に入ってる間に直してくるよ」
「それでは、よろしくお願いしますわ」
そう言ってリリアーナが家へ入って行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
翌朝、家の周りが騒がしくなっていたので外に出ると里の皆が遠巻きに家の周りを囲んでいた。
「あ、やっぱりカミナギ様でしたか……」
一番前にいた里長と目が合った。
「あーすみません、夜遅くに色々ありまして……」
「そうでしたか……それでこれは家なんでしょうか?」
「そうですね、私の世界の家です」
「凄いですな……」
「あはは……すみません土地を借りてしまって……」
「それは結構ですが……これはここに置いておかれるのでしょうか?」
「あー、ごめんなさいこれ俺の
「そうだったのですね、これならちょっとやそっとの攻撃ならびくともし無さそうですしね!」
「あはは……でも木造なんで燃えはしますよ」
「それでも我々の家よりは安全そうですね……」
欲しいのかな? でも一軒家だと結構高いんだよなぁ……。
「うーん……」
「どうしたのですか優希様?」
「あ、リリアーナ」
いつも寝坊気味だけど、早めに起きて来たリリアーナが日傘を差しながら家から出て来た。
「あぁ、実はね……」
今里長と話していたことを話すとリリアーナも腕を組む。
「そうですわね……出来ればこの里自体もどうにかしようか考えておりましたの」
「どうにかって?」
「里が見つかってしまったではないですか。それで今回、この様な事態に陥ってしまい大変だったでしょう?」
「あーそういえば……時間経ってて忘れてた」
そう言うと里長が疑問符を浮かべた顔をする。それもそうだ、昨晩に聞いたのだが俺とアミリアが跳んでいた
「全く……一晩で忘れてしまったのですか?」
「あはは~凄く大変な夢を見てたからね……」
「さようですか……カミナギ様は大変そうですなぁ……」
「ま、まぁ。それでリリアーナはどうしようと思うの?」
「それなのですが……優希様の世界で良い土地などはございますでしょうか?」
何かとんでもない事を言い始めたぞ?
「えっと……それはこの里を動かすって事?」
「はい、そうです♪ この世界だと
「いや……確かに理屈はわかるんだけどなぁ……」
でも、俺の世界には土地なんて余ってないんだよね、特に人が住める、肥沃で安全な土地かぁ……。
「うーん……その件は保留で良いか? 何にしろ元の世界に帰れないと意味が無いし」
「えぇ、ですが優希様の事ですから、すぐに解決するんじゃないですか?」
「どうなんだろう……でも、なーんとなく道筋は見えてるんだよなぁ……」
「そうなのですね、でしたら早急に城へ戻りましょう。里長、事が解決するまではこちらで手配した兵を常駐させますので安心して下さい」
そう言ってお辞儀をするリリアーナ。
「かしこまりました、姫様。カミナギ様、もう戻られるのですか?」
「はい、城で調べ物と少し悪だくみをしなければいけませんので」
そう言うと起きたのか家の中からアミリア達の声が聞こえ始めた。
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