第54話:里の会議へ出席

本日はこの作品ついてお知らせがございます……。詳しくは後書きを!

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やたらイチャイチャしてきたリリアーナの着替えが終わり、セレーネの所へ向かう。


「セレーネ、入るよー」


ノックをして部屋に入ると、セレーネはまだ寝ていた。


「セレーネ? もうお昼だよ~」


軽く揺すりながら起こすが起きない。口元に顔を寄せると寝息は聞こえる。


「とりあえず生きてはいるな……」


しかしそろそろ起こさないと会議に遅れてしまう。


「仕方ない……」


上半身を起こして思いっ切り揺り動かす、首がぐわんぐわんしてるけど大丈夫かな……。


「う、うぅ……誰ですかぁ……」


「セレーネ? やっと起きた?」


青い顔をしたセレーネの目が開く。


「ユウキさ……うっ……おええええええええ」


Q.二日酔いの人を極度に揺すり起こすとどうなる?


A.朝から虹がみられました。


「すみませんでしたぁ!」


諸々洗った後、外にシーツなり服なりを干し、その後はセレーネに回復魔法を掛けてあげた。


「この子は……本当にすみませんでした……」


セーレさんが申し訳なさそうに頭を下げる。レレイさんはもう会議の場に行ってるので今はセーレさんだけだ。


「いえいえ、寧ろ俺で良かったですよ。魔法で洗濯も出来るし綺麗にするのも楽ですから」


綺麗な話では無いが水魔法で覆ってしまえば、基本的に掃除がとても楽で濡れた床も簡単に綺麗に出来る。


「うぅ……すみませぇん……」


「とりあえず、セレーネは今後ちゃんと起きれる範囲で飲む事ね」


「はぁい……」


今後お酒の場でやらかさない様に注意する。


「まぁ、俺達の世界じゃセレーネの年齢じゃお酒は飲めないけどね」


「うぅ……それならあんしんですぅ……」


「いや、こっちの世界でも飲み過ぎないようにね……」


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから遅れて会議場となっている族長さんの家に到着すると既に話し合いは……始まっていなかった。


「二日酔いで全滅してますね……」


「そうだね……とりあえず……『——広範囲回復エリアヒール』」


全員に回復を掛けると皆の顔色が良くなった。


「すまない、助かった……」


「いえいえ、皆さん二日酔いで良かったです、それでお話は進んでるんですか?」


「「「「「…………」」」」」


全員が顔を見合わせて黙ってしまう。


「わかりました……それで侵入者についてわかってる事を教えてください」


「わかった……」


それからはリリアーナに聞いた事と同じ様な内容ばかりだった。


確実な点は。

・集団で侵入している。

・魔族と人間。

・少なくとも村の男衆よりは強い。

・幸い攫われた人はセレーネ以外居ない。

と言った事だ。


「来るタイミングもバラバラ、かといって正確な人数の把握は出来ていないのか……」


「最近だといつ来たんですか?」


「半月前じゃ……」


「そっかー」


「結構前ですね……」


ともかく本当に1つの組織なのか、人間に似た魔族を見間違えたか。そこら辺をしっかりしていきたいな……。


そんな事を考えていると唐突にドアが開けられた。


「た! 大変だ! 姫様と子供達が攫われた!!」


血まみれの住人が慌てて飛び込んで来て叫ぶ。


「何じゃと!?」


「子供って……まさか、学校をか!?」


「そうだ……」


「そんな! うちの子が!?」


「クソ!!」


次々に言葉を荒げる住民達。するととある一人が俺に向く。


「なぁ、カミナギ様は姫様の旦那なんだろ! 心配じゃないのか!?」


声を荒げて俺に聞いてくる。だけどあんまり心配してないんだよなぁ……。


「うーん、リリアーナがそう易々と捕まるタイプじゃないからなぁ……」


「そうですね、リリアーナ様って正直私の数倍は強いですからね」


「えぇ……」


なんかドン引かれててる。実際リリアーナ倒すならひたすらに飽和攻撃を浴びせるか再生不可能まで致命傷与え続けるしかないからな。


「となると、わざと掴まってるな……」


「なんとなく私もそう思います……」


ウッキウキしながら掴まっているリリアーナを思い浮かべる。まぁ大丈夫だろ、今朝めっちゃ血を飲んでたし。


「まぁ、リリアーナの魔力は感じるしこのままアジトまで連れてかれるつもりだろうな……」


「ですね」


「じゃあ、戦いに行く準備するか……」


「ユウキさん! 私も行きます!」


意気揚々と立ち上がるセレーネ、それを制止する。


「そうして欲しいのは山々なんだけど。もしこれが誘導なら里の防衛が必要になるからね。セレーネには防衛として残ってもらいたいんだ」


そう言うとしゅんとしてしまうセレーネ、ここは納得してもらいたいんだけど……。


「それでしたら、我々にお任せ下さい」


「族長さん?」


「昨日行った祠に皆で避難しております、もし襲撃があってもそこでしたら大丈夫ですから」


「わかりました、灯りとかは置いておきますので使って下さい」


空間収納アイテムボックスから魔石ランタンとか懐中電灯を取り出す。


「じゃあ皆の避難が終わったら出発しようか、セレーネは準備を」


「はい!」


「俺も準備を、っとその前に……怪我人の回復に回ろうか」


飛び込んで来た人に回復魔法を掛けて立たせた。


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作者です!

この作品ですがカクヨムコン読者選考(中間選考)突破しておりました!!

これも皆様のおかげです!!


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