第47話:メアリーの魔法鎧とプレゼント

任命式が終わった後別室に移った俺達はエアリス達とお茶をしていた。


「それでユウキ様、説明していただけますよね?」


うん、俺だけ問い詰められてる。


「その前に、えっと…神様、先に聞きたいんですが…」


「うん、なーにー?」


「俺に送ったあの武器と盾ってまさか、で持ち出したって事は…」


「テヘッ…忘れてた☆」


「「えぇ……」」


「まぁでもコイツのお陰で俺は助かったしなぁ…」


「私も助かりました!」


「その剣と優希おにーちゃん居なかったら、私達死んでたもん」


「そうだったんですね…何があったか聞いても?」


「シルバーオーガですか…確かにかなり強力な相手ですね…ですがユウキ様だったら余裕で勝てたのでは?」


「えっとね…優希君は一時的に強さを最初期に戻してたんだよー」


「え?最初期だったの?」


「うん、まぁ最初期っていっても、少し強くなった状態での最初期だから向こうの世界の人達よりは全然強かったけどね」


「それでも瀕死の状態だったけどね…相打ちでなんとか勝ったようなもんだったよ…」


「そうですか…この剣が、ユウキ様を助けてくれたのですね…」


俺の手に持った剣を優しく撫でるエアリス。


「ともかく、コレは返すよ」


そしてエアリスから貰った剣を渡す。


「えっ…」


どうして?という顔をされる、実は一つ問題があるのだ…


「実は…このままコイツを振ったら多分バラバラになる」


「剣自体は壊れる前に修復したんだけど、あの旅で付いた傷なんかは直してはいないんだ」


今の力で振ったらどのみち剣自体が耐えれない。


「だったら、いっそ飾りにしてくれるか、エアリスに使ってもらう方が報われるよ」


「そう…ですね……少し寂しいですが…」


そう言ってエアリスが吊るすには少し大きい剣を胸に抱える。


「じゃあこれは僕からのお詫びという事で」


神様が少し煌びやかな鞘を取り出す。


「じゃーん、これならエアリスちゃんの腰に吊るしても地面には引きずらないよ!」


「神様…これは?」


空間収納アイテムボックスを利用した鞘で、奥の方まで差すと先端部分が空間収納に仕舞われるんだ」


「国宝じゃないですか!?まぁ神様から頂いた時点で国宝なのですが…」


その神様の鞘を見て思い出したようにユフィがこちらに来る。


「そうだ、エアリス、これ」


ユフィが空間収納の魔道具を渡す。


「ユフィ?これは?」


「空間収納の魔道具、数は少ないけど量産した」


「これも国宝じゃないですか!?」


「理論は組めたから、後は実用度に耐えれるかどうか」


「これ?本当に量産出来るんですか?」


「ん、今は特殊な魔石で代用してるけど、試作を重ねれば多分量産化可能」


「この世界の物流が変わりますよ…」


「ただ凄く高い、魔法鎧に使う魔石で馬車一つ分入るかどうか」


「ユフィ、その魔道具は量産禁止です」


「ん?何故?」


「誰もが手に入るようなら、きちんとした法整備等をしなければいけません、場合によっては各国の警備体制や違法物の密輸が可能になりますから」


「ん、わかった」


「すまない、エアリス姫。私もうユフィから貰ってしまったのだが…」


おずおずと雛菊さんが気まずそうに手を上げる


「ヒナギクさんでしたら、まぁ大丈夫でしょう。場合によっては規制をしないといけませんが…」


「まぁなるべく使わない様にするさ…」


「お願いします…」


「それと…メアリーちゃん。君の魔法鎧が出来たよ」


「ありがとうございまス」


「一応装着してみてくれ、着け心地が悪ければ調整するから」


「はイ、かしこまりましタ」


そう言ってメアリーが魔法鎧を起動する、するとあまり見た目が変わらないが耀の魔法鎧と同じように魔力蓄積用の紫色の装飾品が現れた。


「着け心地ハ…悪くないでス、寧ろしっくり来まス」


「そうか…良かった!基本使用する魔法が身体強化と武器強化だけだから簡易的だが異世界のジュウだったか?それ位なら余裕で弾けるからね」


気に入ったのかメアリーが俺の前に来てくるくる回る。


「どウ…ですか旦那様?」


「うん、装飾の宝石と各所に入った紫色の差し色がメアリーの瞳と相まって綺麗だね」


そう答えると頬が緩んでいくメアリー。


「うーん…」


その上機嫌なメアリーを見て唸る神様。


「どうしたんです?」


「うん?あぁ、少しメアリーちゃんにプレゼントをね♪」


そう言って神様はメアリーの元に行く。


「メアリーちゃん」


「はイ?どうしましたカ?神様」


「これは僕からのオマケ」


核になっているブローチを神様が触るとメアリーの魔法鎧に変化が起きた。


「え?」


驚くのも無理はない、今まで何も無かった背中に天使の羽が生えていたのだ。


「うん!これで良いビジュアルになったね!ちなみに、それで発動する魔法の性能は倍くらいで、更に飛翔魔法が使える様になってるからね!」


「あっ…ありがとうございまス…」


「それじゃあ、皆にも…」


そう言うと次々に皆に強化を施していく神様。


「まず耀ちゃん、今まで只のギミックだったカートリッジの部分に魔石を詰めると、魔力が充填できるようになったよ原作再現って奴だね!」


「わぁ…凄い!ありがとうございます!」


「そうそう、魔力の刃も出せるようになったから近接攻撃も可能だよ!」


「次に春華ちゃん、盾の方を強化して受けた衝撃を蓄積して反射できるようにしたよ。それと盾に形が変わる様に念じてみて…出来れば武器が良いかな?」


ブラック〇ンサーのスーツかな?とゆうか変形機構かぁ…いいなぁ…


「は、はい!」


春華は盾を持って目を瞑る、すると手元に大きな鎌が現れた。


「わぁ…凄い」


「これで、春華ちゃんの攻撃能力が上がったよ、変形の速度は練習してくれればいくらでも早くなるから」


「がんばります!」


「次に冬華ちゃん、弓を通して撃つ魔法の威力が上がったのと消費魔力が減ったよ」


「なんかゲームみたいな調整だねー」


「それと武器自体の変形も出来るようになったよ!」


「わぁ!本当だ!すごーい!」


冬華が弓から色々な武器に変更してる。


「じゃあ次に鈴香ちゃん!鈴香ちゃんは武器が無いって言ってたからね、武器をあげる、みんなと同じように変形機能がついてるよ後は魔法の杖としても使えるから剣の状態で効率よく魔法を使えるよ、後は魔法鎧に飛翔魔法が使える様に変更してあるよ!」


「ありがとうございます!これで私も魔法が使えるんですね!」


「じゃあ次はこっちの世界の皆だね!」


そう言って神様は振り向いた。


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メアリーの新衣装近況ノートにアップしときますね!

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