第38話:勇者ヨ護ル者ト共ニアレ

勇者時代に神様に貰った力だが、場合によっては俺が爆発四散してしまうという旨を受けたのであった。


メアリーがまだ起きてこないのでメアリーを膝枕しつつ神様の話を聞く。


「でも【英雄】って【勇者】の上位互換なんだよね?」


「基礎的な能力値と将来性はね、でも最終決戦で君は普段じゃありえない力を宿してたじゃん」


「あれって神器の効果だと思ってたんだけど…」


「そうだね、神器自体にも邪神特攻があるんだけど。もう一つあってね、それこそ物語の中で見るチートレベルだね」


「えぇ…そんなだったんだ…」


「説明するとね。君の【英雄色ヲ好厶】それの前身にあたる【勇者ヨ護ル者ト共ニアレ】その能力にある『背負うものが大きければ大きい程強くなる』って奴だね」


空中に人形を出して説明を始める、人形の背負うモノが段々と大きくなる。


「そういえば、そんなのありましたね。よくわかってなかったんですけどそれって、相当強いんですか?ただ、何か荷物を背負ってたら強いのかと思ってたし」


「あはは…それも間違ってはいないんだけど、ちょっと違うんだ。だって背負うモノならなんでも良いんだよ。友達、恋人、家族、民衆、戦友、それこそ世界だって背負えるからね、そしてそれが多ければ多い程強くなる」


人形との間に様々なものが現れ人形の中に入っていく、そして人形がどんどんゴツくなる。


「そこまで行くと、マジでチートだなぁ」


最初の人形から様変わりした姿をがそこにはあった。


「そう、だから、その能力を受け止める体と神器、その両方が無いと耐えられないんだ」


説明用に形作ってた人形が、いきなり最初に戻り、一気に流し込まれパンパン膨れてはじけ飛んでしまった。


「だから、俺はこの世界を回って、学んで、鍛えて。色々な出会いをして、最後の戦いの為に仲間を集めたんですね」


「それもあるんだけど、やっぱり自分が守る世界の事は、目で見て、足で歩いて、食べて味わって、匂いを感じて、そこに生きる人たちを知った方が、力が出るでしょ?」


神様の言葉に短い様で長かった、5年という月日を思い出す。


「そうですね、ただ力をもらって。その力だけで適当に世界を救っても。『自分』が世界を救ったという思いは薄いし愛着も湧かないだろうしなぁ…」


「僕が研修生の時に教えてくれた先輩は、世界を簡単に救えるチートを与えて、後は好きにどうぞ、サポートはしません!ってタイプの人だったからね。まぁそれでも世界は廻るし、ノルマ達成は出来るから問題は無いんだけどね」


「ノルマ達成とかあるんだ…」


「そうだね~でも、厳しいものじゃないよ?普通に人の営みが動いてたまに出る負の集合体を浄化して、そうすれば基本はOKだね」


「それでも大変だね…」


「まぁ僕は神様の中でも変わり者だからね、神から生まれた神じゃないし。元が人だからね」


「それは、重々承知してるよ」


隣に座る理映の頭を撫でてやると、少しくすぐったそうにしてくる。


「お陰で、僕はご先祖様に会えたし。その成長を見て楽しんでるよ」


「俺は娯楽だったのか…」


「うーん、否定すると怪しいんだけど…一応僕の居た未来世界にも冒険譚や英雄譚ってのがあってね、ご先祖様が勇希君ってのもあって、良くお父さんとお母さんから読み聞かせをされたんだ」


「へぇ、未来でも残ってるんだそうゆうの」


「そうだね、技術や知識は、禁則事項で持ち込めないけど沢山あったよ」


「じゃあ、俺はもっと理映を楽しませないとな」


「今でも十分楽しいよ、子供の頃から聞かされた、英雄や勇者のお話。しかもそれが目の前で、僕の血縁者で起きている、感情の入りようも凄いよ!」


そう言って神様は鼻息が荒くなる。


「さて、そろそろメアリーちゃんも目が覚めるだろうから。先に残りの要件を済ませちゃおう」


理映が神様モードに切り替わる。


そう苦笑いしながら理映は俺が死ぬ前に使っていた刀を空間から取り出した。


「あれ?それって…」


「優希君の世界から回収した刀だね、今回はこれに手を加えて聖剣…聖刀せいとうにしてあるよ」


「聖刀って…なんか語感があれですね…」


「うん、なんかモヤッとする語感だね…」


なんだろう、見る人が見たら感動する様な光景なんだろうけど…微妙な空気になる。


「まぁいいや、聖なる刀って意味は通じるし!」


「そうですね!」


「それじゃあ僕はこれで行くよ」


「メアリー達に会って行かないんですか?」


「うーん、この後神様達の上役うわやく会議に参加させられる事になってね…会ってもドタバタしちゃうし今回は先に帰るよ」


「あっ…何とゆうか…うん…」


「半分宴会みたいなものなんだけど…今回の件が議題に上がる以上、僕の参加は必要なんだよね…」


こちらの世界で体験したことがある、会議はするんだけど半分以上が飲み会でしかも途中で帰る訳には行かないという凄く面倒な会を思い出す。


「お疲れ様です…」


「まぁ!その刀は以前の聖剣と同じくらいの強さだし、今の優希君ならもっと使いこなせるでしょ!それに戦場に着いたらもう一度会いに行くよ」


「わかりました!じゃあ…頑張って下さい…」


「じゃあまたね~」


最後は元気よく帰って行った。


「んっ…つっ…優希さン?」


そして丁度のタイミングでメアリーが目覚めた。




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あとがき


作者です。


手足の痛みとPV数が落ちて心が折れそうな作者です。

今日も2話更新できそうなら頑張ります!



57万4000PV超えました!!感謝!!

昨日は7100PVでした!回復してきてる!

それでも読んでいただける方、ありがとうございます!


♡も1万1900!超えました!感謝です!!!

☆620を超えました!!

ありがとうございます!感謝!!

新規ブクマもありがとうございます!


☆もらえるとランキング上昇するのでくれると嬉しいです!!目指せ週間50位以内!!!




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感謝です!!!!


遂に週間100位より落ちました…面白くないのかな…

皆様の☆(星)とブックマークのお陰で登ってます!

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