第1話:異世界最終日
鈴香の武術大会や、俺の胃が痛くなる模擬戦が終わり。先に帰国した親達の送るのが終わった後、お祭りデートやら遠乗りをしてついに異世界最終日になった。
「それじゃあ、行きますね」
「そうじゃの、いつでも来ると良い、待っておるぞ」
「エアリス、ちゃんと励みなさい!!第一子は男の子でね!!」
「お母様……気が早いです、私も向こうの世界で、色々と楽しみたいのですから……」
「ミュリよ。跡継ぎは心配しないで自由に過ごしなさい、今まで騎士に縛られて来たお前には自由になって良いのだぞ」
「お父様……言うのがだいぶ遅いです、大体私のいない間に跡継ぎをこさえるなんて……」
「まぁまぁ……ミュリさん、経緯はどうであれ私は旦那様のお子を産めて嬉しいのですから、それに尊敬するアウリエ様と同じ家庭に入れるなんて!!」
そしてアウリエさんに抱き付くミレフィアさん、まさかそっちが好きすぎてミュリの弟を産むなんてなぁ……
「とゆう事ですミュリ……家督とかは心配しないで良いですよ、それに……優希様ありがとうございます、お陰で身体が軽いです」
「いえいえ、こちらこそ力になれて良かったですよ」
実は一昨日アウリエさんが腰をやってしまい回復したんだけど……身体の調子が良くなりお肌も若返り夜の方も元気になったらしい、だからアルファエルさんあんなやつれてるんだ……
「ユフィよ……研究も良いがちゃんと妻の務めをこなしなさい」
「ん、大丈夫、夜のお仕事頑張る」
「全く……ユウキ君に、余り迷惑かけるんじゃないぞ……」
「大丈夫、いっぱい学んで来る……」
「ユフィ……」
里長が天を見上げて溜息をつく。
「あはは……大丈夫ですよ里長。ユフィはやる時はやりますから」
「それはそうなんだが……まぁどうか愛想尽かさないでやってくれ……」
「わかりました、逆に俺が愛想尽かされそうだけどね」
「大丈夫、ユウキを愛してるから」
そう言ってぴったりとくっついてくる。
「クフフ……次来る際は妾とも殺り合おうぞ」
「相変わらず怖いんですが……」
「ユキ!何かあったらちゃんとユウキを頼るんだぞ!それと……」
おろおろしながらユキの荷物を確認するガリウス……珍しいな。
「凄い……ガリウスがちゃんと父親してる」
「うるせぇ!俺だって娘は居るけど新しく娘になった奴にも愛情は注ぐぞ!!」
「あはは……意外と子煩悩なのが知れて良かったよ……」
そして皆が各々話し終え集まってくる。
「それじゃあ向こうの世界に戻ろうか」
「「「「「「はーい!」」」」」」
神様から貰った転移の札を発動して自宅に飛ぶ。
「よっと……はい到着!」
「いやー帰って来たわね……」
「楽しかった~」
「まず部屋に荷物を置いてきますね」
「私も先にシャワー浴びてきますね」
「私は……」
「鈴香ちゃんは今日は私の部屋に泊って良いわよ~今からだと遅くなっちゃうし」
「ありがとうございます、お言葉に甘えますね」
「それじゃア、今日は出前を取りますネ、お寿司ト……ピザにしましょウ」
「メアリー、お願いするね」
「畏まりましタ、旦那様」
「ここがユウキ様の世界……」
「見た事無いものがいっぱいです……」
「ユウキユウキ!なにあれ!」
ユフィが指差した先なんか玄関の奥に、見知らぬ段ボールが山のように置いてある。
「あーあれね段ボールはわかるよね。多分、宅配が届いてるから、綿貫さんが玄関に入れててくれたんだね」
「そうなんだ、開けても良い?」
「駄目だよ!?」
「そう……」
「ユウキ、確か……この世界は土足厳禁だったな……」
「全部が全部脱がなくても良いけど、家に入るとこういった玄関があるからここで脱げばいいよ」
「ユウキ様、私たちの部屋は?」
そうだね、こっちになるよ。
部屋を出て、向かいの部屋に行く。
「ここがエアリス達の部屋だよ、普通の部屋だから魔法は使わないでね」
「わかりました」
「わかった」
「ん」
「わかりました!」
今回は普通の鍵で開ける、倉庫として使っていたが中は綺麗にされて家具も揃えられている。
「とりあえずはここがエアリス達の部屋になるけど……付いて来て」
皆で靴を脱ぎ部屋に上がる。
「まずここがリビング、皆でご飯を食べたり寛いだりする場所だね、家電の使い方は今後教えるね」
「家電……魔道具ですね」
「ん、使い方は辞典で読んだ任せて」
リモコンを手に取ってテレビを点ける、皆突然に音にびくっとする、ユキなんかは耳がピーンと立っている。
「ユフィが説明してくれてなかったら、危うく取り乱すところだった……」
「そうですね良かったです」
「ユウキ様!!あれ美味しそうです!!」
ユキが指差したのは丁度肉厚なハンバーグが鉄板の上で踊っているハンバーガー店のCMだ。
「じゃあ今度食べに行こうか」
「良いんですか!?ありがとうございます!!」
そして三人は車のCMに夢中だった。
「すごい……」
「そうですわね……辞典で見た時は絵でしたのでわからなかったですが、凄いですわね」
「この世界にはあのような物が数多く走ってるのだな……」
「おーい三人とも次の部屋に行くぞ~」
そうして三人に寝室の使い方やトイレの使い方を教え、俺の家に戻った。
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次回
異世界組VSお寿司
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