第8話:上級ダンジョン攻略前日

白鳥さんを仲間に引き込んだ翌日、俺達は諏訪まで来ていた。


諏訪湖の眺望を望める山で、俺達はグランピングを楽しんでいた。


「ふぅ……寒い」


「そうね~昼間は暑いのに夜はかなり寒いわね………」


耀と二人でテントの外に出て星空を見上げる。


諏訪湖周辺の明かりもあるが東京より遥かに星が良く見える。


「皆も、もったいないよね~こんな綺麗なのに……」


「まぁエアリス達は向こうの世界で星空は見慣れてるし、春華とメアリーは夕食を頑張ってくれたし、冬華とユキはすずめちゃん見ててくれるからね」


因みに他のメンバーの大部分は、現在お風呂に行っている。


「それにしても、優希は昨日、大変だったわね……」


「白鳥さんも交えて下着の品評会を、させられるとは思わなかった……」


あの中学時代の物静かな感じはどこに行った?ってくらいのテンションの高さでヒカリ達の下着姿を品評していた。


「感想地獄というのは恐ろしい事なんだなーって思った……」


「流石に、ショッピングモールで秋物、自宅で下着の感想を全員分しかも、何回も言うとなると流石に語彙力が無くなってたわね」


「でも可愛いと思うのは本当だから……」


「そんなの皆わかってるわ、半分くらい皆で優希をからかってるもの」


「えぇ……」


「そりゃ感想もらえたら嬉しいけど、普通に『可愛い』とか『綺麗だ』とか『愛してる』で十分嬉しいわよ」


「最後は服に関係ある?」


「兎に角機会があったら言いなさいって言ってるのよ~」


そう言って耀が、ミルクティーのペットボトルでわき腹を、ぐりぐりしてくる。


「ちょっ……くすぐったいよ」


「ほれほれ~ここがええんか~」


二人でじゃれ合っていると、風呂上り組がやって来た。


「あーまたおにいちゃんが、耀おねーちゃんといちゃついてる~」


「わわっ、冬華お姉様、まって下さい~」


ユキが初めてのヒールで、若干走り辛そうにしながらこちらに向かってきた。


「あれ?二人共すずめちゃんは?」


「ねちゃったよー鶫おねーさんが来たから、引き渡して今はあっちのテントで寝てる」


そう言って指をさす先にはいつの間にか明かりがともっていた。


「そうか、ありがとうね冬華、ユキ」


ユキと冬華の頭を撫でる。


「大丈夫だよ~元々、道場に来てたちびっこの面倒とかは、よく見てたからね」


「大丈夫です!私も気に入られてるみたいですし!」


「そうだね。すずめちゃんは、ユキの事すごく気に入ってるからね」


「そうそう、つぐみちゃんが『あーしより、姉妹っぽいんだよなぁ……』って寂しそうに言ってたし」


「まぁ白鳥さんは、昨日見てた感じ『お母さん』感が強いからね……ちゃんと駄目な所は叱るし出来た所はちゃんと褒めてるし」


「ご両親が海外に行ってるから仕方ないよね、それにすっごく真面目だし……」


「確かに、見た目と違ってすごい真面目だよねー」


「はい!昨日私の服を直してくれましたし!」


「鶫ちゃんは真面目過ぎて、ギャルも真面目にやったからあんな感じなのよ……まぁ当人はギャルといったら日焼けでしょって言ってたのよね、それで頑張って焼いたみたい」


「成程……ちょっとズレてるおねーさんなんだね」


「そうなの、真面目だから極たまーにしか起こさないんだけどね」


「なんでそこで大暴投しちゃったんだろうね……」


「ほんとよね……思わず『最近のギャルは肌白いから!』ってツッコミ入れちゃったわよ」


「あはは……」


そんな話をしていると皆が帰って来たのでお風呂へ向かった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


そして翌日、皆で上級ダンジョン【大諏訪ダンジョン】の目の前に集まっていた。


「それじゃあ行ってくるよ」


「気を付けてね」


いつもと変わらない様子の耀に背中を叩かれる。


「ユウキ様、気を付けて下さい……」


凄く不安そうな顔のエアリスが両手を握ってくる。


「おにーさん、無事に帰って来て下さい……」


「おにーちゃんなら大丈夫だと思うけど……無理しないでね」


春華と冬華が抱きついてくる。


「優希さん無理しないで下さい」


鈴香が抱きついてくる。


「旦那様、無事のお帰り、お待ちしております」


そう言って何時もメアリーが肌身離さず持ち歩いてるベレッタM92を渡してくる。


「ユウキ、皆何よりお前の方が大事なんだ、無理はするなよ」


ミュリが珍しく不安そうな顔で言う。


「ユウキお兄様!頑張って!」


不安そう、だけど元気に俺を応援するユキ。


「優希さん、帰ってくることが第一ですよ!」


珍しく語気を強めて言ってくる巴。


「優希さんお帰りお待ちしてますね♪」


綿貫さんがいつもの笑みで。


「上凪君、無事に帰って来てくださいね、会社の為に!」


珍しく、真面目な白鳥さんが冗談を言って。


「おにーちゃんがんばれー♪」


すずめちゃんはお手製の旗を振りながら。


そして最後に……ユフィ……なんだその量の荷物は……


「今までするーしてたけど……ユフィさんその荷物は何でしょうか?」


「ん、実験品。優希に試してもらいたい」


これは……ボディカメラ?


「これは何?」


「魔法で動くビデオカメラ、試作品」


「これは?ランタンみたいだけど……」


「それは、明かりと防御魔法を組み込んだ魔道具、魔石の入れ替えが必要だけど、一回で半日は持つ、寝る時に使って」


「それでこれは?寝袋?」


「ん、温度自動調節寝袋、使い方は暑かったら涼しく、寒かったらあったかくなる」


「そうか……ありがとう……んで最後のドラム缶は?つまみが付いてるけど……」


「ん、お風呂、水は水魔法で温度は自由に調整可能、ここのつまみで調整して……」


「凄いもの作って来たな……」


「ん、快適なら装備品として売り出すから」


「わかった……ちゃんと使ってみるよ」


「それと」


「ん?まだ他に試すのがあるの?」


「違う、無事に帰って来て」


そう言ってユフィが抱き付いてきた。


「わかった、無事に帰ってくるよ」


そうして俺は行ってきますと告げダンジョンへ潜り込んだ。



---------------------------------

あとがき

作者です。

忙しくて遅れてしまった!すみません!!


75万700PV超えました!!感謝!!

昨日は3900PVでした!うおー低下しまくりww


読んでいただける方、ありがとうございます!


♡も1万6100!超えました!毎日ありがとうございます!!

コメントもありがとうございます!

☆ありがとうございます!!!!

☆750超えてました!!!感謝!!


☆もらえるとランキングが上昇して作者のメンタルが復活するのでくれると嬉しいです!!



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