第41話:ミュリの迎えに冬華とダンジョンへ
それから昼食を終え再度、テストや補講に戻る。そして本日のカリキュラムが全て終わり理事長室へ戻って来た。
「皆様、お疲れ様です。どうぞこちらへ」
「ありがとうございます、久々の勉強で疲れました」
促された椅子へ座り、理事長さんへ向き直る。
「そうしましたら、エアリス殿下とエンバレンスさんのテスト結果は明日ですね、それに応じて補講をするか、そのままクラスに編入といった形にさせてもらいます」
「わかりました」
「ん、了解」
「それで上凪さん達ですが、本日は駆け足で補講をさせていただきました。その報告も受けております、ですのでとりあえずの予定としましては、今週1週間は補講での不足分の補完やを受けてもらいます、その後通常の授業に復帰という形になります」
「わかりました、ご丁寧にありがとうございます」
「いえいえ、ここは探索者の育成学校ですが、それと同時に学業もしっかりと学ぶ所ですから」
そう言って理事長は「ハハハ」と笑っている。
「それじゃあ、明日からの頑張りを期待してるよ」
と言って理事長は帰り支度を始めた、いいのか理事長。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから鈴香は神楽組の皆と、レッスンをしてから帰るとの事なので学校で別れた。
一方俺達は家に帰るのと、ミュリを迎えに行く組で分かれる。
「それじゃあ、耀と春華、エアリス達を頼んだ」
「ほーい」
「わかりました」
「ユウキ様、ミュリを頼みますね」
「ん、いってらっしゃい」
「行って来る、ほら冬華掴まって」
そう促すと冬華は腕にひっついてくる、これが最近成長中の感触か……
「えへへ~じゃあ皆! 行って来るね~」
ミュリの魔力を頼りに【転移】を発動する。
「ほい、到着」
「はや~い」
「おっ。ユウキ、やっと来たか」
一瞬で目の前の景色が変わり、ミュリの隣に転移する。一人で行って心配だったが、ピンピンしている。
「ミュリおねーちゃん元気だね~」
「これでも、近衛騎士団長だからな」
「それでここは、どこまで潜ったの?」
「中級の8階層だ、そこまで来てスマホが鳴ったからな、待っていた」
「そっか、ここって何階層迄あるんだっけ?」
「9階層だな、この階層を抜ければ最奥だ」
時間を見ると18時を回った所だ、急げば行けるか……
「冬華、このまま一気に、最奥まで行こうと思うけど良いか?」
「OK! むしろそう来なくっちゃ!」
俺も自分の空間収納から、装備一式を取り出す。
「あっ」
「ん? どうしたの~?」
「靴忘れた……」
「そうか、ユウキ達は学校の帰りだったな」
「そうなんだよ……どうしよう……」
ローファーでやると壊れそうだから、取り戻るか悩んでいると、隣から俺のいつも履いてる靴が差し出された。
「まったく~しかたないなぁ~お兄ちゃんは~」
「え? この靴って?」
「いざという時用に、買っておいたのだ~」
「ありがとう、冬華助かったよ!」
靴を受け取り空いている手で頭を撫でる、すると顔を赤らめつつ喜んでいる。
「むぅ……私も優希の靴を買っておくべきか……(ブツブツ」
いやそんなに何足もいらないからね……次からは空間収納に仕舞っておくし。
そして冬華から貰った靴を履き履き心地を確かめる。
「よし、大丈夫だな。準備完了!」
「うむ、それじゃあ行こうか」
「レッツ踏破!!」
そうして急遽ダンジョン攻略が始まった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
とは言っても、冬華とミュリのコンビネーションを、カメラマンをしつつ後ろで眺めてるだけなのだが。
「はああああああ!!」
「いくよっ!!」
ミュリが切り込み、その隙を狙った相手を冬華が撃ち落とす。
小型のオーガも二人で軽々と倒していく。
ということで二人がなぎ倒していくのを眺めつつ、1時間程ダンジョンを進むと最終階層への階段が現れた。
「これで報告だと、最終階層なんだな」
「あぁ」
「それじゃあ行こう」
「おーっ!!」
傍から聞いたら、なんとも気の抜ける返事だが、もう慣れたもんだ。
最終階層は途中で階段が途切れていた。
「これはあれだよな……明らかにボスが壊したよな」
仕方ないのでミュリを抱えて飛び降りる、冬華には待っててもらう事にした。
すると底から、10メートルを超える大蛇が、複数体現れた。
「「「「キシャアアアアアアアアアアア」」」」
「冬華!!」
「任せて!! はぁ!!」
飛翔魔法で飛び上がり、空中より矢を射かける冬華。
「ほらっ! こっちだ!!」
そこに合わせてミュリが大蛇の肌を切り裂く。
「ギシャアアアアアア」
「クソッ」
「っとと、大丈夫か?」
じたばた暴れた蛇の攻撃によって、飛ばされた来たミュリをキャッチする。
「ありがとう、ユウキ」
「それじゃあ俺も、戦うか」
魔力を纏わせた刀で、飛び込んで来た大蛇を真っ二つにする。
「シャアアアアア!!」
「はああああああああ!!」
ミュリも俺と同じ様に魔力を纏わせた剣で、大蛇を横薙ぎに真っ二つにする。
そんなミュリを攻撃しようと飛び込んで来た大蛇は冬華の攻撃で地面に縫い付けられる。
「はぁ!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
そうしておおよそ10分程でボスは片付いた。
「これで良しっと」
魔石を抜いて、牙を外した大蛇が灰になる。
「よし、それじゃあ下に降りようか」
ミュリを抱え冬華と共に降りていく。
一番下に到達すると、最奥に繋がる扉が目の前にあった。
扉を開けて入ると、最奥の証明であるダンジョンコアがあった。
「よし、コアも取ったし。帰るか」
「はーい」
「わかった」
そのまま二人と手を繋ぎ【転移】で帰宅した。
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あとがき
作者です。
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読んでいただける方、ありがとうございます!
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めきめきと順位を上げております!!感謝!!
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