|幕間 |③:メアリー・ユフィの部屋へ

作者です。

幕間を読む順番はどの順番でも大丈夫な様に書きました!

初めての試みデス!

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メアリー・ユフィの部屋の部屋に来たが、ノックしても反応が無いのが気になり一声かけてから扉を開ける。


扉を開けると、二人が向かい合い座っていた。


(なんなんだ…この空間。二人共、普段は静かだから間が…)


そうしてユフィがメアリーから目を逸らさず俺に話しかけてきた


「ユウキ、このむすめ何者?」


「この子って…メアリーはメアリーでしょ?ねぇ、メアリー」


何故そんな事を聞くか疑問に思いメアリーを見る。


「メアリー?」


よく見るとメアリーは脂汗が凄かった。


「ちょ!どうしたの?」


メアリーの肩を掴んで顔をこちらに向かせると、やっとメアリーも気付いた様だ。


「あっ…旦那様」


とりあえず汗が凄いから空間収納からタオルを取り出し汗を拭く


「ゴメン、メアリー顔拭くよ」


軽く汗を拭い終えるとメアリーの目を見る、視線が揺れていて焦点が合いづらい。


「私…私ハ……」


ユフィの前だけどメアリーを抱きすくめ落ち着かせる。


「ユフィ、メアリーに何かした?」


かつての仲間に向けるものでは無いが、漏れだす殺気を抑えつつユフィに問いかける。


「私は、何も。その娘の魔力?魂?の本質が神様寄りだから気になった。それだけ」


そう言われ、思い出した。メアリーの体は神様が作った依り代の一つだったこと、その前はこの世界で忌むべき対象だった事を。


「あっ、そう言う事か…それならメアリーが落ち着いたらでいい?」


原因が分かったので殺気が消える、するとユフィも緊張してたのか「ふぅー」と息を吐いた。


「ユウキ、かなり強くなった。今の殺気で新兵なら失禁して気絶するレベル」


「そんな部分で強さを実感されても…」


「それに、魔力の質が濃くなってる」


「濃く?」


「うん、色々な人の魔力が混ざって独特な香りになってる、でも嫌な匂いじゃない」


「ちょっ、ユフィ」


ユフィがメアリーの反対側からくっついて匂いを嗅いでくる。


「それで、その娘の事、教えて」


「あぁ…メアリーいいか?」


そう言うとメアリーはコクリと頷いた。


それから、メアリーの事を話すと、ユフィは納得した様だ。


「つまり、その娘は元邪神という罪悪感で話せなくなってる、それで間違いはない?」


メアリーがおずおずと頷いた。


「ふぅ…まず一つ、私達は貴女の事を聞いても恨まない……と思う。邪神は元々何万年も前から発生してる事象。偶々その事象を悪用して貴女が被害者になっただけ」


その言葉にメアリーは顔を上げる。


「でも許せないことがある」


メアリーをしっかり見てユフィが言う。


「私より先にユウキの恋人になった事」


「「え?」」


ユフィさん何を言ってらっしゃるの?


「何、ユウキは驚いた顔をしてる?」


「いや、ユフィって恋人居たんじゃ?」


「????????????????」


そう言うと心底不思議そうな顔をされた。


「えっ?いや…あのシーフの…」


「アレは私の事を好きじゃなくて、妹ラブ過ぎて私をかまってただけ…正直鬱陶しかった」


「えぇ…マジか…」


「因みにシーフの妹はユウキに惚れてるから、会ったら多分殺されるよ」


「怖いわ!マジか!」


「そう言う事だから私も恋人にすべき」


「ちょっと待ってくれ、理解が追い付かん!」


「駄目なの?」


「とりあえず、耀に確認しないと…」


「耀?」


「ユフィと魔力を撃ち合った人だよ」


「あぁ…あの魔力ゴリラ…」


「いや、ゴリラって…」


「魔力の流れも何も、全部力技で解決してる、もうそれゴリラの所業」


「えぇ…じゃあ俺も、同じような物じゃん」


「そうなの?」


「うん、耀に教えたの俺だもん」


「そう…じゃあユウキもゴリラ」


ゴリラ認定された…


「とりあえずゴリラに聞いてくる」


「あ、ちょっ!行っちゃった…」


ふよふよと浮きながらユフィは出て行った、アイツ俺の魔力吸ったな…


ユフィは魔力の貯蔵量が多くてそれが溢れると有り余る魔力でふわふわ浮き始める、それに特異体質のエルフで大気や生き物にある魔力を吸える体質でそれを貯蔵して戦闘時や物の開発の際に使っている、まぁ昔それでひと悶着あったんだけどね。


「まぁ…いいか俺、今日全然魔法使って無いし、それでメアリーは落ち着いた?」


「はイ…ありがとうございます優希さん」


メアリーを膝枕して俺はメアリーの髪を撫でる。


「まぁせっかくだし、もうちょいこうして居ようか」


「はイ…恥ずかしいですが…」


「ねぇ、メアリー」


「はイ、どうしたのですカ?」


「この世界でメアリーの事を悪く言うような人が居たら、俺がメアリーの前に立って守るよ」


「優希さン…」


「でも、心無い言葉を投げつけられるかもしれない、その時は言ってくれ。その時は…」


「その時ハ?」


「またこうして、膝枕でも何でもしてあげるよ」


「それは…もウ、普通にしてくれないんですカ?」


潤んだ目で見上げて来るメアリー


「そんな事は無いよ」


その体勢のままメアリーの頭を持ち上げてキスをしようと…


ドーーーーーン、バキバキバキ


唐突に破壊音と樹が折れる音がした。


外を見るとユフィと耀が魔法の撃ち合いをしていた。


「あー、行って来るか…じゃあ」


「行ってくる」と言おうとしたら隣に立つメアリーにキスをされた。


「次ハ、邪魔が入らないト、良いですネ」


微笑むメアリーに背中を押され俺は二人の戦いを収めに行った。



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