第17話:始祖様はエルフ好き?

朝寝坊してこんな時間です…すみませぬ…


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耀の杖を作る為の素材探しで森の最奥まで来た俺達、そこはエルフ族のお墓だったという、しかもユフィが言うには耀に反応した樹がエルフの始祖様の樹らしい。


「とりあえずユフィ、どうしてエルフのお墓が樹なんだ?」


「私達は死んだ際に。森に還る者とそうでない者が居る。森に還るエルフはこの地に埋葬されそこに樹が植えられる、そうして森は広がり世界樹に魂は還るって言われてる」


エルフの言い伝えなのだろう、森に還る=世界樹に還るって考えはあるしね、それでいてエルフは基本的に【神樹教】だし。

(※補足:神樹教は世界樹を【神樹】と崇める宗教。経典や拘束は無いけどエルフには言い伝えがあるくらい、毎朝世界樹に挨拶とお祭りの実行委員をしてるくらいの主教)


「因みに還らない者は、寿命で死ななかった者、戦争や不慮の事故で死んだ者と言われている。この世界への執着があるから、もう一度この世界に生まれ変わると言われている」


「へぇ~じゃあユフィのご両親も?」


「私の両親は後者、もう一度生まれ変わり出会う為って長老が言ってた」


ユフィの両親は100年以上前に起きた体中の魔力が無くなるという流行り病で亡くなったらしい、ユフィは魔力を吸う体質が耐性となって死なずに済んだとという事だ。


「まぁ、それで。そこ埋められてるのが始祖様」


ユフィは耀の足元を指差す。


「ちょ!?流石に早く言ってよ!」


「大丈夫、魂は世界樹に還ったし、肉体はもう朽ちてる」


「それはそうんだけどぉ~」


「??」


ユフィは何で?という顔をしている。


「ユフィ、これは俺達『日本人』の習性みたいなものでね、基本的にお墓を踏んだり、そこに死んだ人が埋まってるって聞いたりしたら避けるんだよ」


「ふーん、ユウキとヒカリの国は、死者を大事にしてるんだ、良いと思う」


「まぁでも、死んだ人の遺跡の上とかには、乗るんだけどね」


そういうとユフィが『?』まみれになっている。


「おーいユフィ、かえってこーい」


「はっ…ユウキの国に興味が湧いた」


「今の話でか…」


「ん、色んな人々の営みを知れば。新しいものに生かせるから」


そう言うユフィの目はキラッキラしていた。


「それで、私はどうすればいいの?」


置いてきぼりにされた耀が呼ぶ。


「あっ、忘れてた。とにかく魔力を注いで」


「こうね…おりゃー」


耀が魔力を急速に込めていく、すると樹の方も発光が強くなる。


「そろそろ、落ちて来る」


そして上から太い枝が1本落ちてきた、それを受け止める。


「よっとと…」


「ナイスキャッチ」


「ヒカリもう大丈夫」


「わかったー」


そうして耀の魔力放出が終わると樹の発光も収まった。


「これで、OK。戻る」


持ってるのもアレなので空間収納へ入れておく。


そうしてきた道を戻り、西日が差す時間になっていた。


そして、宿泊小屋に戻ってくると、湖で釣りをしてるエルフの男性が居た。


「おっ、俺の樹は反応してるから誰かと思ったが俺の子孫と…ご先祖様!?」


ちょっとまって今なんか凄い言葉が聞こえたんだけど!?


「ご先祖様?誰が?」


「いや…魔力的に近いと思ったけど…まさか…ユフィリール様?」


「「「ユフィリール様?」」」


ユフィが首をかしげる、いやいやユフィの事だよね?


「いや、ユフィさんが知らないのはどうゆう?」


「私も判らない、こんな人知り合いにも居ない」


「怪しいわね、優希」


「おう」


耀の目配せに俺は空間収納から刀を取り出す。


「ん?ちょっとまってくれ、そこに居るのはユウキ様とヒカリ様か?」


「「は?」」


「とりあえず、説明して」


俺達の一歩前に出たユフィが問いかける。


「えっと…その…ユフィ様とユウキ様とヒカリ様の子孫です俺」


「「えええええええええええ!?」」


「やっぱり…薄々感づいてたけど…」


「やっぱりって?」


「うん、昔の遺跡や色んな文献を探したけど、今から6000年目前にエルフという種が爆発的に増えた。その理由がずっとわからなかったけど、多分始祖様が原因」


「ちょっと…それってどうゆう事?」


「うん、多分。始祖様エルフが大好き、性的に」


「えぇ…」


「多分、エルフでハーレム作った。しかも過去に遡って」


「「えぇ…」」


俺と耀がドン引きする。


「仕方ないじゃん!エルフが好きなのに俺の時代殆ど混血なんだもん!だったら遡ればいいじゃんと思い飛んだんですよ!」


「行動力は凄いけど…うん…」


「「理由がしょうもない」」


女性陣二人に言われ落ち込む始祖様。


「それで話を戻すけど…私と優希、ユフィさんと優希の子孫って…」


「正確にはヒカリ様と優希様の血族と、ユフィリール様とユウキ様の血族の子です」


「そっか、俺と耀とユフィの子孫か…何か壮大なネタバレを受けた気分だ」


「あれ?俺なんかやっちゃいました?」


「そうね」


「ん」


「まぁな…」


「まぁそれは置いといて、なんでここに居るんだ?」


「それはですね…俺の魂が世界樹に還ったからなんですよね、まぁ他の人達の魂はそのまま転生したりしましたから」


「なんで始祖様はそのままなんだ?」


「嫌ですね~転生したらもうエルフを見る事できないじゃないですか!」


「「あぁ…」」


もういいや…うん…


「まぁ枝が適応したって事は、受け継がれてるヒカリ様の血がしっかり反応したって事だと思いますから、そのまま使って下さい」


「わかったわ、ありがたく使わせてもらうわ」


「それじゃあ、俺はそろそろ活動限界なので寝ます」


「そうか…ありがとな、エルフ族を発展させてくれて」


「いえいえ!俺は好きな事をしただけですから!それにヒカリ様、ユウキ様、ユフィリール様とこうして出会えた事は一生の財産です!死んでるけど!」


「ん、貴重な情報をありがとう」


そうユフィが言うと始祖様は光となって世界樹に戻って行った。


「と言う訳でユウキ、これからよろしく」


「良いのか?」


「うん、ユウキが理想だから」


「わかった、じゃあこれからよろしく」


「これでやっと一人目…(ボソッ」


「ん?耀何か言った?」


「何でもないわ、優希おめでとう!」


「おっおう?ありがとう?」



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あとがき


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