第7話:貴様は一体、何なんだ!?

それから3日程経った夜、いつもの服から着替えたアミリアとレナ、そして俺が大聖堂の化粧梁けしょうばりの上に居た。


「それじゃあ準備は良いかい二人共?」


「「はい!」」


今日は半年に一度の大礼拝が行われる日で。大聖堂には沢山の司教や信徒が集まり、その前で教皇が演説を行っていた。


「――であるからして我々は魔王との国境線から人々の繁栄を取り戻す為! 勇者を召喚しました!!」


教皇の大げさなリアクションに人々が感嘆の声を上げる。


「じゃあ、作戦開始だ!」


三人共飛び降りて浮遊魔法でゆっくり降りていく、目に入れたマリアン特製のコンタクトと魔道具を発動する。


目の中に星が現れ背中に三対六枚の翼が開く、アミリアとレナは一対二枚の翼だ。


すると気付いた一人の司教が慌て始める。


「君! 何をしているんだ! 今は主に祈りを捧げる……じか……!?」


あ、目が合った。


そうしてアミリアを模した神像の前で静止する。


「やぁ神の意志を曲げ、己の享楽のために神の名を偽る教皇さん……」


「なっ……なっ……!?」


「マリアン様……いや、アストマリウス様のが皆は聞き覚えが良いだろう」


「貴様! 何者だ!?」


「見てわからないか? アストマリウス神の使者だよ」


そう言うと、多くの司教は、椅子から降り膝を着く。


「んなぁ!?」


教皇も状況を理解したのか慌てて膝を着く。


「神は見ておられた、貴殿の悪行も、そしてお怒りだ、特に勇者を己が私欲の為に良いように使おうとする姿をな」


「そ、そんな事は!?」


「何より、神から与えられた使命を勇者に告げず、偽りの使命を与えた事は最も罪深い……」


「そ、それは言葉の綾で!! 魔王を打ち倒してから、邪神の討伐を命じるつもりでした!!」


「ほう? では勇者に問う、貴殿らに与えられた命は何だった?」


三人の勇者に視線を向けると、顔を上げて答える。


「俺は、貴方様の後におられる者達の排除を……」


「僕も、同じく。国家転覆を行う犯罪者だと……」


「私も、神の神子みことは知らず、排除を命じられました……」


その三人の言葉に顔色が目まぐるしく変わる教皇。


「という事だ、何かいう事は?」


「ぐぬぬ……」


そうして、しっかりと目が合うと教皇ははっとした顔をして喜びに顔を歪める。


「貴様はあの雑魚勇者!! 神の使徒とは偽りだ!! 神の名を侮辱する奴を討ち取れぇ!!」


鬼の首を取った様な、どっかの白馬の将軍様の時代劇に出てくる小悪党の様に聖騎士を呼び寄せる。


「勇者よ! お主たちも働け! あの神の名を語る奴を打ち取るのだ!!」


すると三人が武器を手に立ち上がる。


「来るなら来い、神の名の元に正しき道へ戻してやろう」


そのまま下に降り、この国の宝剣を取り出す。


「んな!? それは、神から与えられた宝剣何故貴様が!?」


「だから言ってるだろ? 神から与えられたんだって」


「ええい! 殺せ!! あの小僧はレベル200、聖騎士は400! 勝ちなどないわ!!」


そう言うと聖騎士たちが詰め寄って来る。


「——ふっ!」


風魔法を使い、翼で暴風を起こした様に見せかけ、聖騎士達を吹き飛ばす。


「「うわぁぁああ!」」


「「ぎゃあああああ!!」」


「本当にそのレベルだと思ったのか? だったら節穴も良い所だ……」


「クソ!! 勇者達よ排除しろ!!」


「「はあぁぁぁぁあ!!」」


猛とカレブの攻撃を受け止め弾き返す、その隙に着ている鎧ごと派手に切り裂く。


「——ぐはっ……」「——ひぐぅ……」


「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」


頼みの勇者が一撃で倒され尻餅をつく。


「デヴィッド!! 破壊しても良い!! 私を守れぇぇぇぇぇ!!」


そう言うとデヴィッドが、多種多様の魔法を放ってくる。


「————無駄な事を……」


大きく振りかぶり魔力を込めた一薙ぎで、全てを斬り払いでデヴィッドごと両断する。


「何なんだ!! 貴様は一体、何なんだ!?」


「言ってるじゃん、神の使徒だって……」


片手に剣をぶら下げ近寄る、するとわたわたと抜かした腰で這う教皇。


「わ、私は教皇だぞ!!」


「そんなに熱心なら神の御許へ送ってやろう……」


剣を振り上げる、その瞬間。割り込む声がした。


「使徒様! お待ちくだされ!!」


1人の司教が駆け寄って来る、法衣は擦り切れ所々繕いがみられるくらいの格好だが足取りはしっかりしている。


「何者だい? 俺を止める権利は無いはずだ……」


「使徒様! この度は私たちの不始末、その御手おてをわざわざ悪しき愚者の血で染める必要はございません!!」


「レノス、貴様ぁ!! いうに事をかき私を悪しき愚者だとぉ!!!」


魔力を込めた威圧を二人に飛ばす、教皇は失神し、他の司教は腰を抜かす。


「ほう……貴殿は中々に見どころがあるな」


「もったいなきお言葉……」


「だったら、この愚者をどうする?」


「我々の元で、罪を償わせましょう!」


「わかった、ならば貴殿に今から教皇の地位を与える、これは我が神マリアン様よりの命だ」


「はいっ! この上ない有難き幸せ!」


「そして、この二人を神子みことし敬う事を忘れるなよ」


アミリアとレナを隣に降ろし、一歩下がる。


「はい! 必ずやお護りします!」


さて、ここからが今回の大一番だ。


「では最後に神の奇跡をみせよう『戦いの中で散り、悔い残した者よ、その魂を神の奇跡をもって呼び戻そう!————リザレクション』」


蘇生魔法で、三人の勇者を蘇らせる、すると奇跡を目の当たりにした司教たちが皆涙を流して崇め始める。


「では、私は行こう、神はいつも見守ってる故、正しき行いをするように……」


そう言い残して転移でマリアンの元へ転移した。


あーーーー肩凝った……。


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