|章間|:武術大会(鈴香編)①
今回はエピローグでも言ってた鈴香の武術大会でのお話です。
---------------------------------
◇神楽坂 鈴香side◇
結婚式の翌日、私は魔法鎧を身に着け、沢山の兵士や騎士、探索者の中に紛れていた。
事の発端は結婚式の前日に遡る、久しぶりに会った両親は私を見て大泣きした。
謝られ、泣かれ、そしてまた謝られ、正直許したくない気持ちと、両親に久しぶりに目を向けられた事により許す気持ちが出てしまい私の中でぐちゃぐちゃになってしまった。
そんな時、偶然訪ねてきたティアニールさんに。
「クフフ……それなら妾が出ても問題無かろぅ……その様な愚か共にリンカの祝いの義を任せられるかどうか怪しいものじゃ……」
という成り行きでエスコート役をお願いしてしまった。
ただその際に……
「そうじゃのぅ……真龍たる妾が隣を歩くのじゃ……当然、知らぬ者からは不満が出る、故に他の者達にも認められる器であれば問題無かろぅ……丁度良い催し物のある故、これに出て優勝してくるの丁度よかろうて」
そうしてどこからか持ってきた武術大会のチラシを出してきた。
「わかりました、頑張ります!」
「クフフ……良い返事じゃぁ……」
そして今日、ティアニールさんと両親が貴賓席で見ている。
大会の抽選は事前に行われていて私は1回戦からの出場だ、予選はティアニールさんがゴリ押しで免除させたらしい。
『第一回戦、第一試合!リンカ選手対ミロウ選手、舞台の上へ』
拡声魔法の魔道具を持っている司会が私を呼んだ。
「さて……頑張りますか……」
上がった舞台の上で相手選手と相対する、貴族っぽい人だ、なんだろう……弱そうなんだけど……。
『制限時間は5分!リングの外及び戦闘不能で敗北!決着がつかない場合は2分の休憩ののち再度5分間の戦闘で決着を付けます!対戦相手が死亡した場合は問答無用で失格とします!』
司会の人が簡易的なルールを話す、よく漫画であるルールだ。
『それでは、試合開始!』
「さあ見せてやろう!我が家に伝わる―――ひぎゃぶ」
「あっ」
思い切り顔に膝蹴りしたらすっ飛んで行ってしまった、大丈夫かな?
会場が静まり返り、静寂が訪れる、えっと良かったんだよね?
遠くでお腹を抱えて必死に笑いをこらえてるティアニールさんが見えた。
『はっ……え?えっと……リンカ選手の勝利です!!』
「「「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」」」
「すげえな!あの嬢ちゃん!」
「でも相手が弱そうだったし」
「馬鹿言え!あれだけ人が飛ぶんだぞ!嬢ちゃんの実力だよ!」
「つか……あんな鎧の騎士居たか?」
「あのマントの柄どこかで……」
そう口々に観客が騒いでいるが気にしないで簡易テントに戻る。
すると今まで見向きもしなかった選手達がじろりと見て来る。
気恥ずかしくなったので隅に座ると隣に居た獣人の女性と目が合う。
ニコニコとしているが、目踏みされている……この感じ両親に成果を見られるときと同じ感じだ。
「あの……何か?」
波風立てない様に声を掛ける。
「いや……すまないね、貴女みたいな可愛らしくて、ひ弱なお嬢ちゃんがよくもまぁ出たんだと思ったのさ」
「あはは……これでもそれなりに腕に覚えはあるので」
「ははは!見ればわかるさ!それより……楽しみだね戦うのはさ!」
そう言ってお酒を
それからというものの……
『第2回戦、第一試合!リンカ選手対ロランド選手』
「————ひょぎょん!」
『第3回戦、第一試合!リンカ選手対ズラル選手』
「――――ぎょひん!」
『準々決勝、第一試合!リンカ選手対パトリク選手』
「———かふっ」
『準決勝、第一試合!リンカ選手対トシュ選手』
「————ごばぁ」
とまぁ弱すぎて話にならなかった……準決勝は少し時間がかかったけど、全試合30秒もかからなかった。
『では参りましょう!決勝戦!』
「「「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」」」
『先にこちらを説明しないといけませんね!すべての試合は30秒以内!どんな選手もほぼ1撃!こんな強い
あの司会の人何言ってるんですか!!!全く!抱かれるなら優希さん以外はノーセンキューです!
顔を赤くしながら舞台の上に上がる、相手は1戦目の後に話してきた獣人の女性だ。
『対するアビラ 選手は全試合、獲物を抜くことなく、全て片手で倒しています!その力強さたるや巨体の獣人ですら軽々往なしてしまう!しかもお酒は手放さない!それでも強い!あの剛腕で組み伏せられたい!!たまんねぇです!!』
司会の人大丈夫かな~なんか性癖が漏れ出してるんだけど……
「はははは!!やって来たかお嬢ちゃん!勝ったら一晩相手してもらうぜ!!」
着てる着物を脱ぎ捨て袴にさらしの状態になる、そして司会の人が言うには初めて獲物を抜いたらしい。
「死んでもお断りします!私は優希さんのモノですので!!」
『は?リンカ……えええええええ!?まさかのリンカ選手!勇者様の奥さんだったぁ!?』
「はん!ならば決闘だ!!俺が買ったら勇者に挑戦させろ!!そして勝ってお前を抱いてやる!!」
「良いわ!!どの道負けるつもりは無いですから!!」
奇しくも私と同じ二刀での双剣スタイル、私も剣から二本の刀に武器を変化させる。
『では参りましょう!決勝戦!ルールの変更で時間は無制限!舞台にはユフィリール様特製の防御魔法が張られます!ですのでこの試合場外は無し!戦闘不能になるまでとなります!攻撃魔法も解禁です!』
「「「「「「うおおおおおおおおおお!!」」」」」」
「はん!!良いのか俺に有利で!!」
「後で吠え面かかないで下さいね!!」
『それでは!戦闘開始!!』
---------------------------------
あとがき
作者です。
遅れましたすみません!!伸びたので2分割にします!
70万5000PV超えました!!感謝!!
昨日は4100PVでした!日々下がってるww
読んでいただける方、ありがとうございます!
♡も1万5200!超えました!
コメントもありがとうございます!
☆も新規ブクマもありがとうございます!
☆もらえるとランキングが上昇して作者のメンタルが復活するのでくれると嬉しいです!!
今週に日間10000PV超えなかったら1日1話投稿にします。
皆様の☆(星)とブックマークのお陰でランキングを登ってます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます