|幕間|②:攫われた少女は、世界一幸福な夢を見る・上 ※残酷表現有

長くなったので2部に分けます!後編は明日の朝に!

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「クソガキが!! 死ね!!」


飛んできたそれは額に当たり砕け散った、今日はガラスコップだったので額が切れて血が溢れてきた。


「チッ、床を汚すんじゃ! ねえっ!!」


「ひぐっ……うぅ……」


蹴り飛ばされ、踏みつけられる。


それを私は小さく丸まり耐える……。


耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える耐える……。


いつしか外に放り出され、地面に横たわっていた。


(良かった……冬だったら死んでた……)


のそりと起き上がり、ふらふらと歩き出す。


(今日は、何か食べられるかな?)


商店街やコンビニのゴミ箱を漁り、その日の食事にありつく。


以前子ども食堂に行った時は、保護されて大変だった。


商店街の人から貰ったパンを公園でモソモソと食べる、口内が傷だらけなのでしみるが気にしてられない……蛇口で水を飲みながら食事を済ませる。


(お父さんの機嫌が直るまで、何してようかな?)


公演から出て、お巡りさんに見つからない様に路地裏を進んでいく、もし補導されたらと思うとゾッとする。


そうして、廃材の隅で縮こまり眠る、特にすることも無いし夜は寝かせて貰えないからここで眠るしかない。


そうして夕方まで時間を潰すと家に戻り、の相手をする。


(いっそ死ねたら……)


首を絞められながら思っていると、満足した男が私がら離れていく。


身体を洗い流し、緊急避妊薬大ごとにならない手段を飲む、そうしてる間にも父は客から得た金を満足気に数える。


「おい、クソガキ。今日はもう一人客が来る。準備しとけ」


その言葉に何の感情も湧かずに私は、準備をする。


(あぁ……こんな毎日がいつまで続くのだろう……)


◇◆◇◆◇◆◇◆

そんな絶望した毎日を過ごしていたある日、残飯あさりに行っていた私は気付いたら船の中に乗せられていた。


「一体、ここはどこ?」


周囲を見ると私と同じような年の子供達が眠って居た、皆一様に猿轡を噛まされ、両手は手錠で拘束されていた。


そこで一目見てわかった、私達は攫われたのだと……。


気分が晴れやかになった、あの地獄に帰る必要が無くて良いんだと……。


それからしばらくして皆が起きた頃外が騒がしくなった、そして壁を壊し男の人と女の人が入って来た。


「『——鑑定』うん、この子達攫われた子達だ」


「やはりですカ……優希さン、爆弾とかは?」


「大丈夫、鑑定で調べたけど、身体や持ち物にはついて無いよ」


「わかりましタ、それでしたらここから逃がしましょウ」


「そうだね、皆立てるかい?」


そうして私達は船の上に連れて来られ、皆でお菓子を食べていた。


その後、大勢の人達がやって来て、二人は帰って行った。


(あぁ……また地獄あそこに連れ戻されるのか……)


そう思っていたら、私達は目隠しをされ乗り物へ乗せられた。


数日かけ辿り着いたのはまた、灰色の部屋だった。


何を言ってるかわからないが新しく人が入って来る、そうして時たま大人に連れられ子供が減る、泣いて戻って来る子も居ればそのまま帰らなかった子も居る。


(あぁ……ここでも私はされるだけか……)


その行為の意味が分からない子供もいれば。それを知っているか、知ってしまったが故に狂ってしまった子も居る。


そうして新しい地獄に居ると、またあの二人組が現れた。


年長者の男の子と話をしている、そうして手を繋ぐ様に言われた直後、私の視界が切り替わりどこかの大きな部屋へ飛ばされていた。


「ユウキ様!」


男性に女性が飛びつく、何とも幸せそうに会話をしている。


それから私達は治療をされ、あった事の次第を話していく。


中には泣き出す子や、フラッシュバックが再発して、隔離される子が何処かへ連れて行かれた。


そして、あの男性が何度か私の元へ来て治療をしてくれた、いつしか彼に今まであった事を話すようになった。


「許せないな……」


そう言って彼は私の為に怒ってくれた、泣いてくれた、私には最低な父親しかいなかった、彼が父親だったらと何度も思った。


そして彼には奥さんがいっぱい居て、彼の奥さん達も私に優しくしてくれた。


いつしか、私の目の前から消えていたお母さんの温もりを思い出して、沢山泣いてしまった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


そしてある日、彼が呼んでいるという事で施設から車に乗せられた。


「急にごめんね、でもこれをやらないと、君に報告が出来ないから」


車が辿り着いた所はあの自宅地獄だった。


その門構えを見た瞬間、胃から酸っぱいものが沸き上がり彼の服を汚してしまった。


(あぁ……やってしまった……)


嫌われたくない人に粗相をしてしまい逃げ出したくなったが、彼は優しく抱きしめて背中を撫でてくれた。


すると不安な気持ちや嫌な気持ちが全て消えて行った。


「ごめんなさい……ごめんなさい……」


「大丈夫、落ち着いて、今日は君をここに戻しに来たんじゃないから」


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作者です。

何か胸糞悪くてすみません……

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