第14話:砦の完成と指揮官
翌朝、日が昇る頃に皆が起きて来る、昨日あれだけ働いたのに、顔色も良くて艶々してる。
「いやー聖騎士様のお陰で調子が良いよ!」
「あぁ、やっぱり風呂は良いよなぁ……」
「しかも聖騎士様の持ってきた石鹸で髪も艶々だしなんだっけあれ?」
「シャンプーですね! 素晴らしいですよ!!」
ロップルさんが目を輝かせてい言う、シャンプーのお陰で艶々になったショートボブの髪が朝日を浴びてキラキラしている。
「しかし未来の技術は凄いのぅ……」
「でも俺達でも今ある石鹸に香油を混ぜるの位は出来るんじゃねーか?」
「そうだな、帰ったら試してみるか!」
ワイワイと騒ぎながら帰宅後を想像している職人さん達。
「おーし、それじゃあさっさと終わらせて帰るぞ!!」
ギルマスが立ち上がり手を叩く、簡単な食事を食べ終えた者から立ち上がる。
「じゃあ今日も一日よろしくお願いします!!」
「おう、任せな!」
「任せてね!」
「よーし今日も仕事終わらせてひとっ風呂浴びるぞ~!!」
各々仕事場へ散って行った。
「さて……それじゃあ俺も警戒に回って来るかな~」
徹夜明けで軽く眠いけど問題は無い。
(とりあえず第二砦の周辺と、森の一部を見てくれば問題無いかな?)
そんな事を頭の中で考えながらカ〇リーメイトを食べる。偶に食べたくなるこのぱさぱさ感が癖になるんだよね。
「あの……聖騎士様?」
「ん? ちょっと待ってね」
牛乳で流し込んでから聞こえた声に振り返ると、警備の兵士達が集まっていた。
「ぷはぁ……どうしたの、何か問題でも起きた?」
「いえ、特に問題等は……って、そうでは無くて! 本日、に日中の見回りは私達が代わってもよろしいでしょうか!」
「でも、皆には昼間職人さんの仕事手伝ってもらってるし……」
「それに関しましてはグランツ様より許可はいただいております!」
「そっか、じゃあ任せようかな」
「「「「「はい!!」」」」」
「それじゃあ俺は休んでるから何かあったら声掛けてね」
「了解しました!!」
そう言い残すと、兵士の皆は馬の元へ走って行った。
「さて……それじゃあご厚意に甘えて仮眠でも取りますか……」
壁にもたれ掛かって目を瞑るとスッと意識が落ちた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「そーっと……そーっと……よしっ!」
どのくらい寝ていたのだろう……一応敵が来たらわかるように探知結界魔法を発動してたけど特には何も無かった。
「ん? なにか寄りかかってる?」
視線を下に向けると見上げきていたアミリアと目が合う。
「あっ……ゴメン、起こしちゃった?」
申し訳無さそうに、しょぼんとするアミリア。
「あー大丈夫。でも、予定外に寝ちゃったなぁ……」
顔を上げるとほとんどの家屋が出来上がっていて驚いた。
「おぉ! 聖騎士様、聖女様とのイチャイチャは終わりですかい?」
「っつ!?」
「イチャイチャって……ただ添い寝してただけでしょ?」
アミリアを見ると顔を赤くして俯いてた。
「え? 何したの?」
「ヒュッ、ヒューー」
「いや、口笛出来て無いからね? いやマジに脱がしてたりはしてないよね?」
「ちょ!? そんな事する訳無いでしょうが!!」
ゼロ距離で鳩尾に入れて来る、想定してたより痛いんだけど!?
「いてっいてて、結構痛いんだけど!」
「そうよ! この1週間毎日欠かさず鍛えてたんだから!」
顔を赤くしながら言っているアミリアを止め、頭を撫でる。
「そっか、よく頑張ったな」
「うぅ……」
「それで、アミリアはいつ来たんだ?」
「ユウキの起きる少し前……」
「他の人達は?」
見回すと敷地の中には4~500人の兵士が入っている。
「今は私の隊が先行してここまで来たの、王様が率いてる本隊は第三砦の外側に駐屯しているわ」
「王様も来てるのか、数は?」
とりあえず全体が何人くらい居るか判れば良いかな、それに
「おおよそ5000と聞いてるわね、私の近衛が500、ユウキの近衛が500居るわ、王様の隊で1000。他は諸侯だから多くても200~300が直属として居るわね、私達の隊が自由に動けて一番人数多くしてくれてるわ。それと補給部隊は3日後にはここに6部隊に分けた3000が到着するわね」
「驚いた……アミリアがここまでちゃんと把握してるなんて」
「ちょっとそれ酷くない!! 私だって指揮も軍の動かし方も習ったのよ!」
「いやぁ……正直こんなに成長が速いとは思わなかったから……」
「私も驚いたわよ、数年ぶりに勉強もしたし、軍の動かし方もみるみると覚えちゃったんだもの……」
(恐らく能力の恩恵なんだろう、成長幅的にもしかしたら一番の有望株かもしれない)
「凄いなアミリアは。よし、それじゃぁ……隊の細かい兵種って覚えてる?」
「えっとね……騎馬が300、歩兵が150、機工弓が50ね。私とユウキは同じ隊の構成よ」
「そっか、それじゃあ俺の部隊の歩兵と弓兵はアミリアへ預けるかな、700でも動かせる?」
「うっ……やってみないとわからないけど。やってやるわ!」
ふんすと気合を入れるアミリア。
「そっか、それは頼もしい限りだそれで、作戦会議とかはどうするって言ってた?」
「多分明日か明後日じゃないかなぁ……王様も補給部隊が来るまで大きく動かせないって言ってたし」
「そっか、明日にでも砦に向かってみるかぁ~」
「それが良いわね」
「それじゃもう少しゆっくりしてから、見回りに行こうかな……」
「わかったわ、そうしたらその間に私は夜番の準備をしましょうかね」
そう言って体重を預けて来るアミリアだった。
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作者です!
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